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──ちょうど躓いた小石の先に連なった足が
氷柱を踏んで動かされていくようだった──
映像はいつもコマ割の上で音をあてていく
それは今日の病室でも変わらないまま
カーテンの外 ....
あついことは暑いことだと夏はただ言って
10メートル先の水たまりを勝手に縛りつけた
彼はどこにも行けない身体をしているのに
もう一人の彼女がいつまでもそばに寄れないようになっているのは
た ....
雑音らしい特徴を失ってとめどもなく流れていく
居心地の悪さだけを蹴飛ばしたら
あの風船は中身が抜けていくまで空に降り続ける
そんな雨の中で ボールだけ見えなくなる
てんでばらばらの行き先を ....
僕たちは今でも窓のないドアを開けるために必死の形相です
向こう側から何も考えずにやってくる眠りの群たちをよけるために
靴下も履かずに枕ばかり投げつけているのです
雲の層のような薄皮を2, ....
朝の訪れたこの空間がとても狭くって仕方がない
視界いっぱいに氷の窓ガラスが張り付いている
ミニチュアの残月を蒼さに溶かして飲んで
机の前にナイフとフォークのない朝食が
コップの上まで水 ....
回り尽くしたカセットテープの切れ端に
写るのは財布の残骸だけ
マグカップの上下逆さまな色を笑うと
雨が落ちてくる
彼らがまた化石の中に化石を見ている
九十九折のような峠道の崖下の出来事
....