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ひからびたからだと
ひらかれたからだとで
だらだらと抱き合ううちに
汗ではないものが流れ出た
かなしくはないのだが
うれしくもないままに
むなしさだけがわいてきた
背中で虫がつぶれて ....
私の住んでいる部屋の窓にはガラスがなく
ところどころ破れたカーテンと蜘蛛の巣が同居している
それらをすり抜けて虫が来る
上半身裸で寝ている私を食いに来る
寝返りで死んでしまう間抜けな奴もい ....
ドガは悩んでいた
 俺も詩ぃ書いてみたいんやけど
 なんかこう、湧いてけえへん
 インスピレーションっちゅうのかな、ようわかれへん
と、マラルメに相談した

マラルメはなめらかに答えた
 ....
君は僕の貸した小説
『楢山節考』
『田紳有楽・空気頭』
『北回帰線』を
一ページも読もうとはしなかったね

君は僕の貸した詩集と句集
『山之口貘詩集』
『夜のミッキー・マウス』
『西 ....
洒落たカフェを借り切って開かれた
長い付き合いになる友人の結婚披露宴の席で
禁酒中のチナスキーは溜め息をついている
生ハムをかじっては水を飲む

祝辞を読んだ
新郎との付き合いの年数を数え ....
カラメル岬に家を建てて住んでいる
からまる君のもとに
こんがり山からとんがり君が逃げ出してきた
住んでいた山が焼けてしまったのだと
黒焦げになってもう帰れないのだと訴えてきた
からまる君 ....
「宝くじ当たったんでここ辞めます」
山下がそう言った時
またいつものような嘘だと思った
だけど本当に次の日から
山下は工場に来なくなった
電話にも出なくなった

「彼女が出来ました」も
 ....
一億年後も愛してるとかどうとか
気の長い話を歌いながら
家の前を中年の酔っぱらいが通っていった
一億年後のことなんてうまく想像出来ない僕は
一億年前のことを考えようとした

一億年前に ....
日曜の朝の公園にて
一人で三角ベースをやってみた

透明ピッチャーが投げた透明ボールを
透明打席に立つ僕が
透明バットで打ち返す
透明打球は透明セカンドの頭を越して
外野に点々と転が ....
「悲しい」と女が言うので
僕が代わりにに泣いてやった

「故郷へ帰りたい」と女が言うので
僕が一人で女の実家を訪ねてやった

「子供を産みたい」と女が言うので
僕が代わりに産んでやった
 ....
結城 森士さんの楢山孝介さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
むなしき熱帯- 楢山孝介自由詩208-8-16
ゆれる- 楢山孝介自由詩2*08-7-15
ドガガガガ- 楢山孝介自由詩2*07-10-14
読書と恋愛- 楢山孝介自由詩6*07-10-3
いいから酔えよ、チナスキー- 楢山孝介自由詩7*07-9-14
カラメル岬にて- 楢山孝介自由詩6*07-7-1
フライング山下- 楢山孝介自由詩19*07-6-23
もうすぐ六億歳の妻- 楢山孝介自由詩11*07-6-13
全員透明三角ベース- 楢山孝介自由詩3*07-5-14
馬鹿な風- 楢山孝介自由詩10*07-4-9

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