すべてのおすすめ
秋の海は幻想的だから・・と
男が女に誘いをかける
秋の海は思い出が振り返す・・と
女が男を拒絶する
男と女が言い争う
互いに引く気もなく
男と女の口喧嘩が終わったみたい ....
奥に仕舞い込んでいた未使用の
少し焼けてきた葉書の束
ふと 手に取り
書き始めた文字は
青臭くて齧るとまだ苦い
幾つもの文字を吊るしては
甘くなれと
この一つの息で長く吹き込んだ ....
あの河が望んでる
一つの答えが出せなくて
ごめんね
気の利いた答えは
出払っていて
今頃は海原だろうか
あの河が清らかに見えて
その跳ねた水の飛沫に
打たれた誰も彼もが
感銘 ....
角に追いやられた居場所を
ゆとりと無理やり読んで
朝まで遊び呆ける
大人気ない強情は
時には余力に気がついて
無駄と呼ばれる作業に勤しむ
それが一人遊びの業の楽しみ
と言えたら幸 ....
メダカは気弱な小魚だって
それが定義だと
それが憐れだと
勝手な思い込みが押し並べて
それがあまりにも{ルビ酷=むご}いと
両手で包み込もうとする
君の余計な優しさが
彼等の胸まで押 ....
この香りが五月でもないのに
懐かしさが全身に{ルビ迸=ほとばし}る
僕は気になる この香りが
逆らいに倒れた僕をそっと
この華奢な体が抱いてくれた
揺れまいと
木の葉が{ルビ頑=か ....
いつもの時間の
いつものバスに乗って
いつもの席の
いつもの窓に
いつもの体制で 頬杖付けば
いつもの眩しい日差しが入ってくる
いつものように 目を細め
いつもの 陽の当たらない反対 ....