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ヒリヒリしたことばを書くとしても
きっと奴らは寝ているだろう
生まれてから今まで
ずっと目を開け続けている人間などいないのだから
みんなどこかで見解をこぼしている

ソクラテスは無知の知だ ....
行かないで、お願い

そう言って小さな女の子が俺の手を引いた
夕暮れ 海に落ちてゆく日は
どうしていつもあんなに決定的に
強烈に 
美しいのか

海辺の教会から ....
いえでします
と書き付けて机に置いた

小学校に とりあえず向かう

誰に叱られてだったか
何故か知っていた 家出というものを
はじめて決行した 小学一年生の時

きょろきょろみた  ....
ちりとりの群れが
空を飛んで行く
南の方へと
渡る季節なのだ
僕らはその姿を見送り続けた
トリはトリでも飛べないトリは?
隣で君がつぶやく
答えなんて
いつか見つかる
暗い道でも みうしなわずに 
ついて行けるように と
契りを むすんだ
おとこの 背中に
灯火と星を 刺繍した
爪の丸みさえ 
新しい希望のように

削った続きは 荒々しく
ひかれて こなごななのに

刃向かいきれない
小ささえ
隠し持てる 最大の武器にして 

地図のいらなくなった
なつ ....
だれの庭から 伸びたのだろう
高くそびえる 木の尖端が
青空に 突き刺さっている
その破れから ふりそそぐものに
妖精が蠅のように たかっている
{画像=070201145518.bmp}
{引用=





蒼い
空の水紋
降りてくる影
小首を傾けながら
やわらかな円は広がり
石の小径の残雪に
触れ 囁く

 今 ....
先生、誰も来ない放課後です

理科室は薬品の匂い
閉められた
暗幕の心地良い温度

埃が泳いでいきます
気だるい午後です、先生

魚になるにはどうしたらいいですか

答えの出ない ....
{引用=



多重の自我の
小箱たち
幾重にも
蓋われた 郷愁

 霧雨の中で
 冷たく濡れていた
 かなしみも

 木枯らしの中
 いくつもに分裂しながら
 泣き叫ん ....
倒れたからって
いつか倒れるんだから
なんの問題もない

みえなくなっても
いつかみえなくなるんだから
逆らわない

動かないのか
動けないのか
はっきりしろ

寝たままで
 ....
カーテンの裏に潜んだ結露を
指でなぞると
するすると雫は流れ落ちて
行き場のない小さな水溜まりは
冬の外気と人の温みのあいだで戸惑っている

わたしはうっすらと冷えた指先を持て余しながら
 ....
空腹にて地下五階で殺された-

通勤の電車で色白でお餅みたいな顔をした女子高生とよく同じになる

彼女は池袋まで眠っている



詰め所にて。

代わる代わる雑工の同僚たちが

 ....
女にふられたので、
涅槃へ行って死のうと思った。
年も明けたのだから、
もうこのパターンはやめたかった。
だけど俺は、
もうやめようと決めたことを、
やめられたためしがない。
俺はそんな ....
あたしのスカートの
端っこを切ったのは あなたでしょう?

羽をばたばたさせて 空に浮かぶ
髪が伸びたので あたしは飛べるようになった

まっさらな夜を
あなたの匂いをたよりに飛んで
 ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。

そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。

「わたし、電車が大好きなん ....
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