すべてのおすすめ
詩友がマスターをする 
「 ポエトリーカフェ 」の本棚から 
手にした詩誌を開いたら 

昔別れた 
サングラスの詩友が 
モノクロ写真の四角い枠から 
「 調子はどうだい? 」と微笑 ....
酩酊の夜道で仰ぐ空の 
遥かに滲むあの星宛に 
一篇の{ルビ詩=うた}を僕は綴ろう 


( ruru ri lala
  lala ri ruru ) 


いつか星になった日  ....
もし過去というものに 
{ルビ遡=さかのぼ}れるなら 
初めて母の胎を出た 
あの誕生の日に還ろう 

まぶねに寝かされた 
幼子のまんま 
理由も無く 
天に向かって泣き叫ぼう 
 ....
昼食を終えた 
車椅子のあなたを 
ベッドに寝かせ 
おむつを開けば 
あふれるほどの排泄物 

「先輩ちょっといっしょにお願いします」 

腕っぷしのいい先輩がやってきて 
拘縮し ....
図書館で資格の本の頁を閉じ 
色彩を失った日々を嘆いた 
長い手紙を書き終え 
疲れた腕をしろい机にのせる 

(机の下に潜むかみさま)が 
ぼくの重さを支えていた 

ふいに後ろを向 ....
海沿いの駅のベンチに 
腰かけた老婆はふたり 
ひそひそ話で 
地面を指さしている 

そぼふる雨の水溜りに 
浮かぶ 
誰かが落とした 
一枚の切符 

やがて聞こえる 
遠鳴 ....
仕事帰りに立ち寄った 
ファーストフード 

若い女の店員が 
次から次へと
メニューに追われ 
調理に追われ 

カウンター内を 
ひいひいとした顔で 
荒っぽく動いているのを見 ....
「国宝薬師寺展」の垂幕が 
灰色の壁に掛かった
上野の美術館 

瞳を閉じる 
観音像の絵が待つ入口へ 
長蛇の列は
ゆっくり進む 

 ぽつり ぽつり 

曇り空から
降り出 ....
雨のそぼふる 
路面に一人 
いつまでも濡れている 

あの丸い小石に 
僕はなれるか 
太平洋沿岸を舐めるように 
季節外れの台風が横切った日 

67歳の親父は 
嵐の中かっぱを身に纏い 
今朝も警備の仕事に出かけた 

63歳の母ちゃんも 
食事のかたずけを終え 
 ....
一週間後の月曜日 
八十八の祖母の脳内に転移した 
二つの腫瘍にレーザーを当てる為 
頭蓋骨に四つの穴を開けるという 

三十三の孫は 
何も出来ずに枕辺に坐り 
祖母の呟く嘆きに 
 ....
ネオン街で同僚と飲んで
赤い顔ではしゃいだ夜遊びの後
やけに寂しい帰り道 

終電待ちのホームに並び 
線路越しに見える 
広告募集中の真白な看板が 
自分のこころのように見える 

 ....
人々の行き交う夕暮れの通りに 
古びた本が 
不思議と誰にも蹴飛ばされず 
墓石のように立っていた 

蹴飛ばされないのではなく 
本のからだが透けているのだ 

聴いている

時 ....
傷口をいじれば 
いつまでたっても治らない 
そう知りながら 
この手は気づくと触れている 

もう忘れていたあの日の傷跡を 
いじり過ぎた浅黒い影が  
遠い過去の空白に 
うっすら ....
田舎の駅の階段を 
せーらー服の少女は軽やかに上り 
ひらひたと舞うすかーとのふくらみに 
地上と逆さの重力が働いて 
自ずと顎が上がってく 

まったくいくつになっても 
男って奴ぁい ....
手にした本の 
次章に開く一頁は 
思いの他に重い 
一枚の紙であった 

「見知らぬ作家」の 
手にした筆が 
開いた頁の余白に描く 
自らのあらすじを 
誰も知らない 
「卵」という文字が 
何故か哀しく歪んだ 
誰かの顔に見える 

「卵」という文字が 
何故か背中合わせに俯く 
ふたりの人に見える 

「卵」という文字が 
何故かずっと倒れずに  ....
0時過ぎの残業を終えた 
更衣室のロッカーに 
凭れて座る栄養士 

青白い顔と体をつらぬいて 
うっすらと立つ 
ひとすじの葱 
老人ホームで 
19年間すごした
Eさんが天に召された  

すべての管を抜いて 
白いベールを被る
安らかな寝顔の傍らで 
両手を合わせた日 

帰り道に寄ったマクドナルドで 
 ....
東口を出た歩道橋に 
一人立つ 
目の見えない 
フルート吹きの奏でる 
あめーじんぐぐれいすの 
音色を前に 

手押し車の老婆は通りすぎ 
土産袋を持ったサラリーマンは通りすぎ 
 ....
幾十年も働くということが 
途方もなく長い道のりに思え
僕はひとまず荷物を降ろし 
ありきたりないつもの道を外れ 
目の前に広がる 
今日という日の草原を 
無心で走ろうと思った 

 ....
主任のおばちゃんが 
残業時間につくる勤務表と 
にらめっこしながら 
(あの人の性格はああだから・・・) 
(この人の性格はああだから・・・) 
と頭を抱えていた 

なにができるでも ....
  {引用=わたしはすでに 
わたしそのもの}


自ら望み 
生まれてきたわけでもなく 
自ら選んだ
両親と国と時代でもなく 

窓辺に置かれた鉢の 
枝葉を広げた小木のように  ....
最近夜になるといつも 
何処からか聞こえてくる 
密かなピアノの旋律に 
耳をすます 

モーツァルトの指は今夜も 
鍵盤の上を滑らかに踊る 

自分という役を演じることが 
ことの ....
kauzakさんの服部 剛さんおすすめリスト(114)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
浜辺の樹木- 服部 剛自由詩108-7-1
星の言葉- 服部 剛自由詩408-6-29
誕生の日_- 服部 剛自由詩3+08-6-26
不思議な風_- 服部 剛自由詩408-6-16
宛名の無い手紙_- 服部 剛自由詩408-6-15
晴天の雨_- 服部 剛自由詩408-6-12
風の会釈_- 服部 剛自由詩308-6-6
頭上の傘_- 服部 剛自由詩408-6-5
石_- 服部 剛自由詩4*08-6-4
嵐の唄- 服部 剛自由詩108-5-20
日向の道_- 服部 剛自由詩108-5-11
白い看板_〜週末の夢〜_- 服部 剛自由詩508-5-4
詩人の肖像- 服部 剛自由詩11*08-5-2
無名のひと_- 服部 剛自由詩508-5-2
お花畑にて_- 服部 剛自由詩6*08-4-30
「_自叙伝_」__- 服部 剛自由詩308-4-27
「_卵_」- 服部 剛自由詩608-4-25
葱の霊_- 服部 剛自由詩5*08-4-24
蜜柑の木_- 服部 剛自由詩808-4-10
五線譜の橋__- 服部 剛自由詩17*08-3-24
まぼろしの草原_- 服部 剛自由詩408-3-23
雨夜の信号_- 服部 剛自由詩4*08-3-20
きせきの日_- 服部 剛自由詩808-3-17
明日の台本_- 服部 剛自由詩508-3-4

Home 戻る 最新へ
1 2 3 4 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する