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  一 「ミッシング・ピース」

手渡されたたった一枚の
欠けた切符のように
行き先でもなく
日付でもなく
空白のはずなのに
それ以上に大切なものを
どこかに忘れたまま
 ....
南風に乗って、夏が
駆け込んできた

いつだったか あなたは
疑いなく寄せるそれを
レモンの光、と呼んで
指先で掬い上げて口付けをした

透明な時軸につかまって、僕は
ひとま ....
記憶のかたわらで
あの人の奏でる、ヴィオロン

夜想曲は、もう
恋のできない私に似合いね
と わずかに唇をゆるめてから
伏目で弾いた鳴きやまぬ、旋律
それはどうしても、波としか呼べなくて ....
もう飛べる翼はない
星の足跡 ここで、途切れた
出逢うまでの道も忘れて
広い空をただ見上げる

水平線に夕陽が溶けて
紫色の夜がまた、来る
やさしさ、だけ
欠けたパレットを ....
空の、あまりの青さが
出逢った日と同じ色をしていたから
なんだか違和感を覚えてしまって
それを誤魔化すように
むきになって笑ってみた

ここは夜景もいいけれど
飾り気のない素顔の街が見え ....
夜空に見える、という
星座ってやつが
点在する星をつないで
こころでみる絵画だった
とは、しらなかったころ
僕は君の名前を
まだしらなかった

君の名前を
まだしらなかったころ 僕は ....
潮風と過ぎ来し時を背に流すさだめのごとき蒼を開いて

旅立ちの日には必ず響いてた警笛がいまつまさきで鳴る

桟橋に残したサヨナラ遠ざかる振っていた手で面舵一杯

羅針盤果て ....
 


 一


日々を連写して
間違い探しをする

遠浅の青に
いつもの魚が溺れている
鱗がまた一枚なくなったこと
それを除けば
昨日と今日の境界線はゆるい

魚は、な ....
通り過ぎた列車の
なごりの風が、引き連れる
潮のにおい
線路沿いにこの道をまっすぐ行けば
ほら、海が近づいてくる

そう言ってふたり、短い影を
踏み合いながら走った日
無人 ....
やってみたいことはたくさんある けれど、
やっておきたかったことも、たくさんあった

高く、空に流れていった最後の校歌と
旅立ちの、握りしめたら少しだけ痛い
金釦のような歌
それらをいいわ ....
てのひらに乗った 雪が
溶け出して、僕の
一部になってゆく
降り始めに気がついたのが
どちらだったか
もう忘れてしまった

雪は
これで最後かもしれない、と
最初に言ったのは君の ....
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あさやけ色- Rin K自由詩33*07-4-23
ヴィーナス・ブリッジⅡ- Rin K自由詩32*07-4-18
水平線の理由- Rin K自由詩34*07-4-7
出航- Rin K短歌22*07-3-27
輪廻- Rin K自由詩32*07-3-19
夏の切符_〜海岸列車〜- Rin K自由詩48*07-3-8
第ニボタン- Rin K自由詩31*07-3-3
ラスト・スノー- Rin K自由詩41*07-2-24

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