すべてのおすすめ
◇暮れ

年が暮れる
暗い時代の予兆は
そのままに

初日は
それらを
もろに背負つて
出てくるだらう


◇木にぶつかれば

蝸牛は彼なりの歩みを
何昼夜もつづけて
 ....
湖心から湖畔へと

一艘の無人の白いボートが

静々と漂つて来る

寄せくる波に身を委ねて

従順な驢馬のやうに

いつたい何を乗せるつもりなのだらう

あるいは誰を
 ....
◇尾瀬ケ原


虹に遇ふ

もつとも

さやかなるときに



◇車窓より


白鷺は立つ

点々と



四、五枚の

刈り田に

一羽



 ....
カモメは海沿いの線路上を飛んでいる
超低空で
軌道をいささかも外れることなく


線路は間もなく
海を逸れて山間へ入る
線路に添うか
海に添うか
カモメにとっての岐路だ


カ ....
一粒の雨が傘に弾いて
百匹の蛙になった
百粒弾いて
一万匹の蛙になった

一万匹は
すぐさま姿をくらまして
それっきり雨は止んでしまったから
微かに地面の濡れたところが
 ....
電車が大都市のビル群を

抜け出すと同時に

車内に閃光が走った

乗客はすわ核爆発と

その場に伏せ 

椅子の陰に身を隠した



しかし十人ほどは

 ....
旅先の田舎のベンチで
君の名前を見つけたよ 
夏子
いつたい誰が 断りもなしに
君の名前を書きつけたりしたんだ

(こんな色褪せた おんぼろベンチの
背凭れに 乱暴な稚拙な字で  ....
なぜ湖がよいのか

一望にできる姿をしてゐるから

瞳のやうに澄んでゐるから

四囲の風景をとかして

もう一つの世界をつくつてゐるから

おそらくそれら諸相に根ざして
 ....
ママが死んだの
私が高校を卒業して間もなく
ママが死んだの
ママと二人だけで生きてきたのに
そのママがこの世からいなくなってしまったの

ママはパパのことを私に教えてくれなかった
私 ....
◇光


雪山には

光が爆発してゐる

人影はなく

光の爆発はつづいてゐる


◇粉雪


粉雪がさらつてゆくものは

甘い想ひ出と

酩酊

ちりち ....
市場通りに一尾の魚が落ちてゐる
眼は赤く悲しげに潤み
視線を曇天へと彷徨はせる
そして
路面についたもう一方の眼は
闇の地の深みを透視してゐる

魚は期せずして
天国と地獄を
同 ....
―冬が来る前に一同集って
旧交をあたためようぜ―

Zからこんな招待状が舞い込んで
まあ、行ってみるか くらいの気持ちで
出かけていった
Zは中学時代の番長で
苛めっ子だった
俺はいつ ....
 これは特定の人を指して書いたものではありません。
私たちの周りにはある日、それこそ不意に姿を消してし
まう人がけっこう多いのではないでしょうか。この現代
詩フォーラムでも、気振りにも見せずにい ....
◇コスモス


炭鉱の閉山跡を

コスモスが埋め尽くして


炭鉱夫の青春が還つてきた

背景はあまねく

コスモスと青空



◇金魚


金魚は

いくら ....
緑濃い{ルビ山陰=やまかげ}から
ひらりと紋白蝶がさまよひ出た
断崖の下は海の群青
湧き上がるすでに夏とはいへぬ
冷ややかな風を器用に避けつつ
蝶は陸に沿つて舞ひはじめる
波打ち際には
 ....
来る日も来る日も
欲しいだけの陽は降り注ぎ
水の恵みも充分受けてはゐたが
代はり映えのしない日々に
嫌気がさして
葉叢のなかの一枚が
ある日 ひらりと裏返つた

―決して気紛れでは ....
毬栗が黄緑色に膨らんで

山の稜線を彩つてゐる

棘の一本一本は張りつめても

刺々しさはなく

光と風と大気に丸く包み込まれて

和んでさへゐる

さうしてなほも ....
野道をアヒルが腰を振り振り歩いていた
前方に蛇が長々と寝そべっている
アヒルは気味悪がって
引き返そうか
進もうかとひとしきり思案して
結局
蛇を遠回りに避けていく
重たい腰振り ....
それは自然のなせる業にはちがひないが

