天使は川辺にて体操座り
しょぼくれた顔をして
目には涙を浮かべている
どうしたの?
と聞くと一息に
天国へは階段で行くべきなのに
どうして私は船頭の格好をさせられているの?
六文銭とか言 ....
恋人を飼ってる
虫かごで飼ってる

無理やり押し込んでしまったからか
すこし
下を向いて落ち込んでいる
体育座りをして

時々かごから出して
部屋の中を飛ばせていると
何度も
 ....
今となっては
あの人の声も覚えていない
高校時代お世話になった
片野先生の声であれば覚えている

あの人に対して
愛おしい
と感じたことは一瞬だけあるけれど
片野先生に対して愛おしいと ....
土が乾き過ぎていて
少しくらい水を撒いても
表土にはじかれ
低い方へと流れていった

心が渇き過ぎていて
言葉ははじかれ
疑いと
拒絶の方へ流されていく

二度と打ち解けることは
 ....
よりよき眠りのために

爪を切った

髪をといた

浴槽の端に身を委ね

足先をやわらかく曲げた

かかとの奥にある

まるく硬い骨は かすかに

光を放った
 ....
桜など本当はどうでもいいはずの
酒を飲んで騒ぎたいだけの花見客どもが
急に降り始めた雨に悪態をつきながら
しかしどこかしら楽しげにはしゃぎながら
コンビニの中になだれ込んでくる

最近テレ ....
<十四歳>
十四歳の時の情緒によって
十四歳の時の衝動に任せて
十四歳の時に泣きわめくことが
十四歳の時にはできなくて。





<経験>
もっといろんな男の人と抱き合えば ....
ある夏の日の夕暮れ

二人は窓のそばにベッドを置き

裸になって横になる

花辺のカーテンは

窓から入るそよ風にあおられ

柔らかな午後の光の調べを奏でる

草の香りを含んだ ....
案外
やさしいことだろう

冬のおわりを思うのも
春のたよりを受けるのも

案外
やさしいことだろう

夏のかげりを思うのも
秋のかたりを受けるのも


案外
やさ ....
手紙を入れて
春の小川へ流してやるのだ

壜はゆらゆら流れて行って
コルクの栓もしだいに腐り
水が浸み
河口近くに沈むだろう
それとも海へ流れ着き
波に揉まれ
誰も聞かない音をたて
 ....
「死ぬ時は一緒だといいな。」

お風呂上がり
キミの髪を拭く私に
突然キミはそう言った。

「でも、もしボクが先に死んだら
天国の入口で ずっと待ってるから。
だから お母さん
もし ....
波のゆくえが
気がかりならば

波の言葉に
添いましょう

正しさに
包まれようもないけれど

同じだけ
誤りようもないならば

それは
素敵な所作ですね

波の ....
まぶたをおろし、からだをまるめ
柔らかな布団にくるまり
暗くて寒い夜だとしても
夢に落ちれば孤独さえ感じることはない
喧噪から離脱したひとびとは
みな子宮の思い出に還る 夜の間だけ
近頃めっきり夢が減ってきたので
巷の貘達は仕方なく
現実を食べるようになりました

現実を食べるようになって
貘達は急に怒りっぽくなったり
不機嫌になったり
涙ぐむようになりました

 ....
サンタクロースはどこに子供がいて
何を欲しがっているかが分かるし
トナカイのそりに乗って空を飛んだりできるのだから
一種の超能力者と言える
昔からそうしてクリスマスの夜に
プレゼントを配り歩 ....
夜が朝日に殺されていく

彼女は悲しさを手放したりしない
夜が終わって朝がくることを
毎朝しっかりと悲しむのだ

彼女は毛布にくるまって
テレビの天気予報を見ている
(きょうはおひるま ....
「すみません。おひとりさま1パックまでなんです。」

その日
特売の卵を2パック
かごに入れていた老人は
無情なレジ係にそう言われ
1パック取り上げられていた

解けかけた雪が
昨夜 ....
幸せな夢でした
ありがとうございました
と言って
死ねる日を

ベッドの上、肺のなかの空気を
ぜんぶ吐いて
覗き込む顔に顔で返事をして
さよならも言わず
死ねる日を

私より先に ....
夜が明けたら
指をむすぼう

悪気のない月明りが
影をつくっている

永遠 という言葉を知っている
それでじゅうぶん
一生 口にすることはなくても
たとえ 夜が明けなくても
 ....
「朝」という字の月の彎曲に
僕は腰掛けている
朝になれば月は消えて
その先のことはわからない

味ノ無イ、がむヲ噛ンデルヨーナ、人生ナノ
ランドセルをしょった姪っ子が口を尖らす
学習院型 ....
 




