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世界は認識の中にある
平面に沿ったGのみの世界
天井が眼下に
床が頭上に
滑り落ちながら
眼下に床が
離れた鉄棒の上から
回転しながら上昇し
そのまま落下する
視点から眺める部屋 ....
ところで
我々は何をすべきなのか
なぜ図書館が涙を流しているのか
うまい奴はたくさんいたが
非の打ち所が頭には入ってこない。
などと奇妙な唇が呟く。

さては
眼前の靄を凝視する
な ....
宇宙に開かれた水の滴
表面張力によって浮かぶ
塵芥の島嶼の一部の
寄生する細菌細菌
細菌が人生


泥の堆積/火の木端/夢に沈む
雲の破片の沈殿物
屋敷の塀の高さに隠された
思い出 ....
さて あのすすり泣き
深夜不気味な静寂の中
心の中を踏みにじる
遠吠えのような鳴き声と
嗚咽を漏らしたすすり泣き

寝静まった街の中
街路樹に風 だけがざわざわと
聞こえぬふり ....
谷底から吹き上げる風に向かって
飛び込んだ僕の身体は
そのまま上空に飛翔し
十五夜の月 月面に向かって落ちて行く

青い地球の表面で
わずかに塵芥のように
へばり付いていた
悩み後悔の ....
落下する精神の一滴
不毛の砂漠が拡がる

一滴の水はオアシスとなり得ず
砂礫の隙間から地下水脈に吸い込まれる

蒸発するのでは無い。
胡散霧散するのでは無い。

現実だと認識できない ....
遠野の山道/峠の途中 一本の巨大な枝垂れ桜/
 とおののやまみち とうげのとちゅう しだれやなぎにかっぱがぽつり 

春先にその桜の根元/その下で春先に相撲を取る河童一匹/
 はるさきいつも ....
つまりは総括なのだ。

ありとあり余る残滓と
ありとあり余る余韻と
ありと有り余る余震と
ありとあり余る贅肉と
ありとあり余るバリと
ありとあり余るカニバリズム

雷鳴の中 交差点を ....
路地裏の縁台に腰掛け
はだけた胸元に
団扇で風を送り

茶請けに水羊羹
冷茶を一服口に含み
にんまり、

路地には打ち水がしてあり、
しおれかけた朝顔の鉢が
そこ ここ

遠く ....
夏の陽射しの中

曲がりくねった道を
君と一緒に歩いていると
丘一面に黄色い向日葵

僕はスケッチブックとクレヨンを取り出し
道の傍らに座り込んで
丘一面の黄色い向日葵をスケッチブック ....
いつまでも泣いたり笑ったり出来るよう
二人で一緒になったはずなのですが
歳月と私の怠惰のため
君の目許には苦労の色が溜まり続け
随分と皺が多くなっているようです。
それでもとても奇麗だと
 ....
資長道灌
苦戦覚悟の
江古田の地
豊島一族との争いで
扇谷の上杉の
暗愚殿を支えながら
手薄な手勢で奮戦し
地の利時無く敗色濃厚
兵と逸(はぐ)れた資長が
巡り会えた黒猫一匹
尻尾 ....
丘の上に立つと
夜空にはたくさんの発光体が
空に向って地上から降り注いでいるのが見える。

一様に
ボーっと輝いているが
明るさにはほど遠く
夜空に闇に吸い込まれて行く



 ....
中空に浮かんだ茶室
山の麓の回廊から眺む
山門をくぐった時から降り始めた
しぐれ雨
下界と山荘の次元を断ち切る結界のような様に
主人は爬虫類のような横顔を魅せ
染みと皺だらけの表情は
客 ....
前の街で
俺は淫売宿のいかがわしい玄関口で
夕立に打たれて濡れながら歪んだ
恐ろしいほどの雷は
地上の何物かを鷲掴みにしようと
空から腕を突っ込むが
本当に一握りの無辜の生命を食い物にした ....
アンカーに係留されている大型船
岸壁の縁に並んでいるビット
その上に座り俺をじっと見ている猫は
俺を町中からここまで連れてきた。
俺は猫に話しかけた。
ポケットから取り出した小さな煮干し呉れ ....
カラヴァッジョ
光と闇の迫間に浮かびああがる人物
ダブリンの教会に浮かび上がるキリストの捕縛
400年もの間の行方不明の光

