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回送列車には
誰も乗っていなかった

けれども目を閉じると
そこには
乗客がいるような気がした

家に帰ると
誰もいなかった
けれども目を閉じると
まだそこにいるような ....
書き留めていたはずの詩が
一晩のうちに
家出をしてしまったらしい


枕元にあるのは
真っ白な紙の切れ端で
紙を失くして
彼らは
ばらばらになってしまわないだろうか


雨が降 ....
なんだか灰色の空だな

シャブ中で捕まっている夫とくらしていた家はおじからかりていたもので
おじは今母の働いている透析の病院の院長先生をしていて
このお正月にすべてからっぽになったその家をみに ....
姉は鏡を持って出てきた
お母さんは?
と聞くと
買い物に行った
と言った

彼女は看護士をやっていて
だから、医者とは絶対に結婚しないそうだ
まだ、結婚に可能性のある姉が
希望をひと ....
ごがつのかぜ、ごがつのかぜ、

さあ目を閉じて

さあ目を、

開いて

すー

はー

空から、山から、やってきて

ほほを撫でて


河童が顔を出して

また ....
ひどく深い山奥に
その百貨店は建っていた
百貨店といっても実際にはよろずやで
それでも、食料品から最新のテレビまで
なんでも売っているのだ

ダムが出来ると
集落のすぐしたまで水面になる ....
雑居ビルの中にある小さなライブハウス
彼女が鍵盤に指先を下ろした瞬間
スタインウェイは真っ直ぐに彼女を見つめた


たたみかけるような熱い音の重なり
スタインウェイと彼女の間には
透き間 ....
 
テーブルの向こうには
崖しかないので
わたしは落とさないように
食事をとった

下に海があるということは
波の音でわかるけれど
海鳥の鳴き声ひとつしない
暗く寂しい海だった

 ....
あの、ね

  君の語りの中にはいつも海があって
  壊れた砂時計が海岸線を塗りつぶしている
  波はいつの間にか言葉になって
  こだまする、喉の奥

赤いうさぎを抱いた少 ....
ああ
いくつもの候補があったよ
さくらとか、みかんとか、まりんとか
植物や風景が多かったかな

もう生まれてくる季節なんか
どうでもよくってね
まろんとか、こなつとか、みさきとか
次々 ....
探していた
おだやかな光を
逢いたかった
カンヴァスを破って

手を、そっと
輪郭のない夜だから
影もなくて
震えを数えていないと
ここがサヨナラになる気がした

風の硝子越しに ....
空はいつからか
うそをつくことを忘れたようだ






また 冬に近づいた







寄せ集めた言葉で
とりあえず冬を迎える準備をした






 ....
めまいがするほどに単純な設問の数々
「はい」か「いいえ」のいずれかで答えよと記されていた
簡単な筆記試験だからと
人事部のひとはわたしを残し出て行った
小一時間もあれば出来るよね
何だかなあ ....
空の
一日が崩れてゆくあたり
もういいやとばかり
投げ出されてしまった光の欠片

渚のように引いてゆく
煙のように戸惑っている
燃えつきる
その一瞬をつかもうとして競った
ぼくらは
 ....
秋から冬へのかわり目だった

昔やった結核のあとも痛んだ

今週はお葬式がふたつあった


まだ午前11時だというのに

夕方の重さを含んだ光だった

曇り空はいい方かも知れない ....
スプーン
十杯ぶんの芝居を
カーテンの外へ
放り出した
金魚や
うさぎが
ひっかかる
月も出ていて
とても明るい街灯だ
ベンチで たばこを喫いながら
並木が風をうけて 帆のように
喜ぶさまを見ていた いまならば
わたしも けむりになって
消えてしまってもいいと 感じていた
全てを飲み込んで許し
傷つけ吐き出す


片足がほろんでいる男の
肘にぶら下がる女

際限なくせばまり風にうずまく砂は
常に何かを形作ろうとし瞬間
走るように崩れ去り
うめきすら ....
海が海であるように


空が空であるように


私は私らしくありたい
マラリアのような空の下 猫の親子が歩いてる
僕は極楽鳥の羽を漁って そいつを黒服に売り渡す
いかしたスーツとネクタイが どうにも癪に思えたから
嫌味を隠したその口で 「素敵ですね」と呟いた
街 ....
拝啓の文字が
背景に消えそうな
若くたよりない
母を呼ぶ声は
遠雷をおそれる
風鈴がからだを揺らして
細い糸にぶら下がっていた
そして大人になった今
いつしか切れた糸が
まだ頭につい ....
水でも風でもあるものの声
川の流れの先へと映り
海鳥の狩りに溶けこんでゆく


夕暮れも鉄もざわめいている
うすくのびた
草と道の汗
姿のない揺れと声


野の錆が鳴 ....
やさしいひとが
笑えない世の中で
山河に吠えている

一体何と戦っているんだ


それでも
もっとやさしいひとが
壊れた土手を
直している






{引用=「即興 ....
奮い起こした勇気は
冷たい壁の前で
何も出来ずに灰になってしまった

堅く、
閉ざされた門
彼らはこれを未来と呼ぶ
はっぱがね 雨でぴてぴて おちてきて
どうろに ぺたり
はりついた

きをつけの しせいで伏せる はっぱたち
もう帰れん もう
親の木に

風吹いて とばされてても
おぼえてる おぼ ....
稲妻でみんな酔って終われるって言うから此処に来た
だから早くそれを出せばいい
そう言いながら手を傷つけて血を流しながら
貝殻を握りつぶしている友達を笑って見ている
俺たちはライトアップ ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。

そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。

「わたし、電車が大好きなん ....
むき出しの腕を風が滑っていく感触は、 

洗いたてのシャツに袖を通した時によく似ている。

ペダルを踏み、耳の後ろで逆巻く風を感じながら、

夏がくるのだ、と君は思う。


街の影が ....
鴎田あきさんの自由詩おすすめリスト(28)
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