すべてのおすすめ
ひと筋の唾液色なし雛祭り
包丁のカカカカカッと雛料理
春眠のどこかが海で潮香る
湯豆腐を上手く使ってダイエット
計画し夫婦揃って春旅行
寒日和心震わす風痛い
白鳥よ見物客にウィンクす
焼き芋や熱さのあまり落っことす
ポインセチアひと際目立つ色してる
猫には郵便局へ行くと言ったが正しくはローソン
夢で鶴太郎に反物を売った
ユンケルの細いストロー
炎昼を赤子の声で鳴く蝉や
誘蛾灯十枚の爪かかりけり
泳ぎきし手足を埋めて砂の城
真夜中の汗つま先へ到達す
扇風機ふいに大きく頷けり
蟹踏みし踵より蟹生まれ{ルビ出=い}づ ....
喜ビモ憎シミモ異色同音抽象画
夏終わる紙幾枚か燃えながら
{ルビ冷奴=ひややっこ}夜が大きい{ルビ他所=よそ}の街
片恋のボタンはずして息をする
坂道を二人乗りして夏が行く
できたての朝は真夏のゼリーかな
水族館ガラスに映るあなた見てる
砂浜の足跡がまた波に消え
潮騒の残響に潜む君の声
蝋梅の溶けゆくさまは蝋に似ず
春眠や豪華三本立ての夢
啓蟄や朝日を浴びて我眠る
流し雛流さず焼きぬ空に舞へ
この土はまだ生きてをり下萌ゆる
龍天に上る日を違へはせぬか
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耳たぶを練り餌さにして夜釣り