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ひらひらときいろいイチョウが日を反射いねむりできない{ルビ理由=わけ}がわかった
言葉なく歩き続けるふたりにはたかーい空に消える足音
くしゃくしゃと音をならしてできあがる風がつくっ ....
軍艦の現れて消ゆ
満載の雲丹もとろけて
跡形もなし
{引用= ※雲丹(うに)}
初出「LBS」二〇〇八年六月
春の山 パッチワークね 若葉色
河津のぴんく 縫い合わせてる
陽に透けて こぶしの花の美しい
白をふちどる 線だけ強く
庭占むるカンレンボクの葉の茂り皆にうとまれ皆にうとまれ
凍てついた
道端に咲く
一輪の
花びら見つめ
「もう少しだよ」
君の事
迎えに行くとき
”満点”な
ボクになりたい
心躍らす
この体 縄で繋がれ 歩けない なんてよりもまだましな鎖
裏側の 世界で生きて いくのなら どうせなるなら 足の裏
ちょっと待て 今のは練習って ずるくない? デコピンは一発勝負
追いたいと思う心理を知り尽くし残り香すらも残さぬウサギ
いつもはね慎み深い私なの 貴方は特別“私を食べて”
「首を切れ!!」怒鳴るクィーン黙々と従うスペード恋は盲目
30 ....
{引用=猫の目のなかに言葉をさがしてた世界がわたしの部屋だけの夜
はてしなく優しいきみが眠るときおとぎ話の幕が開いて
鍵穴を探す深夜の部屋の中小さな鍵の彷徨う{ルビ行進 ....
{引用=高速で回転している花束を見ている朝の洗濯機の前
小窓からしゃぼんの香り飛び出して空に散らばる雲の石鹸
仰ぎ見る雲は雨雲どんよりと黒い何かをぬぐえぬ散歩
....
ふくらみの桜の花のもやいからあなたに送ったホカロンひとつ
銀河からいかなるものも貫いてやってくるんだニュートリノ
帰郷しようと世界地図を開いてはゆく当てもなく東京にいる ....
血のにじむ指くわえようとするあなたから手をひっこめるさびしみがある
背後から抱かれて息が首筋にかかるぬくさを忘れはせじと
深呼吸忘れたことに気がついて深く重なる森の天井
きみの ....
あざやかに刹那春華に暮れてゆく君の名前も呼べないままに
空はまだ薄むらさきになれなくて鏡のように云わない鳥が
恋す日は夜明けを拒む呼吸して切ないだけで終らない朝
さようなら空を愛した空の鳥翼は冬の闇に消え行く
コーヒーに雪をひとさじ入れたらば味は冬味になるのかしら
雪の枝そろそろそろととけてゆく日差しが春に交代をし
塀の上スズ ....
魅せぬまま涙流せどいたずらに恋咲散るは綺麗さ故か
(絶望している女の子に)
☆物語の捏造までも企てて世界の意味を欲してやまぬか
☆がんばれ、と言いたくなくて、死ぬな、とも言えないけれど、君が好きだよ
(ゴスロリファン談義の最中に)
☆ゴ ....
暮れかけた とんがり山の 山の端の 光のさして 雪またキラリ
ドーナツの穴に通した薬指キミは微笑って食べちゃったけど
夕焼けとカレーの匂い誘われて結局君を選んだ僕は
なんとなく恋の病に効くモノを君に聞いてる治る気はなし
猫舌のあなたのために作ったわ愛情だけは冷めないうちに
プチっ甘い星がお口でひろがって120円心もほっと
スイートな恋ができたら嬉しいな叶えてくれるきいろの魔法
こんな日は自分以外の誰彼の必要性を問うたりしない
遠い日の約束 あれが最後だと分かってたなら守っていたよ
東から西から差し込む宵闇が君をさらってさよならもせず
....
今日限り 絶ふるものぞと 思ひつつ
舞う金色に 秋の夕暮れ
環八と早稲田通りの 交差点 自転車 倒れ 車 流れて
人をまくスピードと 息の多さに負けて 逃げ出す自分 と 居座る わたし
バス停の時刻表を写メで撮る女子高生は 盗撮されて
はっと ....
おふとんにくるまって
ただもふもふと
独りのよるもすてたもんじゃない
好きな曲好きな歌手など
特にないです
今はあいつに夢中なだけで
てのひらに真珠ころがす幼子の瞳に宿る夏の新月
ためらいが 残しておいた 菓子の星
夕日にひとつ 溶けて流れる
幾重にも 包んでしまう ゆびの白
ちいさき粒も 重く冷たく
一言も 添えられぬまま この夜は
....
薔薇色の雲なる東の竜たちは入日めがけて風に真向かう
アルカリでとかした葉脈標本の栞のごとき一樹夕焼け
暮れ残る空は僅かに緑色月よりも低くフォーマルハウト
栗むいてうつむいてなお神無月わたしはきょうも星をみつける
テスト中ゆうべのあのこ思い出すほんとは朝しか会ってなくても
涙がね赤い光を受け止めて私の頬に残るんだ
桜辺に かの人と添い 歩み行く
儚き思いと 涙つたわん
幻か 宵に桜の水を汲み 待つ彼の人を 夢で抱きて