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夜は美しい絵画だと言って
お金持ちが買い取ってしまった
そんなのはもう
100年以上前のことさ

柴山の駅で降りて
ホームから空を眺めると
雲が動いていた
夕陽に赤い帆は
見えないけ ....
朝早く
女が僕の布団に潜り込んできて
いろんなことを言ったけど
消えちゃった
僕は彼女がなにを言っているのか
全くわからなかったけど
大切なことは要約ができないと
言っていたような気がす ....
{引用=


記憶は生きていない
記憶は動かない

ので

それは生命を超越し
古い古い地層に
固定されている

こことは違う時間では
時間は
固定されている

ここと ....
{引用=
壊れてしまった
停留所で
細々と
息を潜めていた

寒さで
空気が張り詰めていた
吐く息が
白くなって
白くなった

僕らが想像していたよりも早く
バスは出てしまっ ....
息が詰まるほどの
狭苦しい都心のバーで
ビートルズを延々と
聞き流しながら
炭酸で割った
スピリッツを飲む

気心の知れた
大学からの友人と3人

「疲れたね」
「煤けたね」
 ....
{引用=
夜の鉄塔に
不意に生える街
怯える目を
置き去りにして
黒々と
増える

天辺から
樹が生えたかと思うと
それも鉄の塊
夜が音を立てて吼えた
音にならなかった
だが ....
{引用=
真ん中にテレポートしてくる
定めのない標準
チルチルミチルの
御伽噺はおしまい
窓が開いて
犬の鳴き声が聴こえる
どんなことをしても
償うだろうと
「記憶」が告げる
場所 ....
{引用=

6月の雨が
まだどこかに残っていて
それが7月の終わりになっても
降り注いでいる
一月以上寝かせたからだろう
いらないものがたくさん混じってる
人間の気持ちに置き換えたら
 ....
見知らぬ人ばかりが
夜に追突した
追突した夜は
分散し
それぞれの夢に混じった

あ、と驚きが
その人々を捕らえ、
携え、
さえずりを
引き抜いて
躊躇いに換える

夢が重み ....
{引用=


君の調子がどうだか
気にならないし
君の虚偽が
いくつずつ
世界の果てに通信されていくのか
知りたくもないよ
この世は
通信教育なんかじゃない

僕は昨日
大型 ....
いったいなにが起こっているんだい?

朝起きてから

目が覚めてからずっと

よくわからないんだ

ちゃんと調べたら

たいしたことがないのかもしれない

ちゃんと調べなくても ....
{引用=
優しく笑って
優しく微笑んで
優しく黒ずんで
まるでレーズンバターみたいに



詩を口にすると
表面がはがれていく



薄いコーティングを
誰のためにした ....
{引用=


それは

空洞と
いう名前の

留保に過ぎないのだと

口に出していた
或る夜

人はすべて
寝静まり

ベッドの上で時間が
ぐんにゃりとする

 ....
{引用=

柔らかい命を
踏んで楽しんでいると

いつも不思議な音がする

どこかから聴こえてくるような

すぐ近くのような

ものすごく遠くのような

友人が一人電話をかけ ....
{引用=

世間が
大きな怪物に見える

それよりももっと恐ろしい怪獣が
他の場所にいる

麦畑が
静かに揺れている

彼らも
約束された平和の中に
揺れているだけ

刈 ....
{引用=
風の音が聞こえる

戸外は雨だ

脹らんだ大きな雫が
木の葉の表面を滑る

熟れすぎた文化のなれの果ての
決済の時間のように見える

カーテン越しの
切れ長の瞳は
 ....
{引用=
「で、例のA印刷さんの件なのですが」
と、病人が自分から語りだしたので
僕は面食らってしまった
まだ日の高い午後のはじめの市立病院
5階の、清潔な部屋で
病人は自分から口を開いた ....
{引用=
夜に
もう成長しないどころか
ますます退化をする体を抱えて
たくさんの書物と一緒に
帰宅をすると道すがらの
運動場には
テニスの練習をする
少女の姿があった
テニスウェアで ....
{引用=


名前を忘れてしまった
町を
通り過ぎて2日
私は水を汲んだ
水の中に
幾億の雨粒



唇が
だんだんと開いて言葉を発見する
発芽されたばかりの種のように ....
これだけなだらかな
流線型の谷を下るあいだに
私はすっかりと忘れてしまっていたのだ
これが谷であるということを
私は視覚的な美しさを楽しみ
そこにはすべてがこめられていると思い込んでいた
 ....
モノクロームの
夢を見た後は
必ず
部屋に月がぶら下がっている
月は
蛇みたいに
神秘的だと思う

胸の空白に
薄い風が吹いている
風で砂漠の砂が
少し飛ぶと
君の心に
届く ....
kauzakさんの真島正人さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜は絵画- 真島正人自由詩3*10-12-10
でもそんなの朝の間だけのことさ- 真島正人自由詩5*10-10-30
記憶は生命ではないので- 真島正人自由詩5*10-10-23
死者はもう行ってしまったよ- 真島正人自由詩7*10-10-12
狭苦しいバー- 真島正人自由詩3*10-10-5
酸化した街- 真島正人自由詩5*10-9-3
印紙- 真島正人自由詩2*10-7-28
雨の残りもの- 真島正人自由詩9*10-7-28
比重- 真島正人自由詩3*10-7-12
とうとう聖痕を得てしまった僕の友達について- 真島正人自由詩6*10-6-23
いったいなにが起こっているんだい?- 真島正人自由詩1*10-6-2
まるでレーズンバターみたいに- 真島正人自由詩6*10-4-22
あどけのない空洞- 真島正人自由詩7*10-3-28
柔らかい命を踏んで楽しんでいると- 真島正人自由詩5*10-3-13
空気- 真島正人自由詩8*10-2-28
失墜する文明- 真島正人自由詩8*10-2-25
505号室- 真島正人自由詩3*10-2-19
私たちの、絶え間ない変化- 真島正人自由詩4*10-2-19
耐用年数の射程距離- 真島正人自由詩4*10-2-14
憧憬- 真島正人自由詩4*10-1-27
エピデンス- 真島正人自由詩4*10-1-4

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