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物言わぬ駝鳥の目
遙か目の先には地平線がある筈なのだが、
駝鳥は相変わらず地面を見つめせつせと虫を啄む。
せつせせつせと虫を啄む
危険を感じたとき駝鳥は首を長くして遙か遠方を睨む。 ....
鳥も帰らぬ街の残骸
その真上にも空が拡がる
空には厚い黒雲が犇めき(ひし)
雲の凹凸にたくさんの泣き顔が
泣き出す雨の一粒一粒が
いのちのかけらであったため
泣き出す雨に佇んだ
涙袋が途 ....
※しゃっくりする男の隣で聞いてる音楽

※詩の作法でなににもまして音楽だと説いたベルレーヌ


言葉は旋律にのって

意味の無い音楽ほど
美しいなどと
仲間内で褒め合っている。
 ....
本当のことを言えば
怠け者のくせして
食事のためには命をかけるが
やらなければならないことを何一つしない。

昼食がすわ一大事と
ランチタイムの作戦を
日がな一日考えて
値段と量と ....
蜘蛛の糸で宙吊りにされた意識が
朦朧として微風に揺れる
埃だらけの部屋の片隅に
宙吊りにされた自意識
窓枠は皹割れ
硝子に結露は無いが曇つてゐる
窓から差し込む悲劇は
眼球からの映像とし ....
 無性に活字の大きい本を読みたくなつた。老眼だから。出来れば薄つぺらい本がよい。根気が続かないから。一五〇頁位が手頃だ。しかも中身が空疎なものがよい。血の巡りが悪くなつて頭まで血が行かないからだ。重要 .... 飼っていた黒猫が突然行方不明
家の玄関の鍵は掛けていた
どこか窓が開いていたのか
窓から見える風景は
空っ風舞う冬景色
街路樹の葉はあらかた落ちてしまい
魚の骨の並木道

ふと見る ....
天に向かって屹立する塔
尖塔、巨大な実用性か
シンボルとして辺りを睥睨する
関東平野の中奥へも
その塔は睨みをきかす


馬鹿ほど高いところが好きだよ
O君
君のおかぁさんは橋の ....
棄てられた女は惨めです。
棄てられたことを知らない女はもっと惨めです。
棄てられたと誤解している女はもっともっと惨めです。

女を捨てた男は醜いものです。
女から捨てたことに気づかない男はも ....
四年ほど前から付き合いのあるこの男は、不思議なことに何も教えた記憶はないのだが、俺の昔をよく知っている。一日のうち五,六度、俺の前に顔を出し、あるときは俺の読んだ本や詩を酷評し、あるときは俺の書い .... 憂鬱な朝の第一声
曇天に向かって
呪詛する言葉を発する
自分は独りの老人だ

曇天の向こうには
雲から垂れ下がった
塔が地上に突き刺さる
恐ろしく繊細な根元が
地上に突き刺さる

 ....
繰り返し繰り返し繰り返し
映し出される自然の悪意
抗らうことも無くそのまま流されて行く
多くの生命 一体地球何個分の生命が流されて行くのか

繰り返し繰り返し繰り返し
流されて行く ....
? 

玄関扉を開け左壁面 家で一番大きな鏡がある。
その鏡は 不可能な空間ではないが、出入りする者の体全体を映すだけでなく、家全体を裏返す。

鏡の中に空間があるのだが、その空間に誰かが住 ....
湿度の無い風景

明るい日差の中に存在する
明瞭な輪郭をもった影
光量の多さが影に
黒の濃淡を作る

冬の日差を描いた絵画
影は濃淡ではなく
長さを主張する
どこまで行って ....
未来世紀ブラジルだって、
物心ついたときから言われていたっけ
映像には黒いオルフェのモノクロ映画とSF映画
未来世紀ブラジルだって
子供の時から言われていたっけ
網膜には怪しげなコ ....
彼は誰時の薄明かり
隣のプレデターが覚醒しないよう
そっとエイリアンは飼い猫に朝の挨拶を済ます
飼い猫は小さな赤い口を開け
小声でキュアと鳴く
彼女もプレデターは怖いのだ

食い扶持目当 ....
※古事記の中のシンデレラ(灰かぶり)物語 貴種流離譚
→グリムの中のシンデレラも結構残酷な復讐をしているようで似ています。

これは昔々のその昔
この国がとても若い頃
とても残虐な報復の果て ....
年の終わりの最後の日

赤褐色の大地に立ち
遠く約束された地に行くことを阻む
北の山の連峰をのぞむ
彼の地の地平線を目指していたはずだが
あまりにも遠方にあることに気づき
今立ち竦んでい ....
師走、大手町に佇む

結論を先に述べれば
大手町は冬が似合う
春は似合わない背広を着た集団がおしゃべりをしながら行き来し
秋には忙しそうに眉間に皺を寄せた人々たちが行き交う
夏はいけない
 ....
俺という人嫌いは
背中にうっすらと毛が生え
後光が後頭部から発するよう
頭髪の一部が欠落している
その代わりと言っては語弊があるが
人に良く知られた猫好きで
猫さえからかっていれば
人付 ....
My Favorite Things

