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目を瞑り
微笑んでいたのは
遠い日の残像に似た
脆い、光
壊れないように
そっと、手を触れてみる
優しく息づくそれに
耳をすませた私は
ふと、安らぎを覚えて
多分そ ....
夕闇に
小鳥が影を落とす頃
灯りが灯り始める
家々
眠たげに瞬いては
輝くその灯りに
吸い込まれるかのように
人々は
家へと足を向ける
灯りに向かって
話しかけて ....
オレンジの三日月が
細やかな雨を降らす頃
私は屋根の上で
うさぎを探している
時計仕掛けの空は
星を降らしながら
ただ、じっと
佇んでいる
床に落ちている苺は
まだ ....
この街の何処かで
ステロイドの人形が
冷えた歌を奏でる時
私はきっと
あの、行きつけのカフェで
モカカプチーノを
ゆったりと
啜っている
帰宅途中の少女が
出かかっ ....
朝靄に隠された
乳白色の意識の中
息を潜めるだけで、聞こえる
それが終わりではなく
始まりであることを
裏付けするような
透明と不透明は
限り無く澄みきって
螺旋の配列を
組み ....
限り無く空に近い
水平線の向こう側で
少女は空になる、と
言ったもんだから
僕は黙って
海に潜るしかなかった
何処までも青いだけ
そんなことはもう
ずっと前から知って ....
とっぷりと
暮れた空の中で
赤に染まりたいと願う
透明な私を
あの赤で彩ったら
なんて、なんて素敵なんだろう
と思う
折角なら
あの黒い鳥にも
絵の具になって欲しい ....
雨上がりの世界
虹はもう、霞んで
短い終末を迎えた街に
新しい世界がやってくる
隅っこでうずくまったままの
黒く淀んだ
嫌われたものたちの声が
啜り泣いているのを
人 ....
雨玉が
降り続く広野を
私は優雅に
疾走している
限り無く視界は閉ざされ
何も見えていない
いないのに
私は
限り無く優雅に
疾走している
後ろには
顔見知りが ....
安心していたら
乗り過ごしちゃった
らしい
らしいので
線路を
てくてく歩いて
戻るよ
ほら 思いの路線は
いつだって
一方通行だからさ
....
久々に口に運んだ
チョココロネは
何年もの年月を経て
味を変えた
話を聞くと
どうやら職人さんが
変わってしまったらしい
今では
チョコを被った
クリーム入りパンに ....
まだ
幼いままの夢を抱きながら
歩みを続けている
床に転がっていた
ガラス玉を指差して
綺麗だと笑っている
何万年も前
もっと世界が綺麗だった頃も
きっと僕ら
同じ ....
街行く人たちの背中に
「半額」シールを貼っても
きっと
ほとんどの人は
誰にも買われやしない
買われるのは
外見が良い人
ばっかなんだろう
クラス全員の腰に
ライダ ....