梢からまつすぐ

命中するやうに頭に降つてきた木の実

重たく硬い木の実


何か不当な打擲を受けたやうで

穏やかではなかつ ....
浴室に腰掛けて身体を洗っていると
虫の声が
地面を敷き詰めるように湧きあがって
ワッショイワッショイ
ジーンリージーンリー
私を神輿にかついでいるつもりらしいのだ
それならこちらも ....
 

街の猛犬が
路地猫を追ひかける
猫の尻尾に
口が届くばかりに接近した
その時
目の前を
轟然と特急電車がやつてきた
あはや犬は立止り
猫はそのまま行つた

犬の前を
唸 ....
 

落ち葉の中に
紛れ込んだスズメは
保護色の枯葉を
ホームグラウンドとして
はしやぎ回つてゐる


いくら喚いても
掻き鳴らされる
落ち葉の
大仰な音には
自分の声すら聞 ....
◇雁

ビルの間を

雁が渡る

窓からいくら叫んでも

届かない

天上の

賑はひをもつて



◇火口湖



火口湖に

白鳥がひとつ

燃えて ....
蒸気機関車は白い煙を吐き
山間に入つて行つた
当初は白煙もにじみ
汽笛も木霊して
ああ あの辺りを喘いで行くな
と安心させたが
程なく それもなりを潜めて
山は静まり返り
もう蒸気 ....
 あなたの瞳に映っている森が

 あまりにも美しく澄んでいたから

 僕はあなたの瞳を押し開いて

 中へ入っていった

 あなたは目の前にいた僕を見失って

 慌てふためいている ....
 真昼の田舎道に

 裸電球がひとつ

 ぽつんと灯っていた



 こんなところに

 こんなものをぶら下げた奴は誰だ!

 裸電球は

 太陽と競うようについてい ....
kazさんの杉菜 晃さんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
小詩集__日は出づ__暗き予兆のまま- 杉菜 晃自由詩2007-1-2
ボート- 杉菜 晃自由詩15*06-12-7
小詩集__雪の扉- 杉菜 晃自由詩15*06-12-4
一羽のカモメ- 杉菜 晃自由詩15*06-11-28
夕日のマフラー- 杉菜 晃未詩・独白15*06-11-22
閃光- 杉菜 晃未詩・独白7*06-11-21
売れつ子になつた夏子- 杉菜 晃自由詩18*06-11-18
静けき時間- 杉菜 晃自由詩11*06-11-17
ある少女の独白- 杉菜 晃自由詩15*06-11-15
光_・__粉雪_・_蟻_・_・_・- 杉菜 晃自由詩15*06-11-11
路上- 杉菜 晃自由詩14*06-11-9
太陽が喋った- 杉菜 晃自由詩9*06-11-5
消えてしまったひと- 杉菜 晃自由詩6*06-11-2
コスモス_金魚__・・・・・- 杉菜 晃自由詩13*06-10-29
白い旗_夏の終はりの海岸線- 杉菜 晃自由詩14*06-10-27
気紛れではなしに- 杉菜 晃自由詩15*06-10-25
山栗- 杉菜 晃自由詩14*06-10-23
アヒル謳歌- 杉菜 晃未詩・独白9*06-10-19
頭に弾いた木の実について- 杉菜 晃自由詩12*06-10-14
裸の大将- 杉菜 晃自由詩10*06-10-12
路地猫- 杉菜 晃自由詩6*06-10-12
スズメ狂想曲- 杉菜 晃自由詩9*06-10-9
雁__火口湖__山肌__他_・・・- 杉菜 晃自由詩12*06-10-5
山間- 杉菜 晃自由詩8*06-9-27
深く森の中へ- 杉菜 晃自由詩12*06-5-31
裸電球- 杉菜 晃自由詩5*06-5-28

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する