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悲しすぎる日々に
傷つかないように
心 緩慢な水のように
それでいて敏感で
すぐ涙で満たせるように
なまなましい透明な輪郭ばかりが
声をともなって底からわきあがってくる。
止めようと思ってもとまらない
体が、ふるえる、ふるえる。ふるえながら
私はあなたのゆびばかりをしゃぶった。
止まらない ....
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今日もまた
窓硝子に映った自分を見て、
少し微笑んでみせる。
いつもの挨拶
いつもの仕草、
駅前の喫茶店の指定席、
リングノートに ....
目を閉じると 暗闇の中に 無数の蟻が蠢いていた 右から左に 左から右に 幾億の蟻が 幾筋もの列を成し 暗闇の中に 餌を求め餌を運ぶ 幾億の蟻は 俺の暗闇よりも一段と黒く だから 暗闇の中に 俺は幾億の ....
まだ夢のなかで
ココナッツ畑の
果実を収穫するときみたいに
静かなバスルームで
のどかな夜明けは
すでに始まって
まどろみは甘くかおり
水滴となり流れ出す
∽
たっぷりと ....
自ら築いた家庭を守る
そんな当たり前の事ができなかったのだと
あのひとは言った
幸せそうな笑顔の傍らをすり抜けるとき
言い知れぬ悪寒を覚えるのだと
あのひとは呻いた
家族のために自 ....
そう 光の紋、水の模様が
見たかった
ゆらぐ 光の縞に 体を潜めて
水の色 雲の陰
私のゆがみ
私のまるみ
私のいびつさ
けれど、実は 私も水
息を呑んで光を泳ぐと
実は ....
あなたが
私を降りる日がやってきました
晴れた穏やか日も
嵐の日も
私はあなたとともに
進みました
着いた地は
新しい居場所
慣れない地での
不安もあるでしょう
....
僕は夜の海に船出する
たった一人で
目的地はあるものの
たどり着けるかどうか
わからない
それでも
船を漕ぐ
今までの人生に
いったん
サヨナラを告げて来た
僕 ....
あなたは私を
漕ぎ出しました
心と同じ
真っ白な船です
会いたくてたまらない人に
会うために
どうしても伝えたい気持ちを
伝えるために
荒波の中で
あなたは思います
....
悩みがある
他の人には大したことなくても
僕にはおおごとだ
そんなとき彼女が言った
「絆創膏ならあるよ?」
「バンソーコー?」
「傷が隠せるよ」
「治らないの?」
「うん。
だ ....
嵐が去ったあとの
うっとりとした
天気雨がふる夜に
穏やかな波が渚に
はじけていて
潮のよせる音が
白い灯台の中でも
吐息のように響いている
塔のてっぺんの方へと
約束をした ....
ひかちゃんが
幸せになるか、不幸になるかわからないけど
きっと
自分にとっての幸せってなんだろう
って考えて
探求できる子にはなると思う。
って今日着た手紙には書いてあ ....
落ちていく夕陽が一段と大きかった
真ん中に「キライ」と書いてあった
濃い橙色で燃え尽きる夕陽の真ん中に
真っ赤な色の浮き彫りで
真ん中に「キライ」と書いてあった
なんだか悲しいので目をそらし ....
夜空を越えて
きらめく星空
箒星が瞬くあいだに
胸の奥に秘められた
小さな鼓動は
紅くかがやきながら
燃えている
Over the
Sentimental Memorial
....
たっぷりとあふれんばかりに湛えて
こぼさないように歩く
ネットの海に棲む詩人が紡いでいる
いつまでも色褪せない
磨きこまれたナイフ
のような綴りに痺れ
少しでも掬い取ろうとつかんでも
手 ....
ああ 詩が書けません
ああ いいフレーズが浮かびません
ああ 手が止まります
ああ どっこいしょ
私はゆっくり詩を書きたいけど
私は早速詩人になりたい
私はゆっくり生きていたいけど
....
駅ビルのミラーに夕陽が泳いでメールが飛び込んだ
都会の炎が抱き合う声を 早足で抜き去った
分解されてく真夏の星じゃ
不安や嫉妬の波から明日を予測してやいないか
楽しいこと
面白いこと ....
お返事を、とても嬉しく読みました。
君の日記で薔薇の写真を見た時、
「 あ・・・にてる・・・ 」
と思ったのでした。
出逢う花ともかけがえのない「縁」が
あるのかも ....
誰かの投げたボールが
もしも飛んで来たならば
投げ返すよりも
よけましょう
( いずれ背後に、ボールは消える )
誰かの投げたボールが
もしもよけきれなかったら
胸 ....
080605
三丁目は二丁目の先です
一丁目は通り過ぎたので
覚えていらっしゃらないかもしれません
四丁目はありません
しかたないので続を加えます
....
血のにじむ空をゆびでなぞる
なぞりながらする自慰の必然性で結わかれた髪の毛のリボンがほどけていく
地下鉄の券売機の中に吸い込まれていく札をみている
どこにいくんだろう
あたしはこれに乗っかって ....
息を吸うては、吐き
息を吸うては、吐き
ヘッドフォンで塞いだ
左右の耳に流れる
素晴らしいメロディ
( 魂 )の、充電。
自らもうたいながら
日常へ踏み出す、 ....
ゆっくりと
ふくらんでゆく風船
際限のないあくび
黒点を跳ね上げ 蛇口から流れる闇
コックはねじ切れている
のびてゆくバスタブの海を
あらゆる方向へ沈んでゆく 果実に
大陸が浮かんでいる ....
地球最後の日の朝は穏やかに明けた。
夜の濃い青を朝日が少しずつ薄める。
初めに歌いだしたのは小鳥たち。
それからカラスが騒がしく、鳩がせわしなく鳴いた。
僕は空を、公園の欅の木々の間から眺めて ....
080601
広辞苑を投げ捨てる
コウジエン
麹黴の生えた御飯を
お酒にするのだと
強調するので
御飯はお箸で頂くのです
手づかみは余 ....
ねぇ 好きだよ
知ってた?
好きだよ
ってね
明日こそ言おうって思ってさ
今日「また明日ね」っていったの
なんで死んだのさ
もう 言えないじゃないか
....
携帯電話から母が出てきて
べつになんでもないんだけどさ、と
なんでもないことをしゃべり始めた
この「なんでもないこと」というのは
父が発明家になってしまって
サラリーマンのほうが都合が良いの ....
何年前から愛してる
とか そんなことより
どれだけ愛せるか
の 深さだと思う
あなたの深さ
心の深さ
愛の深さ
あなたの深さ
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