あり得ない光と闇のコントラスト
グラデーション無しの光の隣
 ....
いずもふるねの かなしさは
まことは きびのえいゆうに
まけたじじつを かくされて
かなしきいりねの だましうち
そのうち いずものへいていと
おうと をうと たまのやまわけ
きびと やま ....
金魚鉢に金魚
上から覗き込むと金魚
胸鰭を動かし
尾鰭を動かし
背鰭を動かし
何となく静止する金魚よ。

夏だけ生きている金魚
ほんの数リットルの水に漂う金魚
横から観ると大きく見え ....
風は丘を越えて吹いている
丘を覆い尽くす向日葵は
風に吹かれていくらか首を傾げ
黄色い丸顔を撫ぜる風

道の下は荒れ地
昔昔その昔
そこは大きな畑 だった
広大な綿花畑 だった
コッ ....
ひょいと見ると出窓の内側で
そいつはいつものように
出窓に置いてある
真空管式の古いラジオに
じっと耳を傾ける
ビクターの犬のようだが
そいつは黒猫だ

出窓からは朝の港町の風景が広が ....
口語自由詩の世界を構築するために過去の詩人たちの苦悶格闘に関しては詩をよく勉強されているらしい人たちには言わずもがな なので勉強不足の私からあえて論ずる必要もない と思います。

 ところで、TS ....
私という人見知りは
背中にうっすらとした黄金の体毛と
頭部に後光が輝くよう
分け目の間に鏡を置いた
ギミックがすこぶる付きの生物なので
東京近郊の動物園から
引く手数多なのだけれども
 ....
港町の浜辺に面した食堂
浜辺の見える出窓に置かれた
古ボケた大きなラジオから
流れる昔のエレジィは
淋しく悲しい旋律で
波止場につながる道沿いを
黒いショールに包まれた
港のおカマの頭上 ....
そいつは僕の眼をじっと見つめ
/媚を売るでも無く
/何か一言言って僕の歩く先を
先回りしてしっぽを立ててステップを踏む
/石畳の路地は濡れて光っており
/黄色く彩色された建物の壁面に囲まれ、 ....

朝九時にニコライ堂を右手に見
下りる坂の街路樹は
銀杏のくせに輝く緑


靖国通が
花満開だなんて
だれが信じるものだろうか
でも事実なのだから


湿気の多いビル ....
歩いている。
あてもなく歩いている。
すっからかんの着のみ着のままで
歩いている。

足下には星屑が輝き
頭上には異様に大きな月が
幾つものクレーターを見せて
垂れ下がっている。

 ....
ゆっくり坂を下りて行くと通りにぶつかる。
そんな場所で君と出会えたら
僕は何を言って良いか分からないが
でも、とても気分の良い一日が過ごせると思う。

難しいことなんか考える必要はなくて
 ....
青空に大きなマルを書いてみた。
その中心に自分がいて
その周辺に家族がいて
ぽっかりとした雲には願いが乗って
ふわりふわりと流れて行く

野原に寝転び
雲を眺めていたら
悲しいことや
 ....
たった一つの言葉が言いたくて
書き始めた詩が
僕の手を離れて宙に浮かぶ

こんな筈では無かったと
何回も書き足して
つなぎ止めようとしたが
ますます詩は僕の部屋中に拡散し
言いたかった ....
殿上 童さんの……とある蛙さんおすすめリスト(172)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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河童- ……とあ ...自由詩811-9-19
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夏の夕暮れ- ……とあ ...自由詩10*11-9-13
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