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あなたが母の胎に宿った頃 
天の息吹に託された 
一つの名前が 
いのちの水晶に刻まれています 
私の詩は、一つの庭。 
暖かい陽のふりそそぐ庭に根を張る 
草と木と花 

土の下に張り巡らされた 
地底の家へ 
今日の食物を運ぶ一匹の蟻の、愛しさよ。 

今・私の詩を読んでいるあ ....
身ごもった妻が慌しく、出勤していったので 
休みで家に残った僕は 
巻いてる暇のなかった水天宮の腹帯を 
胎内と等身大の赤ちゃんの絵を包むように 
ぐるぐる巻いた 

紙と帯のすき間から時 ....
ある日のデイサービス送迎車内にて 
ハンドルを握る所長は 
助手で乗るパート職員に、愚痴をこぼした 

「最近、パートのハットリって奴が 
 妙に俺にたてつくんだよ 
 何であいつがあんな ....
これからの僕は 
嫌な上司のみみちい小言を、撥ね返す。 
これからの僕は 
苦手な注射も唇結んで、ぐっと耐える。 

どうやら親父になるらしい 
僕は自分の弱さを抱き締めながら 
日常の ....
上野の美術館を出た帰り道 
焼芋屋の車が、目に入った。 

財布の懐が寒いので 
「半切りをひとつ」と言い 
小銭三枚をおじさんに手渡す 

紙袋からほっくり顔を出す 
焼芋をかじりな ....
「おつかれさま」
数日前は、ぎすぎすしていた人に 
ひとこと言って、お茶を置いた 

「あら、はじめてねぇ」 
その人は大事そうに 
両手で湯呑みを包んだ 

一日、隣で働けば 
自 ....
目の前に、ひとつの器がある。 
(天から「私」への、願いの息吹が吹いている) 
世界にたった独りの、役者として 
私は私の器を、充たす。 
先頭の、早稲田のランナーが 
歯を喰いしばって近づいたので 
歩道で妻と旗ふる僕は 
「わせだぁ〜・・・!」と、叫ぶ。 

二番手の、東洋大のランナーが 
汗を滲ませ走っていたので 
 ....
日のひかりをそそがれて 
開いた花を摘み 
掌にのせたら 
私の顔も、咲いてきた。 
二俣川の運転免許試験場に行ったら、人間達が列になり、渋滞していた。列に割り込む若者に「あなたは何処に並んでいるの!」と青い制服のひとが叱り、視力検査の小部屋では、レンズを覗く初老のおじさんが健気にも「 .... 隣の人が茶をこぼし 
{ルビ布巾=ふきん}でさっと机を拭いたら 
皆の顔を ぱっ と照らす 
ひとつの電球になりました 
日曜の朝早く 
研修に出かける君が 
遅刻しないか心配になり 

僕も6時にセットした 
目覚まし時計の鳴る音に 
寝ぼけ{ルビ眼=まなこ}で身を起こし 

モーニングコール代わりの  ....
青い便箋に綴られた 
君の手紙を読んでいたら 
背後に置かれたラジオから 
Moon River が、流れた。  

君のお父さんに書いた手紙と 
僕のつくった詩集に 
想いを震わせた君 ....
 今夜は、僕が特に親しみを感じる詩の友が集う忘れ得ぬ日なので、僕が最も大切な{ルビ女=ひと}と出逢った{ルビ縁=えにし}の糸を{ルビ遡=さかのぼ}ってゆくことで、人と人の・・僕と彼女の出逢いの不思議を .... 私を愛する{ルビ瞬間=とき}
一滴の涙はあなたの頬を伝い 
ラファエルの描いた 
天使になる 
いつやって来るかも知らぬ 
嵐を恐れたところで、始まらない。 

夫婦というものは 
四つの瞳でみつめたものを 
二つの口で語りあい 
四つの手を重ねて 
一つの心で、祈るのです 

 ....
いつも銅像の姿で座っていた 
認知症の婆ちゃんは、ある日 
死んでしまった爺ちゃんを探して 
杖を放り出し、雨にずぶ濡れながら 
駅までの一本道を、ずんずん歩いた。 

