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正距カトラリー。ダイニングまでがあまりに遠い。
右目を庇いながら脚を交える。椅子の位置は知っていた。
跫音と確かな意識で歩測している、という感覚に慣れたころ
今度 ....
はりついたちりぢれの
鱗のようなゆううつを以ち
こうして居る君は
見るもの全ての目に留まり
詩のように据える
それを誰もが秋だと覚え
ひとつの忘却にあてがい
それぞれの食卓に眺 ....
私の中のあなたとあなたのなかの私がこの世界でばったりぶつかり入れ替わったのだから
わたしはわたしを以て
いかなる孤独にも戦利し
平伏する憤怒と哀憫を両肩に掛け
凱旋する兵士のごとく
絶望に満ち
絶望にひろがり
靴は鉛のように重く
ポシェット ....
高く高く突き抜ける比翼に
いくつもいくつもの夢を見た
閉じる前に輻射する粒子の
ドミノに分離する輪郭の呼応の
劣勢の瞼に諭す残像に相応の祈りを
そ ....
繁殖するキウイの輪切り
あなた 傍で眺めていて
色づいていく
街の中はロマンスであふれていて
すっぱいね
味なんてしなかったけど
そう言ってみて
お互い確認しあって、噛み ....