すべてのおすすめ
さわやかとはなにか
やさしいのは春か
掃除機のきゅいーんが
許してくれるなら
行けばいいのですよ
さみしくなんかない
お空の飛行機が
落ちてしまうのなら
苦しくはな ....
ぬるい風にたなびいた
四月の濃淡とくもり空
街にはみどりの幽霊が
夏への影を蓄えている
坂道を駅へと下る
君は春に近い夏に通う
バスに追い抜かれ
身を小さ ....
頭が少々重く
風邪気味であったので
目覚まし時計をかけずに
ゆっくりと眠ることにした
そのままうっかり百年間眠ってしまった
百年後の人類は
ファッションや顔色が少しおかしくなっただ ....
ぼんやりとした光が
畑を一面に降り注いでいます
真っ赤な郵便局のバイクが
畑の中を通り過ぎて行きます
なんだか春らしい
道の草が風で揺れています
ゆるやかに道が曲がっています
雀が私 ....
私は元来
無口な男でありまして
うっかり、思慮深く思われがちですが
それは、本心を秘めている
というより、むしろ
現すタイミングを計れない
どうにも不器用な人間なのです
何か言わ ....
きみの魚にふれたくて
えら呼吸を切望したら
肺が痛んだ
朝への開口を防ぐように
その
呼吸のひとつ
くちびるを
置いていく
きみの鳥をとびたくて
背中にそらを作ったら
煙に ....
人は屋根をつくった
雨から家族を守らなければならない
自らの肉体を守らなければならない
濡れてはならない
濡らしてはならない
壁も柱もつくることを忘れ
屋根だけがどこまでも広がっていった
....
19歳の
尽きる気がしない
かいわ
わらいごえ
めせん
の
森のなかで
こういうものさ
と
オオカミがおなかをさする
その
おなかのなかで
こういうものなのかしら
と ....
2丁目の私
2丁目の私はその時恋をしていた
2丁目の私が恋していた彼は
その時3丁目に住んでいた
比べて3つ秀でていたことがあった
その3つとは
年齢と、お酒の ....
山奥の一軒の家のために
立てられた電柱は
その家に誰も住まなくなってからも
一人で立っていた
電線はつながっていたが
電気が流れることはもう期待できない
電柱は昔を思い出した
まだそ ....
脱税しました
空は晴れていました
脱税したお金で
スポーツカーを買いました
お金が足りないので
模型のスポーツカーでした
海の近くでした
風に匂いがありました
一輪車が得意でした
上 ....
こくどうぞいの
みんかの
せまい
げんかんさきに
すいそうが
ほうちされている
あまみずがたまり
みずは
じょうおんのまま
やはり
ほうちされている
かつて
そのなかには
ち ....
窓際の花瓶に挿した花を想うと
降る雨の着水点はまあるくて
本当にまあるくて
揺れる心も
みずたまりの世界の中だけでも
空から降る生命の一滴
内側からでしょうか
包まれたいと
願う湿 ....
僕は夜遅く ドラマチックレコードを聴く
布団の中に潜りながら涙を流す
あの頃の記憶が蘇ってくる
僕の膨張した心を絞り出して涙が出てくる
雨に沈んだ森
僕は君の作ってくれた様々な布 ....
仕事ばかりしていると
季節を知るどころではない
ネットで世界のすべてを
知ったような顔していても
お得意さんと話して
業界のすべてを
知ったような顔していても
僕はなにひとつ
わか ....
暖かな夕焼けを背負って
私は昨日を歩いている
土手の草陰に置き去りのボールと
空に絡まる電線
川の水は流れているようにも
流れていないようにも見える
背中を温める夕焼けが
実 ....
こんにちは
今日はいつもの場所を離れ
空間を漂っています
あなたは何事もはっきりさせたいタイプですか?
私はわりとグレーな部分はグレーでも
ピンクでもブルーでも
青紫でも
実 ....
コーヒーとミルクを混ぜると
カフェ・オ・レになる
コーヒーだけでは味わえない
ミルクだけでも味わえない
おいしい飲み物になる
カフェ・オ・レを
コーヒーとミルクに分けるには
化学 ....
まとわりついてくる光の粒を
まとわりつくまま歩き出せば
光はしびれをきらしたように
ぽつりぽつりとうたいはじめる
ああもうこんなに沈んでいたのか
足を持ち上げ
足のかたちが ....
太陽 なのか?
がのぼったまんまだ
もう ずっと
ぐっしょりと潤んで
乾かして
からからに
ぼくらを
見上げない
滅多にぼくは
ちかごろ
....
シロイ、
がたくさん
シロイがたくさん
かさなっていて
シロイのむこうに
エイエンがあって
エイエンが
ケハイを
ころしながら
....
北アメリカの森林地帯に生息するアメリカクロクマ達は今日もそよ風に吹かれながら何かを聞いている
みんなが春の陽気に包まれて 幸せに暮らしている
アメリカクロクマ達は余計な分の餌を獲らない 大自 ....
はざくらがきれいだった
るうとのけいさんはいつも
にがてだった
すしやにかくまわれてる
ごうとうのせんたくものにも
すずしいかぜがふいた
+
ははに
るびいをかってあげた
に ....
ときにはシリアス 世話を焼く
戦うアキレス 夢を抱く
つきまとうタナトス 容赦なく
出番ならオーラス 舌を巻く
交差点は いろんな罪がぶつかる場所で
運命も事故も乱れてる
An ....
うふふ、と笑う女、
と、わはは、と笑う男、
の横を通る、音漏れの激しいヘッドフォンで、爆音のハードロックを聴く男、
を睨みながら、忙しい忙しい、と言い訳する初老の男、
に目もくれず、公園で、き ....
とりが
わたしをねむり
わたしが
とりをねむる
しんや
ばすか
とらっくか
おおきなくるま
のようなものが
いえのまえを
はしっていった
とりや
わたしが
めをさましたりゆう ....
ガラスの向こうで眠る
ぬいぐるみみたいな子猫ちゃん
自分のものにならないとわかると
途端に欲しくてたまらなくなります
好きよ
スキスキ
ギュッってして
チュッってして
あと他に ....
朝の光が まぶしすぎて きらめいてて 眼が痛い
夢の続きを 見られなくて あくびひとつ
時計の針が 進んでない 止まっている 電池切れ
時の流れを 感じぬまま 顔を洗う
忙しい暮らしに ....
あなたが
この頃やさしいのは
何か企みがあるのかと
首を傾げていましたが
いま、この橋にたたずんで
ようやく気がつきました
もう
春なのですね
欄干にもたれて
あなたの
い ....
人間になったときに
長いしっぽは捨てたはずだったが
ゆうべまた失くしたので
蜥蜴になろうと決心した
体が楽になったのは
まっすぐで生きられるからだろう
背中が陽に染 ....
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