最近、壁の前に立ち ....
君は、手にしたハンマーで 
今迄何度も、壊して来た 
目の前に架かる幸福への橋を 

そこへ詩人がやって来て 
橋の消えた、川の濁流を 
ぶざまな犬掻きで渡り  

向こう岸で、ハンマ ....
かつてランボオという名であった 
その喫茶店は、真昼も 
赤煉瓦の壁に、洋燈を吊るし 
仄かな灯を、ともしている 

在りし日の作家が 
夭折した友と懐かしい時を過ごした店の前で 
あ ....
岸に咲いてる、雨の花 
魂宿る、雨の花 

その透明の面影は 
何故だかいつも腐らずに 
僕の隣で、薫ってゐる。 

それは愛人のようであり 
それは女神のようであり 

いつでも ....
夜の冷たいベランダに出て、丸い月を眺
める。誰にも云えぬ悩みを白い吐息で呟
けば、胸底の容器に濁り積もった毒の塊
が、少しずつ、少しずつ、蒸発し、夜の
静寂に吸い込まれ、いくぶんか、胸の重
 ....
押し寄せる人波の列の後ろで彼は、ぽつ 
んと独り、展示{ルビ硝子=ガラス}の前を移動する人々 
の隙間に時折ちらっと見える、聖画の顔
が遠くから、自分に何かを囁く声に、耳
を澄ましていた。驚く ....
鼻の曲がった顔や 
頭から花の咲いた顔や 
横並びに展示された様々な顔達は 
新時代のモヤイ像

小さいギャラリーにふらりと 
立ち寄った僕を、和ませる 

{ルビ硝子=ガラス}の石の ....
もし(ほんとうの時空間)を 
生きるという選択をするなら 

手にした木刀で 
目の前の暗闇を、斬る 
盲目の侍と、ならねばなるまい。    
新たな自己を、生み出すことは 
卵を産む、自らの母になる事。 

今こそ、明日へと 
踏み出すべき足元を、視る。 

何者かが引いていった 
一本の線の、その先へ。 
日頃の不摂生で 
年の瀬に熱を出し 
病院で点滴をした三日目 

今日、初めて気づいた 
点滴を吊るした棒の台車に 
歩きやすいよう 
掴まる取っ手がついてたことに 

昨日、僕は点 ....
車を降りて、ドアを閉めたら 
いつのまにか 
窓もボディも薄っすら泥に、汚れてた。 

気の重い出勤の朝は会社へ 
年の瀬に風邪をひいた今朝は病院へ 
けだるくアクセルを踏めば 
只、エ ....
僕は君という詩が好きだけど 
僕は君の望んだ詩になれずに 
やがて別れの季節は、訪れる。 

なにをどうしようと 
足掻いても 
誰のせいというでもなく 
仕方のない、ことがある。 
 ....
その昔、無数の電車が地面の下に潜る前・・・ 
東京都内の全域に、のろりと 
路面電車が走っていたそうな 

  かんか〜ん 

発車ベルの音がして 
気づけば目の前に立っていた 
小ち ....
あおばさんの服部 剛さんおすすめリスト(541)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
名前_- 服部 剛自由詩111-7-1
箱庭の詩_- 服部 剛自由詩411-6-17
安産祈願_- 服部 剛自由詩411-6-17
こだまでしょうか?ー所長とパート職員の門答ー_- 服部 剛自由詩411-4-13
新米親父の詩_ー胎児の合図ー_- 服部 剛自由詩611-4-10
芋と言葉_- 服部 剛自由詩8*11-3-22
お茶の効用_- 服部 剛自由詩311-1-20
器_- 服部 剛自由詩311-1-6
箱根駅伝_- 服部 剛自由詩411-1-6
花の顔- 服部 剛自由詩210-12-24
免許の更新_- 服部 剛自由詩410-11-17
電球の人_- 服部 剛自由詩110-11-10
君に贈るテレパシー_- 服部 剛自由詩210-10-26
Moon_River_- 服部 剛自由詩3*10-10-24
結婚披露パーティーで読んだ手紙_- 服部 剛散文(批評 ...7*10-10-23
天使ノ絵_- 服部 剛自由詩310-10-16
夫婦ノ樹_- 服部 剛自由詩410-10-16
旅の始まり_- 服部 剛自由詩610-9-28
虹の橋_- 服部 剛自由詩510-9-25
真昼の洋燈_- 服部 剛自由詩510-6-24
雨の花_- 服部 剛自由詩510-6-3
お月見の夜_- 服部 剛自由詩9*10-1-27
聖画の顔_- 服部 剛自由詩110-1-27
21世紀のモヤイ像_- 服部 剛自由詩3*10-1-20
座頭市_- 服部 剛自由詩110-1-14
誕生_- 服部 剛自由詩110-1-14
新年の扉_- 服部 剛自由詩8*09-12-31
愛車に捧げる詩_- 服部 剛自由詩1*09-12-29
空の背骨_- 服部 剛自由詩609-12-14
都電荒川線- 服部 剛自由詩509-12-6

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