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もしあなたが
どこか遠くのほうで
泣いているとしたなら
わたしには
すり寄ることも
包みこむことも
その涙を
掬ってやることも
難しい

伸ばした腕の先に
あなたを見つけ
躊躇う指の先で
あなたを撫で ....
切り取られた一部のような

柔らかな陽射しと

穏やかな雲のワルツ


私はただそこに立って

無音のメロディーに

耳を傾けながら

秒針が幾度も描く円さえも

この瞳を奪えないほどに見入っていた
 ....
掌に溢れる
小さな小さな
名前を持たない海は
誰かが忘れた
いつかの涙

そっと還した砂浜に
魅せた幻想は
いつかの真実

風舞い香る
刹那の宴
海をなくした掌は
冷たさと戯れて
指先を転がしている
 ....
秋色の冷たい風を伝い
夏を施してゆく


胸を締め付ける余韻を撫でるように
下へ下へと流れて消えた
涙を堪える癖は誰のためでもなく
移りゆく“時”に静寂を与えるため


咲いては散り
散っては咲いて
 ....
里帰りが終わろうとしている前日は
意識が無音を好み
笑顔の裏側で背中が
泣いていた

変わってゆく景色の中に
変わらぬものを探しては
胸を撫で下ろす

瞼の落ちる一瞬さえも逃してはなるまいと
刻み込ん ....
光りを纏い取り戻していく

近い記憶の

無邪気と純粋


瞳に映る輝きに
洗われていく心

今は半分しかない

あの頃のわたし


透明なはずの七色の粒を集めて

 ....
この命と引き換えに
あなたが
安定と幸福を
手に出来るのだとして
わたしにとって
それ以上の幸せは
ありません


この薄汚れた魂と引き換えに
あなたが
清く強く生きてゆけるなら
わたしにとって
それ ....
散ってしまった花弁を
どれほど美しく繕っても
風に舞い
せせらぎに揺れ
瞳は透明に転がって
転がって…


散ってしまった花弁を
どんなに綺麗と詠っても
風と飛び
せせらぎと泳ぎ ....
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