※演奏できません。
 持っていません。
 でも凄く好きで、
 気に入っている楽器です。

David Sanborn の St. Louis B ....
小高い丘に向かってだらだら延びる道
リードを着けた猫と一緒に
だらだらと線引き
一呼吸ごとに振り返り督促する猫
漸く丘の端にかじりつき
突き当たりのフェンス越しの滑走路
滑走路を飛び立つ赤 ....
こと葉って 薄いもんだ だれか言う 
だって 葉っぱだもの と答えるだれか
葉っぱをどんなにつみあげても
きっと だれもほめてくれないよ
ぱっと吹かれて無くなっちまう
 そんなかげの薄いやつ ....
この街には電波塔
巨大電波塔が聳える

この街の灰色の空に
何百年も前からある
天に向かって聳える塔
国芳の巨大な塔に
また、塔が現れる
その塔を見るため
無粋な見物人のために押上が ....
街の中は喧噪に溢れているので
街の中からゆっくり街道沿いに歩き出す。
季節が素通りしている並木道に
まだ落ちてこない銀杏の葉が茂っている
銀杏の樹肌はゴツゴツしているが
何も物言わずに
 ....
深夜、満月が天空に輝き道路脇のトウモロコシ畑の背の高さに道路脇が深い闇となっている。そんな道を一人歩く男。そんな夜、大きな棕櫚の樹に向かって歩きだす男。

棕櫚の樹は国道16号と県道の交差点に大き ....
誰もいない六畳間
頬を畳にくっつけて
夏休みも終わりの午後
八歳の僕は昼寝する

風が簾を通して頬を撫ぜる
うつらうつらしている僕の眼の先には
隣の部屋でミシンを踏む
母の姿がぼんやり ....
猫 呑気にたんすの上
バスケットの縁に首をのせ
顔だけ見せてご挨拶
声にならない鳴き声で

名前を呼ぶとニャンと鳴く
小さな口でニャンと鳴く
小さな声でニャンと鳴く

今日も呑気の ....
夕暮れは知らないうちにやって来る
ブラインド越しの窓の外
夜空が突然落ちてくる
ビルの谷間の一角の
ボーッと灯る明りの主は
どこから湧いたかおでんやの
屋台が見える路地裏に
勤め帰り ....
ネオン輝く夜の巷
路地裏の狭い石畳を入ると
淡いランプの明りに
浮かび上がるバーの扉



ここは[遠い昔のバー]で
スツールに腰掛け
おしぼりで手をふいて
まず一杯[今のリキュー ....
殿上 童さんの……とある蛙さんおすすめリスト(172)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
駝鳥- ……とあ ...自由詩12*12-2-20
見知らぬ街2- ……とあ ...自由詩10*12-2-16
- ……とあ ...自由詩8*12-2-14
Out_To_Lunch- ……とあ ...自由詩12*12-2-13
思ひつく儘_自意識- ……とあ ...自由詩10*12-2-11
愚痴- ……とあ ...自由詩8*12-2-7
鏡の中の猫- ……とあ ...自由詩24*12-2-2
- ……とあ ...自由詩9*12-1-26
棄てられた女と詩人の関係- ……とあ ...自由詩11+*12-1-24
「……とある蛙」に捧げる- ……とあ ...自由詩14*12-1-22
ネガティブ- ……とあ ...自由詩13*12-1-18
砂時計- ……とあ ...自由詩10*12-1-12
- ……とあ ...自由詩18*12-1-11
年明け- ……とあ ...自由詩10*12-1-9
未来世紀ブラジル- ……とあ ...自由詩8+*12-1-8
彼は誰時(かわだれどき)のエイリアン- ……とあ ...自由詩12*12-1-6
オケとヲケの物語り- ……とあ ...自由詩6*12-1-3
始まりの物語ー終わらない話- ……とあ ...自由詩14*12-1-1
大手町_一二月- ……とあ ...自由詩16*11-12-31
猫様- ……とあ ...自由詩14*11-12-27
Sax、サックス、_Saxophone- ……とあ ...自由詩11*11-12-26
つくば- ……とあ ...自由詩11*11-12-21
生きるって- ……とあ ...自由詩10*11-12-19
オールウェイズ下町- ……とあ ...自由詩10*11-12-14
鼻唄_ー道9ー- ……とあ ...自由詩611-11-30
クロスロード2- ……とあ ...自由詩11*11-11-27
昼寝の思い出- ……とあ ...自由詩10*11-11-19
猫と昼寝- ……とあ ...自由詩1211-11-13
おでんや2- ……とあ ...自由詩9*11-11-6
バーカウンターのスツールに腰掛けて- ……とあ ...自由詩7*11-10-26

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