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わた し は ねこ だ
な まえは ま だ ない 


殺伐とした空気が支配する部屋で、
きみは子猫に名前を付けようとしている。
子猫が産まれてからもう三日が経った。

 ....
思い出し笑いを
小さな箱に詰め込んだら
いつかのクリスマスプレゼントの
きれいなリボンで飾ってあげる

右手には甘いキャンディ
左手には苦いチョコレート
どっちもあげない
どっちもあげ ....
ぼくは
腐った野苺を食べてしまったから

おかあさん

さよならです

片耳のちぎれた野良犬が
悲しい目でぼくを見つめているよ

灰色に濁った
その目の奥から覗き見る世界は
ど ....
見たものを
すべて
心の中に閉じ込めて
持って行きたい

今夜

それなのに
掌に掬った水のように
うわずった声が
後から後から
唇からこぼれては
二度と取り戻せない

だ ....
かみさま って
ひらがなで書くのは反則だ
世界 ってやつをひっぱり出すのも
ルール違反ってことにしよう

そこから
おれたちはまず
書きはじめなくてはならない

雨上がりの
濡れた ....
君は

言葉を見たか

路地裏の突き当たりの
饐えた臭いのする真っ暗闇の中から
ゆっくりと立ち上がる言葉を見たか

君は

言葉を見たか

見知らぬ星座の片隅に
燦然と輝く小 ....
不安定な水面のように
流れていくテールランプの赤を
ゆらゆらと滲ませる
十一月の濡れたアスファルト

落ちた花びらが流され
下水道に呑みこまれていく

この都市の中には
すでにどこに ....
カップの中の恐怖が
蒸発しきってしまうまで
西日の当たる窓辺に置いて
忘れた頃に覗いて見ることにする
ガラス越しのプリズムが
灰色の壁にいびつな虹を映す
シーツとタオルケットの隙間から
 ....
底なしの真っ黒な空に
銀色の鳩が
ゆっくりと堕ちてゆくよ

小さな子どもたちは
遠くに旅立つ準備を済ませ
みんなで手をつないで
風に向かって立っている

大人たちは
かすれた口笛を ....
あの彗星を追い抜くには
おれの命はあまりにも遅すぎる

もっとスピードを

もっとスピードを

摩擦熱で燃え上がって灰になるまで

もっと軽やかになるために
おれは足の小指を切り落 ....
明日の話をしよう
終わってしまった明日の話を
訪れることのない明日の話を

遠いところから
前触れもなく届いた報せが
ひとしずくの雨粒のように
涙の源泉に落ちる

昨日の話をしよう
 ....
ぼくたちが童貞だったころ
汗で肌に張り付いた
女の子たちの制服の白いブラウスは
未踏の大陸の地図のように見えた

街角の薬局の店頭では
小箱に入った不穏な計画が
巧妙にカムフラージュされ ....
真昼の沖に浮かべた
大きな蓮の葉のうえで
みんなが寄り添って眠る

母のない子も
子のない母も
夢を見ることのない
安らかな眠りの底で
みんなが寄り添いあって眠る

涙よりもやさし ....
件名:さびしさについて

というメールが
知らない人から届いた

開いてみたら
ただのエロスパムメールだった

無性にさびしくなった
カミソリみたいな風が
叩きつけるみたいに吹いてて
シアン100%のウルトラブルーの空には
殴り書きみたいな雲が
でたらめな速さですっ飛んでいく
そんなわけで
寒くてどうしようもないので
 ....
真夜中にコンビニに行くのは
森に分け入っていくときの
あの感じに似ている

とても疲れているので
栄養ドリンクと
2錠で100円の錠剤を買って
再び暗い森を歩いて帰る

そういえばず ....
おねがいです
楽しい歌や
美しい歌など
けっして
歌わないでください

美味しい酒や
贅沢な料理も
ここでは
けっして
食べないでください

家族や恋人同士で
ほほえみを交わ ....
トミノ、
トミノ、
かわいいトミノ。
おまえの眼玉の裏側の
冷たい炎の燃えさかる
ちいさな地獄の真ん中で、
真っ朱な花がただ一輪
いまゆっくりと綻んだ。
トミノ、
トミノ、
かわい ....
どこか遠くの
名もない寒村の廃屋で
最後の詩人が
おしまいの言葉を
震える手で書き記そうとしている

彼の思考の荒野を
舐めるように滑っては消えてゆく
文字列

この世界の
あら ....
盲目の道化がひとり
ごった返す真昼間の往来を
踊るような足取りで歩いてゆく

それを指差して嘲笑う子どもたち
囃し立てるように
手を叩いて大騒ぎする

皆がそれに気を取られている隙に
 ....
夕方。

昼過ぎから降り続いた雨は思い出したように止み
濡れたアスファルトに朝日のような夕日が射すと、
ちょっとくたびれた世界は
透きとおった群青色と鮮やかなオレンジ色の輝きで覆われる。
 ....
雨の音が聴こえるので
ベランダに出てみたら
一面の星空で
雨なんか
一滴も降っていない

稲妻のように
乾いた荒野のイメージが
瞼の裏側に投影されて
見たことのない色で光る太陽が
 ....
夜のてっぺんに貼りついた
白く滲んだ月が
匂い立つような美しい夜

今夜もまたあたりまえのように
誰もが
それぞれの生を生き
それぞれの死を死んでいく

いま
ここでおれが生きてい ....
未有花さんの大覚アキラさんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
猫のいる部屋- 大覚アキ ...自由詩814-2-13
×××- 大覚アキ ...自由詩8+08-6-24
腐った野苺- 大覚アキ ...自由詩808-3-14
- 大覚アキ ...自由詩708-3-4
希望- 大覚アキ ...自由詩2608-1-16
言葉を見たか- 大覚アキ ...自由詩1607-12-28
レイン- 大覚アキ ...自由詩407-11-6
プレイ- 大覚アキ ...自由詩507-10-31
おやすみ- 大覚アキ ...自由詩5*07-10-5
猿は彗星にまたがって笑う- 大覚アキ ...自由詩1307-8-29
regret- 大覚アキ ...未詩・独白407-8-27
ぼくたちが童貞だったころ- 大覚アキ ...自由詩807-8-10
ひかりかがやく涎の海をこえて- 大覚アキ ...自由詩407-5-15
さびしさについて- 大覚アキ ...未詩・独白907-4-13
ウルトラブルー- 大覚アキ ...自由詩707-3-20
コンビニまで- 大覚アキ ...自由詩607-3-11
花葬- 大覚アキ ...自由詩407-3-7
トミノ- 大覚アキ ...自由詩606-11-29
beyond_the_words- 大覚アキ ...自由詩806-11-8
桃泥棒- 大覚アキ ...自由詩506-10-13
表面張力- 大覚アキ ...自由詩706-10-12
パロ・デ・ジュビア- 大覚アキ ...自由詩6*06-9-5
美しい夜に- 大覚アキ ...自由詩206-8-25

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