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なぁんにも期待しないから突然に欲望だけを素直に告げる
ライバルを口説きたがるの悪い癖知っております言われなくとも
ねぇ蛇さんわたしはイヴよつややかな知恵の木の実を手にする前の
パソコ ....
血のにじむ指くわえようとするあなたから手をひっこめるさびしみがある
背後から抱かれて息が首筋にかかるぬくさを忘れはせじと
深呼吸忘れたことに気がついて深く重なる森の天井
きみの ....
眠られぬ真暗な部屋で音もなく携帯電話の液晶光る
訃報ってなんだかいつも手触りがないから涙はその時来ない
「食い逃げだ」今日の私は言われそうもしも船橋まで出かけたら
間に合わぬことがあ ....
なんとなく後ろめたしと思へども夜に備えて眠る日盛り
働くも働かざるも自由なり君に逢ひゆく自由なしとて
ロボットの腕は緻密に動きゐてその暖かき体温あはれ
深夜0時冷たく硬き弁当を昼飯と ....
親友の孕み女となる便り花舞い散るはいつも奇跡だ
レンギョウの黄に向日葵を想いけり みどり児生まれくるとふその日を
さくら花おもたく露を含ませて我にこそ宿れめ我にこそ宿れめ
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放課後の静まりかえった女子トイレ金魚が一つ産み落とされる
揺れ動く尾びれ背びれに滲む跡肢体をつたう金魚群
奔放に泳ぎまわるや体内の水槽覗き金魚と目が合う
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わが歌は毒虫の背に投げられし赤く冷たき林檎のひとつ
階段の踊り場に立つあのひとの胸に抱かれてゐるオドラデク
かの城の地下奥津城の牢獄に我あり愛し君を待ちつつ
流刑地に落ちゆく君の背に ....