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梅雨空の悲鳴
私の空はやけに立て付けが悪い
私は有無を言わさず空を閉じる
天国など空から見えるわけもなく
ただひたすら空は鈍色だ
君がどの辺(あたり)に上ってゆくのか
風が吹いている
ダ ....
おはよう



僕のベットの隣に君がいる
肉と皮を蒸発させた君がいる
地上に置いていった骨だけの君がいる

ろうそくの炎が揺らめいている
数本の線香のか細い煙が揺らめいている
僕の ....
朝靄の中
白い影が一歩また一歩
呟く声の方向は
白い視界の中の山脈
吹雪いている心の中の
一線の黒い帯赤い線

ほんの三ヶ月前には
仄かな暖かさのため
身を寄せ合って生きてきた
そ ....
桜並木の木の下には
死体と狂気が
埋まっています。

今年も桜の木の下で
散りゆく花弁ひらひらと

桜並木の真ん中を
足早にすぎる風一陣

見上げる花は真っ盛り
目も眩むばかりの ....
白い季(とき)の帳は
突然目の前に現れ
薄いスクリーントーンのように
視界を屈折させる

肌に訪れる
乾燥の刺激と
氷点下の憂鬱
眩い雪原の幻惑は
うなだれた首元に
重くのし掛かる ....
猫砂に埋もれた二人の思い出は
一部は綺麗に乾涸らびて
形だけくっきりと存在している

一部は砂がかけられずに
異臭を発して、未だ砂の上の鎮座する。


軋む心と身体を引き摺って
ほん ....
懐かしいという言葉を話すと
鼻の奥がツンとくる。

春はまだ来ないが、
冷たい風が吹いている。

君と二人、風に乗って行けるものなら、
君の生まれ故郷のこけし橋の欄干に行きたい。

 ....
川嶋医院の
門柱までの石の階段を
ケンケンしながら昇って行く
昇った先に待っている懐かしい顔
随分と草臥れたセーターを着ている子や
今日おろしたてのジャンパーが
砂や泥で白くなってしまった ....
空に向かって伸びてる道を
僕は一所懸命歩いていた。
歩いて歩いて歩いて歩いた
いつか空に着くもの
と信じて。

歩いて歩いて歩いて歩いたが
空は全然近よってこない。
そればかりか
空 ....
君が左腕を僕に差し出す。

痒いの、掻いて

君は右手が使えない

痒いのだが右手で掻けない

僕は指を立て君の左腕を掻く

とっても白い左腕を指で掻く

掻いている間中

 ....
遠い昔のことよりは
今の家族を思うとき
苛立ち不満を見るよりは
今の楽しさを感じて生きる。
不自由な君の手をさすり
冷たい君の手をさすり
世間話につい昔
未来の話は嘘になる。
今の楽し ....
頭が痛いと君は言う。

私が死んだらという話はしない約束だが、つい君は口にする。その度に僕の手に握られている砂粒が少しづつ隙間からこぼれ落ち、風に吹かれて飛ばされてゆく。
そのあと、僕の心は痙攣 ....
菊一輪微笑む姉の一周忌

遠く聞く落ち葉踏む子のはしゃぎ声

長雨や語る昔の老夫婦

秋麗に言葉少なく過去を詠む
耳を澄ませてごらん

ほら雨がポタポタ漏れている
ポタポタポタポタ漏れている
そのうち空も枯れてきて
大きな空が見えるだろう

でも涙もポタポタ漏れている
ポタポタポタポタ ....
頭蓋骨にぽっかりと穴の空いた人は
心にもぽっかりと穴が空いたようで
表情は少ない。
手の震えは、脳味噌の痙攣で
その人の手の震えは、僕の心を痙攣させる

その人の無表情の時間は次第に長くな ....
川嶋医院の
門柱までの石の階段を
ケンケンしながら昇って行く
昇った先に待っている懐かしい顔
随分と草臥れたセーターを着ている子や
今日おろしたてのジャンパーが
砂や泥で白くなってしまった ....
薄明かりの中
今日の一日がはじまる
何のことはない
いつも通りだ
いつも通り目が覚め
いつも通りトイレに行き
いつも通り猫と挨拶をして
いつも通り顔を洗い
いつも通り歯を磨き
いつも ....
三年前の揺れに閉じ込められた我々は
今こちら側の歪んだ空間からあちら側を眺めている。

閉じ込められたものは善意
解き放たれたものは相手の知れない戦意と
得体の知れない悪意

鏡や水たま ....
何年ぶりだろう
二人で食べる黒蜜のあんみつ

手術前のある日の病室

老舗の和菓子屋の前を通り
ふと気づいて買った
お土産のあんみつ

あんみつの中には
紅白の求肥や赤豌豆
漉し ....
(知人)

