恋人たちが
裸になる夜は
計算が合わない
数が音に
なってゆくから
建築物の息づかいも
聞こえてきたよ
スポンジみたいな
緻密なリズム
さびしさの背中に
スプーンを落として ....
1 両手を前に差し出します。
2 人差指と親指でかぎかっこを作ります。
3 なるべく今のあなたに
素直な言葉を挿入します。
4 そのまま両手を中心に向かって近付け
長方形 ....
この世界では
声の大きい人が偉かった
悪声だろうと
美声だろうと
とにかくデカけりゃ良い
デカけりゃデカいほど
権力を持っていた
マイクを持てば
鬼に金棒ってもんで
スピーカーの ....
君は週末になると
青い袋を提げて帰ってくる
シャワーを浴びて髪を乾かして
喉を鳴らしながら
何かを美味そうに飲み干すと
ふやけた足裏をぺたぺた言わせ
青い袋から取り出したのは
200 ....
近所の用水路で小さな魚を捕まえた
家にあった水槽に放し
部屋の日当たりの一番良いところに置いた
魚は黒く細っこくて
その頃のわたしは
なんとなくまだ幼かった
+
....
人と出会い
いずれ別れが訪れるのならば
少しでも多くの傷を
出会いと別れの間に残したい
驚きという銃傷
喜びという挫傷
悲しみという刺傷
憎しみという熱傷
もっと、深い傷と
....
どこの誰のせいで、とは言わないけど、つーか言えないけれど、私はこないだからだいぶおかんむりで、イライラしまくっている。イライラを吐き出さなくてもそれほど精神衛生を悪くするということはないけれど、少なく ....
経験値が足りない
敵を倒せない
経験値が足りない
呪文を唱えられない
経験値が足りない
宝箱が開かない
経験値が足りない
海を渡れない
経験値が足りない
あなたを守れない
....
クビを吊りたいくらい不安。
将来とか、学力とか、
ひとつもつかめない、
不安で押しつぶされそう。
三者面談をやった。
それからちょっとおかしくなった、
それで、今に至る、
おかしい ....
ことばに
すくわれたかった
だから
ほんをひらいた
けれど
ほんのことばに
こころはなかった
ことばに
ころされたかった
そんなときも
ほんをひらいた
けれど
ほんのことば ....
おばあさんが今週入院することになった。
聞いたのが今日の九時くらいに突然言われた、
一言でいうと、寂しくなるなって思う。
寂しいなんて言葉ではないけど、もっと複雑だけど、寂しいって言葉に行 ....
1 詩人の恋
詩人には愛する女性がいた
詩人は二回目のデートで
その美しい女性に告白をした
彼女の答えはこうだった
臭いセリフ吐かないで。
落胆している詩人はその ....
まず盗んだのは
鎖骨だった
あなたは、まだ知らない
わたしに盗癖と
収集癖があることを
愛になんて興味はないの
わたしの目的は
あなたの、骨
わたしはあなたの骨を
そっと ....
いつだって、現実味を帯びていない夢を見たがるんだ。
甘いお菓子のような夢に浸って、空を飛んだ気になって、
ご満悦になって、はっと目が覚めたとき、
それが気に入らなくて、爪で壊す。
例えよ ....
ふと気配を感じた。とろりとろりとしたみずあめの海の奥深く、おおきな生き物の影が、ちらと見えた。息が苦しい。水が欲しいな。いっそあれに捕食されてもいい。おおきな生き物はそんな思考を察してか、ゆっくりと ....
おんなのこになりたかった
わたしずっと
おんなのこになりたかった
からだはおんなのこ
おんなのこになりたい
こころはどうだろう
おんなのこになりたい
おんなのこに ....
{引用=
(ポエトリーリーディング:http://www.myspace.com/slymelogue)
}
あなたの身体には神様が宿る
あなたの心には悪魔が宿る
相反するふたつの「信頼 ....
ただ僕ひとりの身を
猛獣と寒い夜から
守るためだけに
僕は僕の命を
燃やし尽くしてしまった
でもこれから芽吹く
僕の命は君のために
火を放とう
湿気た僕の命じゃ
小気味良い音 ....
空は青くなかった
よもぎをもいでおばあちゃんにあげると
緑色の団子をつくってくれた
おいしかった
風の音が邪魔をしていた
小野くんはズル剥けだった
佐川急便のふんどしを触る ....
世界の殆どは
僕の知らないこと
世界の殆どは
僕には理解不可能なこと
だけど
世界の全てを知る必要も
全てを理解する必要もないんだ
世界のほんのひとつまみさえ ....
子供をつくろう、ぼくらは。
僕たちはあまりに多くの人を
失ってしまったから
子供をつくろう
埋め合わせるためでなく
失った人のことを伝えるために
子供をつくろう、ぼくら ....
Sは、たった0.1グラムの薬を飲んだ。
ソクラテスが口に入れた薬って甘いんだろうね、って言葉を思い出した、
シラフじゃなかったからという理由で、冗談と片付けた、
しかし、Sはたった0.1グラムの ....
ぼくよりもっと すてきなぼくを
きみのなかに みつけました
ぼくよりもっと みにくいぼくが
ぼくのなかに いるというのに
ぼくよりずっと すてきなぼくは
なんだか ....
モデルガンだと思って撃ったら、実は本物の銃だったって気分だ。
まさか、こんなに批判やら意見やらが交わされるとは思っていなかった、
あたしの書いたもので、とても不快になったり、怒ったりするのはいい ....
まぁ、画面の前のそこのあんた、僅少な時間をあたしに預けてみないか。
数ある投稿の中から、この散文をクリックしたあんたにも責任はあるんだ、ちょっとだけでいいんだ、見て欲しいとは思っていない、この文は ....
集められる限りの写真を集めて、アルバムにすればいい
一人部屋でページをめくり
かつてあった日々の思い出を愛せ
それらの日々をノートに刻み込め
言葉にできないことはみんな行間に遊ばせたまま
言 ....
目をつむっても変わらない灰色
空気の高笑い
換気扇のおと
埃すら愛しく肺を犯すこの部屋で
メランコリーが発情した
愛してる
安いね、いくら?
なんて戯言
一人でリピー ....
?.
眠っているとき
おまえは
ほんとうだから
なあ
なんで
眠っているときだけ
おまえは
本当なのかな
?.
....
あたしは射精が好き。
射精は、どこか現実味を帯びていなく、
傍観できる、
あの白い液体は、
現実と妄想の産物。
人間として、感覚的に現実味が帯びる時は、
ティッシュの山、味だったりす ....
指を舐めて、そっと笑う君。
くすぐったいと、言う私に対し、強引に体をくっつけて、
「愛してる」を謳ってる。
君が、「愛してる」って謳ってるのと同時に、私はその心地のよさに、ずっと酔っていたいと ....
1 2