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01
図書館にパンが落ちていたので男は拾って食べたのだが、それはパンではなくムカデの足だった。
02
図書館の大砂漠で遭難した司書は一週間後に救助され、その翌年には大統領になった ....
月工場で
おじさんたちが
月を作っている
その日の形にあわせて
金属の板をくりぬき
乾いた布で
丁寧に磨いていく
月ができあがると
ロープでゆっくり引き上げる
くりぬ ....
目の見えない猫に
少年が絵本を
読み聞かせている
まだ字はわからないけれど
絵から想像した言葉で
ただたどしく
読み聞かせている
猫は黙って
耳を傾けている
少年 ....
母とふたり
二両編成の列車に乗った
並んで座った
心地よい揺れに眠くなったところで
降りるように促された
小さな駅舎を出ると
一面のキリン畑だった
みな太陽の方を向いて
長い ....
掌は舟
温かくて何も運べない
体液を体中に満たして
今日も生きているみたいだ
塞ぎようのない穴から
時々漏らしながら
階段に座って
ラブソングを歌ったり
駅前の露店で
プラ ....
会議室を人が歩く
金属や樹脂などでできた
冷水機のようなものがあって
その向こうに浜松町が広がっている
どこまで行っても僕には体しかないのに
ポケットに突っ込んだはずの
手だけが見つ ....
採取した指紋が
すべて蝶になって
飛んでいった
鑑識係の実家では
今日も一日中
雨が降ってた
妊婦がひとり
味見をしている
長い休みの
か細い台所で
羊とシーソー遊びをすると
いつも重い方が沈みました
両方が沈まないでいるのは
とても難しいことでした
わたしはまだ
言葉をよく知らなかったのです
+
眠れないとき ....
テーブルの向こうには
崖しかないので
わたしは落とさないように
食事をとった
下に海があるということは
波の音でわかるけれど
海鳥の鳴き声ひとつしない
暗く寂しい海だった
....
最初から
おじいさんや
おばあさんが
いたわけではないのです
ただ風ばかりが吹く
何もない夕暮れのようなところから
むかし、むかし
と物語はいつも始まるのでした
やがてお話が終わる ....
あのビルは
誰の羽なのでしょうか
あんなに高くて
空に届かない
見上げるわたしたちは
いつまでも
一枚の写真でした
あすくれかおすさんのたもつさんおすすめリスト
(11)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
図書館物語
-
たもつ
自由詩
31
09-6-26
月工場
-
たもつ
自由詩
38
09-4-7
絵本
-
たもつ
自由詩
30
09-3-25
水の記憶
-
たもつ
自由詩
16
09-3-16
空の匂い
-
たもつ
自由詩
43
08-10-29
恋
-
たもつ
自由詩
33+
08-10-3
ペーパー・シープ(休み)
-
たもつ
自由詩
3
08-8-12
数
-
たもつ
自由詩
32
08-7-22
遺書
-
たもつ
自由詩
24
08-5-15
童話(物語)
-
たもつ
自由詩
22*
04-7-30
童話(羽)
-
たもつ
自由詩
18*
04-7-16
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