友人ではないが、親戚ほど疎遠ではない。

最近は特に犯罪報道でよく見かける

匿名性を条件で被害者との関わりを能弁に語る者

推理小説の真犯人ではない。

現実の世界で ....
夏の陽射し

猫の影くっきり

耳をぴーんと立て

猫の影くっきり

二匹の影が重なり合う

世界中の地面や壁に

夏の陽射し

猫の影くっきり

尻尾をぴーんと立て
 ....
 風鈴の 脆き響や 平和の音 とりとるたらら
暑い中
とりりつぅたらら
汗を掻く
かすむ目の中
景色が揺らぐ
あたまがゆーらゆら
もやもやで
街路がユーらユら
ゆらいでる
並木がユーらユーら
ゆらいでる
身 ....
日常の時間という縦糸と
家族と付き合いの横糸
そこに堆く積まれている
それぞれの人生
ちょっとした布のほころびに
突然落下しそうになった君

何年ぶりだろうか
いや、三五年ぶりに手を繋 ....
朝は晴れ晴れと
色とりどりの花の中歩く
季節六月、紫陽花の花

朝は晴れ晴れと
君を見て花の中を歩く
季節六月、紫陽花の花

言葉を交わす余裕なく
六月晴れ渡る梅雨入り前
紫陽花の ....
あの時代に街を彷徨う男は
夜の気配のする街角で
剣玉を所在なげに操る
夕暮れの街灯の下
足を組んで剣玉する男一人

街灯から降り注ぐ
まやかしの光の粒は
ぼーっとした色を男に与え
髪 ....
病室の窓を開けると

干し草の香り


夏休みの匂いがする

と女房は言った。
初夏の夕暮れ

見舞いに来た僕は君と歩く
五階の病室から一階の売店まで
五階のエレベーターホールまで
病室から二〇メートルほど
エレベーターに二人で乗る
乗るときも手は離さない
三五年 ....
(知人)

友人ではないが、親戚ほど疎遠ではない。

最近は特に犯罪報道でよく見かける

匿名性を条件で被害者との関わりを能弁に語る者

推理小説の真犯人ではない。

現実の世界で ....
朝露に濡れた薔薇のつぼみよ

蕾の持つ美しさ

それは未来(あした)という一瞬の輝き

過去(きのう)は蓄積され

そして、沈澱してゆく

現在(いま)は消費され

過去の薄っ ....
未有花さんの……とある蛙さんおすすめリスト(129)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
挽歌- ……とあ ...自由詩10*15-6-24
平成27年5月13日早朝- ……とあ ...自由詩16*15-5-25
狐夫婦- ……とあ ...自由詩11*15-4-21
桜並木の下で- ……とあ ...自由詩6*15-3-30
晩秋から- ……とあ ...自由詩7*15-3-9
猫砂- ……とあ ...自由詩11*15-2-17
思い出- ……とあ ...自由詩11*15-2-15
年をとるといろいろ- ……とあ ...自由詩13*15-2-5
道のさき- ……とあ ...自由詩8*15-2-3
カイカイカイカイ- ……とあ ...自由詩11*15-1-29
生活の隙間- ……とあ ...自由詩20*15-1-17
ため息- ……とあ ...自由詩8*14-12-14
あきふかし- ……とあ ...俳句4*14-11-25
哀しみの音- ……とあ ...自由詩7*14-11-5
その人の笑顔- ……とあ ...自由詩18*14-10-9
意識のリセット- ……とあ ...自由詩9*14-10-3
あさ- ……とあ ...自由詩10*14-10-1
現状認識- ……とあ ...自由詩8*14-9-25
あんみつ- ……とあ ...自由詩34*14-9-8
ある人たち- ……とあ ...自由詩13*14-9-1
夏・陽射し- ……とあ ...自由詩12*14-8-18
平和- ……とあ ...俳句6*14-8-4
夏・公園- ……とあ ...自由詩8*14-7-30
もうひとつの「夕暮れの病院」- ……とあ ...自由詩9*14-7-3
五年前の紫陽花の花は- ……とあ ...自由詩16*14-6-30
みせもの- ……とあ ...自由詩9*14-6-16
朝の病院- ……とあ ...自由詩11*14-6-10
夕暮れの病院- ……とあ ...自由詩11*14-6-4
何人??- ……とあ ...自由詩9*14-6-1
つぼみ- ……とあ ...自由詩17*14-5-20

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