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左腕の火傷に悲しむ包帯
空明ける手刀切って灯るもの
陽光に揉み解されている固い魂
光 求め緑透けるほど見詰めている
海の音に誘われてゆく雲の先
読書して拾う言葉は貝の殻
泣きじゃくり終わったような青空だ
月青く遠回りした道照らす
時 ....
影のない喪失感や葉の緑
樹の思想 地割り上昇スパイラル
ビルの谷 光渦巻く矩形の空
雑踏で一人影置く寂しさよ
砂嵐石仏埋もるランプの灯
雑踏に雨染み込んで{ルビ玄=くろ}く行く
冥暗のガラス研ぎ澄まし雨雫
額に角の生えてホラを吹く
古本の活字生き生き今一度
贅肉を削ぎ落としたく俳句日和
絶妙な漢字ひらがな釜で煮る