すべてのおすすめ
楽しいときほど
思い出してしまうのは
あなたと過ごした夏が、きっと
あまりにも輝きすぎていたから
あいたい、と
そんなき持ちに自分の笑い声で気がついた
だって二年前、あ ....
宇治橋
夕霧にかすみつ渡る面影に
露けき花の色が重なる―――
観月橋
しめやかに
欠け満たされぬ夕月の
心を以ってなぞる君の名
....
{ルビ静寂=しじま}からもの憂き雨が貫けど
破れる夢もない熱帯夜
曼珠沙華かさなる闇に{ルビ咲乱=さくらん}す
狂おしいまま抱く情に似て
熱き夜に悶える ....
「アリュール」
{ルビ汚=けが}れならば五月雨川に流せりと誘ふその手は{ルビ梔子=くちなし}に似て
「ブラック」
黒髪に触れし指先奏づるは重なる肌のあつき旋律
....
夜の飛行場には
サヨナラが点在する
携帯電話のキーのような
小さな光の形をして
滑走路を疾走するもの
引き離されるもの
雲に呑まれるもの
星になるもの
僕らの住む街 ....