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くり返し聞こえる
ずっと耳の奥
石をたたく水の音
ふうわりと浮かんだ陽炎を
あなたの肩越しで見ていた
線香の、つんとした部屋
気管がくるしいのは
意識を奪われているから
ゆるんだ浴 ....
松林のにおい
やわらかに透過する光
あなたのその目じりのしわが好きだった
波風がうばっていく言葉に
その想いものせて
わたしたちはあめふらし
ふいに雨音が恋しくなる
傘の下で肩を並べ ....
一筋の夢
指で先を足していく
空には届かない
私の背伸びでは届かない
そのまま
ぷつん と途絶えた
音信
首元がさむざむするから
結っていた髪を切った
ただそれだけのこと
今朝 ....
六月の湿度が肩に降りつもる
いつかの唇のように柔らかくあたたかく
黒髪にからみついた結晶
はじけて香る 夕立
銀色の坂の向こう
ちいさな教会の鐘の音がする
ふいに横切る上りの急行
....
傘のほね
しずく垂れるさきっぽ
ぼうっと煙るような空を
みていた
置き忘れた想い
片手いっぱい
こぼさないように抱えたまま
見つからない答えを
いつまで待つの
むらさきの花が ....