「世界中が雨だね」って
きみが言うから
手相占いみたいに
てのひらを差し出して
白いサンダルを気にして
ひとつの傘でふたりで濡れながら
「世界中が雨だね」って
きみが言うから

 ....
紫陽花が合図のように咲いていたまだあの頃は薫風の庭 舌先が鎖骨をなぞる夜にだけI LOVE YOUと聴こえる波音 ブラボーでハイフェッツから放たれてみあげた窓に朝をみつける どの君も覚えていよう桟橋にやけに激しい風が吹いてる


僕だけを乗せぬ列車のわすれものやけに激しい風が吹いてる


無名指で前髪を除けきみは言う「やけに激しい風が吹いてる」 ....
傘をさす手を奪われるほど
僕は何かを持ちすぎてはいない

縦書きの雨
カーテンの雨
通話中を知らせる音の雨
改行の雨
鉄柵の雨
液晶に、雨

こんなにも雨にまみれた世界 ....
血潮、とノートに書いて貝殻のなかにたしかに海があったと

隣席のヘッドフォンから砂の音が聴き分けられる夏の江ノ電

ふたりで海を見たのは一度 いつまで、と互いに決められないままいた ....
がんばり方がわからない君へ
もういいやって思っている君へ
こころがひび割れそうな君へ

エールを送ろう

空のグラデーションを眺めてみなって
木々の声に同調してみなって
とうめ ....
懐かしさ感じてしまう古い町家族が揃うことは少ない

人々の光重なり合う日常自由なものに意識を向ける

仕事終え家に帰れば丁度鳴る柱時計の音闇泳ぐ

眠ってもすぐ目が覚めてまた眠る夢の ....
腕時計無くして時間わからないバスの時間に間に合わなかった

友人の猫とカラスは仲が良いひそひそ話毎日の日課

朝刊が届く時間に目が覚める同じリズムで過ごす毎日

ひんやりとした夏の朝 ....
夏、それは
裏とおもてのある季節
裏道はどこへも
繋がってはいない

向日葵、それは
追いかけていた肩甲骨の高さで咲いて
自転車で踏んでしまった蝉の音で枯れた

波、それは
壊れた ....
「UFOだ」なんにもいない空間を 右手で指差し右手を握る


ふれること かおをみること しゃべること なまえをよぶこと こいだということ


酌み交わすキリンラガーと睦言と 君のグラスが ....
駆け抜けてしまえないのがもどかしい屋上だった8号館は


まばたきをするたび更新されている影あり春の日は万華鏡


「ガイブセイ?」「うん、外部生。」
かんたんに友がつくれてし ....
肩書きは「青い新宿回遊魚」まだあのひとはいますかここに





膝を抱き「東京事変」聴いていた人恋しくてベゴニアを買う



束縛を嫌いみずから糸切れば動けなくな ....
北山通の並木かなしむ夕暮れの色はほんのり青さをもって


少年が息をひそめていたわけは蛍でしょうか哲学のみち


宇治川を背に立つ君の少しだけ歴史を知っていることが ....
横断歩道の黒白正しく踏み分けていくように押す部屋番号「206」


無機質なふりして並ぶ玄関のドアは夜まで熱が抜けない


ココナツの洒落た香りが悔しくて窓に3ミリ隙間を作る

 ....
私しか「アトリエ」と呼ばない場所で
あのひとは輪郭のまま西を向いている
むせ返るような夕陽の匂いのなか
パレットで乾いた水彩は、それきり


藍が好きだったと思う
雨が好きだった ....
 「みなさんに明日が来ることは奇跡です。それを知っているだけで、日常は幸せなことだらけで溢れています。」
これは「余命1か月の花嫁」のドキュメンタリーの中で出てきた言葉だ。
この言 ....
遠浅の日々はいつの間にか息継ぎの仕方を忘れさせる。
駅まで、の最後の交差点に立つと
呼吸が止まるほどに夕焼けの匂いがした。

