曇った 庭の かたすみ に
そんな 便りが ある
二季を 過ぎて きた 冬の 朝顔が
ア・カペラを 一輪 ふるえて
白さに ひらかれた 暗さの 土地で
無伴奏( ....
せとものが 乾いていく
洗った水を流す
手のとどかない
光源からのぬくもり
雇われたわけでもなく
息を 野に延ばす
図の中にいる血脈
末端を一巡り鼓動
いつか影を潰し
完 ....
凍えてしまえば
つもるものに
かけられる冷気にも
なれてしまって
記憶をなくしていくことだけが
自分へのやさしさ
ぬくもりにさえ 気を許さなければ
白い唇のまま 冬に 終えたのに ....
いえでします
と書き付けて机に置いた
小学校に とりあえず向かう
誰に叱られてだったか
何故か知っていた 家出というものを
はじめて決行した 小学一年生の時
きょろきょろみた ....
結婚が決まって 指輪を買いにいった
おもちゃみたいなアクセサリーばかりの私
緊張して店員さんに 結婚指輪をと言うと
いろいろみせてくれた
自分の指のサイズも まともに知らなくて
次々に ....
花の咲いた間だけ
とげに触れぬように
見張るように透明なコップに
移し変えたのは
空の下で枯れるすべての事から
逃げるためですか
守るためですか
とげよりもおそろしい指で
....
爪の丸みさえ
新しい希望のように
削った続きは 荒々しく
ひかれて こなごななのに
刃向かいきれない
小ささえ
隠し持てる 最大の武器にして
地図のいらなくなった
なつ ....
倒れたからって
いつか倒れるんだから
なんの問題もない
みえなくなっても
いつかみえなくなるんだから
逆らわない
動かないのか
動けないのか
はっきりしろ
寝たままで
....
月の 蜂つぼ
ねかせられた
宿のない小石
そらんじた沈黙
からかうような
漆黒の 隙間
吹き矢に痺れる
鈴の壊れそうな
苦みになく小声
外堀の端に 蝶が あら ....
なににも負けない柚子の香りにひかれて
家につれて帰った
冬なのに
ここには
まだ雪が降らない
一度も白を見ることもなく
この季節が過ぎてゆく気がする
寝ぼけた春を思い浮かべて
重たい気 ....
どこから こぼれてきたのですか
雨の かがみ込んだ内で
抜けられない 靴ずれに
しみる痛み
知らないうちに 紛れ込んだ
砂の汚した 靴下
脱いで 素足になりたいけど ....
サンタになる
と 義父が言ったのは 六十歳になったあたり
子供の頃からの夢だと言い
衣装をそろえ 駄菓子を買い込み
白い布など用意したので
義母は 義父用に衣装をつめたり
白い袋にした ....
かかえこまれて
光線から隠れて
鼓動の深さに滲む
羅列
虹のような破線
こぼれる
ガラス の
底の底
あなた
立ち去りなさい
私が
自由になるのだか ....
何が 入りこんでいたのかも
突き止めては いけないものみたいに
吐き出すものに 流れて 流して
ターン するために ターンさせられ
海 の 底
開けられちまった 無口な口に
....
ち ひかす ひも くれ
も ふせて ゆく やみ
けどらせ
いけどる
くらがり
ぬけていく
かげ
とげ にぎり
さし もどす
めんたま に
うつすな
かがやき
....
見えては いなかった...
かっこうの 産声が 森を 編み
絹糸を 伸ばして 進み ながら あおいで いた
どうしようもなく あかるい 双眸の 記憶の 波が
茫漠とした ....
はずされてからは 机に
並んだままのコルク
昔いた場所には
白と黄色の花が
さし込まれている
細い緑の茎から
吸上げる水は
今は 無関係な液
祝うために届けられた
紅い液 ....
流鬼くぐり渡る
舞爪 の
川底
沈む 匂い袋
藻の痺れ
かきすく 小指
ほどけぬ水の痕
掻き鳴らされた
土の鎧
笹舟が 黙らせた
ひとこう月の 檻
藪に宿る 露 ....
こゆく さなぎり
はたて まどのみ
ついた ひごそで
まりせ ふむりん
ささぐ こみちね
わたす はねつち
ほせよ ほうれぬ
かがり くみこい
コップの中
流れを止めた水源
下りの道の続きにある
渇いた喉へ
飛ぶのは 鳥
咲くのは 花
記憶ならないもののほうが多い
逆らえるのか
蕾でしかない このカオスは
海 ....
どうして兄弟でもない男の人と
いっしょに暮らさなければならないのか
結婚前に、たずねた
そういう決まりになっているんだ
と 彼氏は言った
あんまりあっさりと言うので
笑ってしま ....
わたあめの 中の
といだ 蜜
くぼみに溶かされた
まつり
包めないから
カーテンていうきれぎれに
爪にしか渡れない
ささくれ の 先
夕暮れの 歩道橋
見えるはず ....
お母さんお母さん
お父さんが
仮面なとんとかーにいじめられてるよ
あ
今
まさしくんの
おとうさんがやられたよ
お母さんお母さん
....
草のしないだ後が 私の靴後
手の中にある と思うものだけ
鍵だから いつまでも開かない
ふさぐ風だけ 私を知ってる
つぶれない 心の輪 とじない宇宙
弾く ひくく
触れさせ ....
眼科で診察中
次 眼を洗うから そこに座って待ってて
と 看護婦さんに言われて
長いすのはじに腰かけ
緑内障の眼の見える範囲などかかれた
ポスターをみる
すぐ 隣りに 杖をついた ....
さみしく囁く
そっと静かに
夜は
流れる
川面には
風
さよなら言葉
これから二度と
言わない
好きだとか
嫌いだとか
忘れてしまえ
昨日も今日も
明日も未来も
全 ....
みんな ただの ばかだ。
がらすだまをみずからぶちわる
ばかだ。
あたしは ひくひく なくしかない。
ひくひく ひくひく
したっぱらに ちからははいらない。
ぼろぼろ ぼろぼろ
がらすだまは おちて
....
自転車の私と
白い軽自動車の先生が会ったのは
広い水田の中の十字路
偶然にもかごには
できてきたばかりの詩集
それはコピー誌で手作りで
でも 作品を集めてお金をだしあって
イラストを ....
黄緑色の ミニかえる
サンダルの先に はねてきた
白い靴下 汚れそうな脇道で
待ってても咲いてしまった花は
当惑する
みたでしょう もう
もう できることはないの
ただ こうして ....
遠い朝 日に乗るように
長靴が 畑の真ん中に立っています
沈んでいく桃色の光が 靴底で
何人かの村人に 似ていきます
ひそりと ゆえに おもむろに かぜ
駆け出しそうな 針葉樹の ....
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