すべてのおすすめ
意味はと聞かれても
答えられないけれど
「す」という響きは
なんだか心地よい
心に角が生まれた時
「す」という音は
角を滑らかにしてくれる
「ふう」というため息よりも
言い始めに肩があ ....
最初に雨を見たのは
ぼくだった
みんなはそのとき知らなかった
窓に一筋の雫が流れて
静かに落ちていったのを
最初に雨を見たのは
ぼくだった
風はなかったのかもしれない
ただ水が ....
あの日の夕陽を覚えているかい
部活の帰りに一緒に歩いた川の土手を
手をつなぐのはいつも君の方からで
ぼくは何気ない顔をしていたけれど
いつもしっかり強く握っていたね
土手から見える神社の桜が ....
「たいへんよくできました」
というスタンプがどうしても
自分のノートに押されたかった
先生にノートを渡しても
いつも「がんばろう」とか
「あとひといき」ばかりだった
同じクマのスタンプなの ....
その痩せ細ったライオンは本が好きだった
本であればなんでもよかったのだが
ライオンは特に哲学に没頭した
一つの言葉にあれやこれやと
考えることが好きだった
三度の肉よりも本を優先していた
....