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幾度も夜に月を着なおし
言葉を交わす別れも無く
樹と曇と星の重なり
灯火ではない明かりへ歩む
海辺の突堤に
子が腰かけ何かをつぶやく
聞き取れないまま
子の姿はか ....
双つの花
遠い鏡の前の影
目を閉じ 何かを言いかける
双つなのか ひとつなのか
空の上の上の音
集まり来る曇を見る
道が交わるところで目を閉じ
窓のかたちの白い火を見 ....
まだらな午後の嗚咽を受け
震える水の膜の指
またどこかへ連れ去られ
またどこかに立ちつくす
ゆうるりと巡る音がある
出口を持たない入口がある
飾られすぎた光を燃して ....
雲の傷を見つめ
花の傷を見つめ
夜の風に会う
川と光
野をさする指
草に埋もれた門のまわりを
月の光が
何度も何度も踊り巡り
いつまでもいつまでもやめないので
誰 ....