  *

「雲は、本当は流れていないのです ....
朝おきて 院内散歩、駐車場
抱き合うアル中男女 横目に


外出届ださずこっそりぬけだして
近所の犬の 分布図つくる


つながれたライター使うのめんどくさい
隣のひとに、もらい火を ....
くもりのち晴れわたるそら十六夜の一日おくれの名月のよる

今日もまたバロック流れソファーなる吾身横たふ秋の昼過ぎ
■秋
すべての色を飲み込んで
ただ透明である、秋

■チャイム
夕陽が窓ガラスに映ったとき
風がいつも置き去りにするもの

■図書館
古びた新築の匂いがする

■デジャヴ
 ....
遠回りしているだけの放課後は
  ただぼんやりとただぼんやりと


キミノコトこっそり見ているようなこの目が恥ずかしくはずしたメガネ


横断歩道の渡り方などしりません
  陸橋の上に ....
十字架の倒れる音して霧深く宛てなく彷徨いきみをさがしつ



ただそれは悲しみのうたでも何でもなく空からこぼれし遠い蛍火
アスファルトの照り返しは穏やかではない
24号線沿いのひび割れた歩道を蹴って
いつまでも変わらない信号を見上げる
太陽がもうひとつ増えた気がした

雨と晴れの境目を見つけた少年時代の君を
 ....
夕月は君が
先に見つけた

でも

明日雪が降ることは
きっと教えてあげない

   *

君のいちばんのねがいを
たぶん私は知っている

でも

君のいちばんの ....
アンダンテ追いかけて追いかけていても君が見えない陽射しの中で


抱きしめる速度ですれ違う風はセルリアン、君の瞳に映る


炭酸の雨///下弦の月をマドラーで浸しても味なんてないまま
 ....
あたしの

この強い想い

言葉にして君に投げても

言葉は君の

心をすりぬけるから

あたしの想いはいつまでたっても届かない

ああ、どうして

うわごとは君の心に染み ....
君のことを描くたびに
ひとつずつ言葉を失っていった
すっかり軽くなった水彩箱には
たったひとつの「ありがとう」が
隅にこびりついて震えている

―――ありがとう。

それだけで ....
廃校の探検隊だぼくたちは廊下がミシンと鳴るアンダンテ


イチゴにも砂糖をかけるアキちゃんが横目で見ているスターバックス


算数が誰より得意なユウくんは今日も釦を掛け違えている


 ....
紺野 夏槻さんのおすすめリスト(318)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
せかいじゅうガアメ- Rin K自由詩14*15-7-8
紫陽花の合図_*- もっぷ短歌215-6-23
舌先が鎖骨をなぞる夜にだけI_LOVE_YOUと聴こえる波音- 北大路京 ...短歌515-6-23
ブラボー_*- もっぷ短歌215-6-22
Intense_Wind- Rin K短歌7*15-6-20
液晶に、雨- Rin K自由詩18*15-6-18
夏音〜KANON〜- Rin.短歌813-6-19
エール- アイバ  ...自由詩312-9-10
古い町- 夏川ゆう短歌112-9-10
腕時計- 夏川ゆう短歌112-9-7
夏に濡れている- Rin.自由詩14*12-8-25
みそひともじ- 殿様が得 ...短歌212-8-24
8号館_〜遠ざかれない日々によせて〜- Rin.短歌13*12-8-19
東京哀歌- Rin.短歌2410-6-15
京都慕歌- Rin.短歌28*10-5-28
下手なキス、して。- Rin.短歌1410-2-13
- Rin.自由詩1410-2-10
忘れられない言葉- 南波 瑠 ...散文(批評 ...20*09-11-13
空を呼ぶ- 南波 瑠 ...自由詩22*09-10-14
病院七首- 笠原 ち ...短歌609-10-12
十六夜- 生田 稔短歌309-10-5
サヨナラのテーゼ- 南波 瑠 ...自由詩27*09-9-16
空路遊戯- アイバ  ...短歌409-7-3
- 青色銀河 ...短歌309-6-21
24号線/快晴アオゾラ- Rin.自由詩28*09-6-19
paLadox- Rin.自由詩19*09-2-11
さよならのためのリダイアル- Rin.短歌18+*09-2-8
すりぬける- 百瀬朝子自由詩2*09-1-22
セルリアン- Rin K自由詩2708-12-10
【短歌祭参加作品】_少年少女たちの自由奏- Rin.短歌19*08-12-2

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