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廃校の探検隊だぼくたちは廊下がミシンと鳴るアンダンテ
イチゴにも砂糖をかけるアキちゃんが横目で見ているスターバックス
算数が誰より得意なユウくんは今日も釦を掛け違えている
....
「キレイだよ、誰よりも。」
鞍馬口駅のトイレでそっとつぶやく。髪を直して、グロスを塗って。そうして見つめる鏡越しの自分に向かって言っているものだから、他人が聞いたら「アホちゃ ....
折り返す列車は濡れて雨粒の数の約束待つ河原町
烏丸のホームで制服のリボンを揺らしてあの子は白線を踏む
閉じかけた夏の絵日記直線では描けなかった桂の警鐘
高 ....
■ミッドナイト・シャワー■
ミッドナイト
月のナイフで切る指に怖いほど、まだ滴るカシス
甘い、赤
舐めて
瞳に翻る
純情、孤独、叫ぶキラメキ ....
「リトマス紙がなにでどうなるか」のように忘れてしまいたい夏がある
まだ明日を信じていたからサヨナラを 告げた渚にゆらぐ太陽
ケンケンで駆けた砂浜しゃらと鳴る 乾いた粒子、ただ熱 ....
身体の中で潮騒を飼っている
辞書はそれを焦燥や憂鬱や歓喜などというが
潮騒はそんなにもシュハリ、と
姿を変えるものだろうか。
生まれて初めての始発に乗った。
どうしてだろうかとは考え ....
身動きを許してください水底は26時のネオンさえ青
息継ぎを忘れた彼女が電池式だったと知った火曜のメトロ
遺失物届けの欄に書くべきはリセットキーか押す指なのか
「き ....
祖母は絵に描いたような大阪人でした。商売が大好きで、勝気で、たまに口が悪くて、酒屋でしたからものすごく酒には強くて、花は大ぶりの派手なものが好きで、ついでにヒョウ柄も大好きで・・・そんな人でした ....