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小枝の別れめに すごした雪が溶けかけている
のしかかられた小枝は いつも 問いはしない
さまよいながら 降り募る 重さにただしなり
折れたら落ちる 回る季節に巡りを てばなし
花芽を ひとつ連 ....
歩道と車道を分ける
足元のブロックは
道にそい カーブにそい
入ってはいけない場所が
存在するのだと教える
枠は 時間と共に崩れ
修正されては 崩され
鳥に遊ばれ 虫にうとまれ
....
誰も ほどかなかった
包んでいる紙は しわができて
セロハンテープも 古くなり
リボンも 色をなくし
誰も ほどかれなかった
空にも風にも 雨にも土にも
できない事
今日 ....
育てていた蜜蜂が 熊に襲われた
蜜を狙って巣箱を壊し 女王蜂も食べられた という話
熊って 蜜だけじゃなく 蜂も食べるの?
食べるらしいよ それ以来 蜂が怖がって
外へ蜜をとりにいかなくて ....
ほとり 泉に 群れ 飛ぶ月の 彼方
行方 揺れる しぶき ふける 風に
釣り込まれる 草葉 影音 臥せ 夜
咲いて 咲いて 残す ひき むろ
小石に かせ 花に かせぬ 夢土
....
今年はじめて モンシロチョウを見た
まだ畑には雪がかなり積もっていて
道路や地面で アスファルトや地面が
見える所はあるけれど 花は咲いていない
蜜はまだないよ
ひらひらと 春めいた陽射 ....
重ね合わせた掌に のせる想いは煙り
ろうそくと線香の火に 日常が遮断される
目を閉じ 心の奥に目を落とすと
闇の中にかすかに
小さな子が 手を合わせている
幾人いるかは 暗くてみえない
....
赤い雲が青空に溶けていく
さなぎの上に 初めて羽をひろげる鬼ヤンマ
透明な四枚の羽と 複眼に陽が射す
洗濯ものを 外に干す
水辺の近くに立つ 銀の洗濯棒が光を集める
風波をかぶる池の石 ....
黒い木陰に巣くう羽根音
砕いた殻墓 添うて鳴く
まみれた草にのけられた
くちばしこもり 膝の上
はばたき とどまり うちふり さえずる
影に塗る 黄緑 黒 音は チチチッ
うま ....
雛は鳴いて 朝露流れる 雲白く
つたのからまる古木 陽が射し
巣穴からのぞく 黄緑の小鳥
アイビーの葉陰をすりぬけ
近くの木にとまる
尾をうちふり チチチッ
おはよう ナギ
....
ななめの線は おめめ
口が にっこり
点は よだれ
いや 指って事で
心 って
にっこりマークみたい
コンロの上に鍋があって
コトコトと
音 って
お料理しているみたい
....
仲直りの握手をしようと右手をだすと
喧嘩してないけどと 夫も手をのばす
二時間飲み放題に行って
飲めるだけ飲んで来て吐いて
なんにもならないじゃないかと大喧嘩
のはずだったが 記憶がないらし ....
二十歳の誕生日も近づき
お祝いに赤飯を炊いたというから
おすそ分けを貰いに寄った
買物のついでにお菓子類など買って
ちょっとお祝い気分
日曜日で車庫に車がない
ああ 遊びに行ったのね
....
山すそに嫁いで間もない頃は
会社から帰って玄関を開ける前に
そっと結婚指輪をみつめた
関所を越える前の通行手形
新姓と共に 自分で選んだ道
でも まったくなじみのない夫の家族達
ただいま ....
なだれゆく 曇天の鱗
きりぎり 虚空にさす枝先
絡めた糸で 傷付けるから
鳥は 近づいてはいけない
どこにもいらない花のように
身を潜めて
散る花の中へおちていく
踏む先に ....