背負うものがあるぶん
過ちが犯せない大人と

背負われているぶん
間違えるのが怖い子供


角砂糖ひとつぶんも
バランスを崩さずに
あの子は確かにそこにある
 ....
 一

 夜の水平線が
 両の腕をさしのべ
 その手で満月を挟み

 嘆く空から引き離し
 海の底に沈めた

 光が闇に溶けて
 波の下に燃えつき

 殺風景な夜空に
 取り ....
   かなしさは夜のなかにある。



   体育の時間、ぼくはだれともペアをつくれ
  ずに、みんなが踊るフォークダンスを眺めて
  いた。それは濁った河を渡る水牛を眺めるの
 ....
雨つぶと雨つぶは
出会っても うたわない
分身だったから
うたう必要がないから
うたわないけど
静かに溶けて
ひとつになれる
みずたまりは
世界で一番平和で小さな海になった

雨つ ....
夕焼けは空全体が燃えることだった
そんな日々からずいぶん経って
いま夕空のどこを探しても
みつけられない六歳の空

大人なのに泣いている理由がわかって
こんな場合にこの気持ち
どう切り替 ....
あ、の形にひらいた口から
あ、がこぼれて落ちた


床にふれる
粉々に砕けて、見えなくなった


手を伸ばして鍵を外す
からから、と窓をあける
なまぬるい風が不躾に入り込んでくる
 ....
転校生のせなかをおした水曜日、わたしが階段をふみはずすのは決まって水曜日、わたしたちきっとA子になる、被害者A子なのか加害者A子なのかは誰も知らない、未来だってまだこしらえてないってのに

上履き ....
大前提として、詩作品を評する時、通常は詩の中の主体を作者と同一視しません。私が興味を持つのは作者個人のパーソナリテイにではなく、作品を通して読み取れる普遍的な「なにか」です。この「なにか」というのは広 ....  今夜の月は何か変だ

と 思ったその時
小さく ひびが入り
――欠片が落ちた
何かが動いている

 えっ ひよこ?

一生懸命
殻をつついて
転がりながら
可愛いらしい姿が
 ....
泣いてばかりいる子どもだったんだけど
気づいたら大人の部類になっていて
それでも泣いていたら知らないひとにバカにされたので
思い切って殺しました
それからやっぱりこわくて泣いていたら
大丈夫 ....
茜井ことはさんのおすすめリスト(65)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
天使は川辺にて- クローバ ...自由詩1*14-7-9
虫かご- Seia自由詩314-7-2
- 砦希自由詩6*14-5-27
リラ冷えの街に恵みの雨が降る- Lucy自由詩16*14-5-17
よりよき眠りのために- かかり自由詩414-5-1
PINK- 大覚アキ ...自由詩1014-4-5
十四歳_/_同性愛_他- クナリ自由詩7+*14-3-2
夕暮れの窓辺- gorsescent自由詩114-2-26
直感- 千波 一 ...自由詩414-2-13
- Lucy自由詩17*14-1-27
約束- hiroto22自由詩6*14-1-23
波のゆくえ- 千波 一 ...自由詩314-1-7
眠る- 四角い丸自由詩513-12-29
現実を食べる貘- ichirou自由詩8*13-12-25
サンタクロース実在証明- 紀ノ川つ ...自由詩413-12-25
夜を待っている- 栗山透自由詩413-12-3
卵2パック- Lucy自由詩24+*13-12-2
死ぬのがこわいから- あたらし ...自由詩313-11-10
- はるな自由詩413-10-29
月の跡- りす自由詩12*13-10-28
material- 自転車に ...自由詩413-10-6
波の下の月- まーつん自由詩11*13-9-27
かなしさは夜のなかに- 草野春心自由詩20*13-9-13
子守唄- そらの珊 ...自由詩19*13-8-31
六歳- もっぷ自由詩1013-8-15
同じ窓辺- あ。自由詩713-8-6
カエルの親友A子- ざらざら ...自由詩813-7-21
atsuchan69「首のないM」について- 春日線香散文(批評 ...313-7-17
宇宙ひよこ- ただのみ ...自由詩27*13-6-18
8:20(細長い缶入りのジュース)- はるな自由詩713-5-19

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