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今日かぎり歌わじと思う心にはなにものもなしさらさらと水 声高に客呼ぶ声に客は無く
山の如くに蟹を売る店

降りそうな空を支へて木蓮は
仁和寺の庭に煙るごと咲く

尼寺はどうだんつうじに囲まれて
静かな一角春陽をまとふ

雑踏はめっきり ....
サンダルの指さき焼いて終わる夏
    さわぐ波音遠くに聞いて


誰もいないパラソル揺れて砂浜に
    思い出さえも続くスナップ


飲み干したカルピスウォーター氷だけ
     ....
七色をくりやのサッシに散りばめて
夕陽は秋の入日を急ぐ

絵の具にてぬりしか如き文鳥の
若草色の胸毛がふるふ

喧噪の巷を逃れ花野ゆく
嵯峨の小径は露しとどなり

その名もて紫式 ....
草市に うみほほづきを購いて
海の味する遠き幼日

朝ごとにくぐもり啼ける鳩の声
故里に啼く森を想えり

西陽射す路に日課の水をまく
秋めきし風に虹たてながら

白白と待宵月は行き来 ....
不可思議と呼び捨てるにはまだ早い
猫の目うるる、美しいよる


いくすじも星をえがいてよるが降る
ふたつ並んで揺られあう尾に



滅びても興り続けた王国をたどり違える満月の ....
それぞれの皿に苺を盛り分けて
嫁ぎし娘の数も入れおり

盛装の娘の席は遠く しばたたく
目にぼやけゆく宴の席に

夕食の時どき夫は嫁きし娘の
空席言いて酒を呑みほす

月を取れ星 ....
「北大路 京介くん」と 紹介し

「彼氏じゃないの いいお友達」
リフトより若狭の海を見渡しつ
子等たち如何にと思い出したり

咲き残るカンナの花をめぐらせて
淡路の一角家の明るみ
(銀婚式の旅紀州へ元日 昭和四十九年一月)

吊革に背伸びして背伸びし ....
夜を覚めて雨音に肌の潤えり
冬の旱に満ちて心良し

霜などは年中知らぬと紀州路は
オランダ豌豆 冬花盛り

サルビヤの花立ち枯れて残る紅
紀州路を行く旅の実感

それぞれに旗を揚 ....
目の前の妖しき影にいぶかりしも
あげ羽蝶なり思はず和む

家毀ち空地となりて草萌ゆる
中に蒲公英艶やかに咲く

北山は吹雪と見えて霞みゐる
吾が行く川辺 陽は燦燦と

山茶花の花 ....
芝草の緑一雨ごとに伸び
犬と行く道 青く広がる

街路樹の高き梢に銀杏の
黄金に熟して風をはらめり

玉葱を吊して土用の暑にこもる
風吹くらしき つるバラゆるる

純白の酔芙蓉咲 ....
洗剤より生れしシャボン玉の遊泳を
掬えば窓に にげる虹色

シャボン玉掬はむ姿勢 すかされて
運動神経 鈍る年かと

俄か雨に荷物ぬらして声もなく
ちり紙交換 信号に止まる

 ....
草あかり部屋の中までたちてくる盛りゆく
飯も腕も染まれり
       (嵯峨花の家)

行きあたる程に飛び交ふ黒き蝶
幻想めきし庭に立ちたり
          (嵯峨花の家)

 ....
長雨の晴れておちこち競ふごと干し物
ひらめく冬空の下

おしどりが小さき雨の波紋消し
みどりに染みし池をめぐれる
            (苔寺にて)

花冷えの椿の寺はひっそりと五色の ....
草あざみ風はどこへと吹くのやら
    一人の道に時は惑いて


くちづけはブーゲンビリアあかあかと
    見つめる瞳にしずむ太陽


透きとおる{ルビ項=うなじ}をみせて{ルビ月見 ....
会話なし ずうっと見てる窓の外 地下鉄なのに 地下鉄なのに 里芋の葉に露玉を宿らせて
風も光りて土用に入る日

身体ごとゆるるが如き北山の
杉のみどりが視野に広がる

微熱ある夜を目覚むれば
枕辺に誰がつけくれしか蚊取香匂ふ

熱湯の ....
{引用=月日に添へて時の花咲き
前の花のいといみじふ美しき
おぼろなりて花の匂ひを忘る
あやめの花もまた同じなり

時の移ろひとはかくのごとくと
定めを知るなり}

花あやめ消えゆく色 ....
ストーブの上に煮つまる匂いして
今宵は独り本に寄りゐる

支えゐる心重しと思ふ午後
陽ざしがいつか雪となりゐし

いやされし言葉を胸にあたためて
ショールに頬を埋めて帰る

 ....
驟雨きて あわてて上る物干に
後より夫も手助けにくる

クレーンにて運び込まれし銀杏の木
菰に巻かれて道に横たふ

北山は時雨るるらしく雲たれて
行く手に燕低く飛び交う
散歩より帰りし犬の足を拭く
吾が顔のぞき されるがままに

くちなしの{ルビ香=かおり}ただよう くりやべに
千日紅の赤が寄り添う
短冊の白まぶしくて愛の字を書けないままに無地で結んだ


黄色がいい君が選んだ一枚は願いじゃなくて歌をつづろう


霧雨に耐える紙縒(こより)が話さない青の祈りは「海にあいたい」
 ....
バス降りて 草むら行けば足もとに
稲穂ゆるがし イナゴ飛び立つ

秋雨のやうやく上りし宵の月
ジャンケンをして大人賑やか

耳もとに娘がつぶやきぬ生え際の
薄くなりしと夫のことをば
 ....
花選び散散迷いて りんどうと
決めて俄かに秋をさみしむ

帰り来し子にぞ言はれて屋上に
上りて見れば満月清し

木犀の匂へる塀に沿ひ行きて
訪ぬる家を過ぎしも知らず

野生美の紫 ....
冷房のつよきビルより出でてきて
鋪道の照りは肌にほどよし

寝袋を肩に出て行く子等のあと
逝く夏の風追いかけてゆく

留守宅の犬に餌やる三日目を
信頼しきる犬の目と合ふ

矢 ....
無言にて薔薇一枚を差出され
祈りの如きさまに受け取る

抱え持つ洗濯物の子のズボン
ポケットに鳴るは はだか銭らし

かきつばた あやめか しょうぶと論じつつ
床几に寄りて賑はふ ....
扁桃腺腫らして臥せる吾が側に
苺食みつつ子等は饒舌

もの煮ゆる音も親しき独り居の
夜は気ままに猫の相手す

鄙びたる里を吹く風 豌豆の
からめる蔓をゆさぶりて過ぐ

くせのある ....
  宇治橋

夕霧にかすみつ渡る面影に
露けき花の色が重なる―――

  観月橋

しめやかに
欠け満たされぬ夕月の
心を以ってなぞる君の名

   ....
透き通るガラスの惑い指でなぞり
    雨をみていた心おちいて


白い足走り去る朝つかのまの
    雨をみていた虹を待つまま


紫陽花の肌の静けさこぼれゆく
    雨をみてい ....
未有花さんの短歌おすすめリスト(171)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
今日かぎり・・・- 生田 稔短歌807-8-23
56P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-8-21
さよならの砂- 石瀬琳々短歌8*07-8-18
55P_「短歌2」より- むさこ短歌4*07-8-15
54P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-8-12
◆美しいよる- 千波 一 ...短歌17*07-8-1
50P_「短歌2」より〜_嫁ぎゆく娘- むさこ短歌9*07-7-31
彼女が僕を紹介します- 北大路京 ...短歌9*07-7-30
48P_「短歌2」より〜47歳の頃(銀婚式)__etc- むさこ短歌5*07-7-29
46P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-7-27
43P_「短歌2」より- むさこ短歌5*07-7-25
42P_「短歌2」より- むさこ短歌9*07-7-24
41P_「短歌2」より- むさこ短歌10*07-7-24
40P_「短歌2」より_〜嵯峨花の家_etc- むさこ短歌8*07-7-22
39P_「短歌2」より__〜苔寺、椿寺_etc- むさこ短歌9*07-7-22
花言葉Ⅳ- 石瀬琳々短歌17*07-7-20
あんあんだーぐらうんど- 北大路京 ...短歌10*07-7-18
33P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-7-14
あやめ_★古語の宴_参加作品_★- ぽえむ君短歌6*07-7-13
31P_「短歌2」より- むさこ短歌9*07-7-11
30P_「短歌2」より- むさこ短歌6*07-7-10
平成十九年七月六日_十八時八分- むさこ短歌9*07-7-8
ごしきの短冊- Rin K短歌31*07-7-8
27P_「短歌2」より- むさこ短歌11*07-6-29
26P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-6-28
25P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-6-26
24P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-6-25
22P_「短歌2」より- むさこ短歌16*07-6-23
京都八ツ橋- Rin K短歌35+*07-6-23
雨をみていた- 石瀬琳々短歌17*07-6-22

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