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猫が転ぶとき
そこには道路と猫とわたしがあって
あたかもおのおの一番遠いもの同士のよう

二月にふる雪はぴらぴらとして細かく
手のひらにのせるまもなくとけ消えてしまう
ひとひらひとひら ....
腰のつけ根あたり
すこしくぼんだところへ
くちづけが残ってしまって
あなたのことばかり考えている

雨だれが石を穿つように
すこしずつ気持はこぼれて
いつかこの星を壊すだろう
あまいパンはやわらかい
やわらかい朝は白く
白い夜は夜

いつものように
ばかな嘘を見破って
空へ穴をあけてください

空へ穴をあけて
飛べなかった鳥が
最後の一羽まで
逃げ ....
いいよ
わからないでいてあげる

まつ毛の角度や
飲み干されなかったコーヒー
長いまま燃えつきる煙草
いつもと違う靴

あたらしいゲーム
みたいに
わからないでいてあげるよ

 ....
大きな窓のしたで
セックスをしましょう
往来へでて
人殺しをしましょうか
それとも
花壇に種をまきましょうか

笛を吹きましょうか
肉を焼きましょうか
もうすこしここにいましょう ....
蟻を奥歯でかみつぶし
くるぶしを白くいじめていた

ここにはなにもない

あまりに寒く
はく息を凍らせて
楽器のように鳴らしている

見たことのない誰かの部屋の窓が
すこし
 ....
火のない部屋のなかに
あなたをさがしている
茶色く終わった時間がころがっている

あの日
海には
六羽の白いからすが
まるく座っていたそうだ

傷口は凍るので
わたしたちはまだ ....
耳が痛い

あなたが言うので
のぞきこんだ

産毛に抱かれるように
あなたの
恋人からの言葉がひかっている

それを持ち帰り
窓辺においてやると
いよいよ優しげにひかってい ....
なにひとつ最後までは
寄りそいきれなかったわたしに
あなたがいつものように笑いかけるとき
許しが
どれほど無意味なことかを知ります

あらゆるものが
どれほど無意味なことかを

 ....
いるのは
さよなら
だけだったね

人だらけのまちで
風が倒れるのを
ひたすらにまっていた

そして
ようやく出あった
ふたりに
のこっているのはもう
さよならだけだったね
 ....
人を
ただしい場面で
ただしい順序で
ただしい角度に
揺すると
泣く

そのただしさを
習得することを
愛とか技とか
呼ぶ人びとを
軽蔑し
憎んでいるわたしも

ただしい角 ....
ねむる人から
わずかに死がにおっている

うなじにくちびるをつけ
愛してやると
その背中に
にじむように命が動いている

ねむる人よ
安らかに
いまは死のふちをなぞっておいで
ほかでもないあなたと
どうしようもなくなりたい
雨の日に雨だれを数えながら飢えていくのもいいし
乾いた日に蟻をつかまえて拷問するのもいい
湿った毛布のなかで賞味期限の切れたひき肉みたいに絡 ....
誰もいない
重ねる手も
合わせる膝も

誰もいない
目をとじても
ひらいても

波さえ
だんだん遠のいて

かわいたページを繰るように
日がしゅんと消えていった

誰も ....
真夏だが雪の降る日である。こんな日に足湯へゆこうと誰ともなく言い出すのはしごく真っ当、ふだんは気難しい祖母までもが電話を寄越して「足湯かねこんな日は」とめずらしく意見をそろえてきている。
「冬の靴下 ....
みて
水曜日が
からからに
干上がっている

じょうずに染まってみても
ここには誰もこない
鳴るように
色付いて
はばたくように
ふれあう

それは
ひどく
不器用な鳥たちが
抱きあい
落下する 夕暮れ
谷底に
毛布を敷いて
300日まえの
ことばを聞いている

気の遠くなる
甘やかさのなかで
遺書のような
うたを編んだ
こころが
あまりに泳ぐので
からだは
すっかりさかなのようになった

くらやみで
もの見えず
熱のほうへと泳ぐこころに

からだは
ぴったりよりそい
もとめるものをもとめてい ....
とくべつかたい
ピスタチオのからは
男の子に剥いてもらうべき
力みながらも丁寧な
あかく膨張する指さき

そんなふうに
やわらかい衣服もおんなじように
色っぽく剥けばいいって思って ....
みじかい夜がおわって
きょうがはじまると
君のてのひらがすこししめってくる
青いような赤いような
夜あけまえ

だんだんとあかるくなってくる
あれは
かきあつめた命が
燃えるから
 ....
死にたい日に
いちばんすきな靴したを履いて
興味のないパーティーへでかける

足首に
ほそいロザリオをつけた男に抱かれたら
こころとからだがはぐれた

音が鳴っていて
とても静か ....
さみだれは
あっという間に
食いつくされてしまった

季節の名のつくものは
だいたいひとがむらがって
食いつくしてしまった

けれども
初夏
涼しくわらう目元に
わずかに残さ ....
言うべきことは
みんな言ってしまった

あげるものも
みんなあげてしまった

ま上では
曇天が
甘ったるく
張りさけている

見あげても
見さげても
灰色がつづく
久しぶりの雨が、何粒も何粒も、朝から夜中のいままで、つめたく道路をぬらしている。照らされるアスファルト。フィンガーチョコレートの包み紙によく似ている。静かで、しわくちゃで、でもしっかりと厚みのある。吹 .... 死にかけの卵を袂に温めて知らない男に強く抱かれる からからにかわいた猫とはす向かいぬるくて不味いビールを開ける

背伸びして届かない空、 十二月、とり残された犬はびしょびしょ
宙返りしてみても秋深まらず

空腹に飴をあてがう午前2時

鈴虫よ鳴くは勝手、泣き止むな
さんかくにだまって座っているそこの不安ちゃんたちこっちおいでよ

どれぐらいさみしかったら死ぬかなと観察しているなかなか死なない

諦念はナプキンにくるみデパートの女子トイレへと捨ててきま ....
かわいた雨がはりついて
ふるいノートは空のまま
そろえた靴をふみつけて
はだしの猫がおどるよる
ならんだ星のまんなかで
ちいさな夢がもえつきる
北大路京介さんのはるなさんおすすめリスト(60)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雪だよ- はるな自由詩613-2-24
雨だれ- はるな自由詩7*13-2-19
見やぶる- はるな自由詩613-2-2
白い- はるな自由詩1113-1-18
とてもいいところ- はるな自由詩1013-1-10
- はるな自由詩512-12-29
火のない部屋- はるな自由詩1012-12-10
- はるな自由詩812-11-15
地平- はるな自由詩812-10-7
たおれる- はるな自由詩212-9-27
ゆらす- はるな自由詩2412-9-23
ねむる人- はるな自由詩812-9-19
- はるな自由詩1212-9-16
誰も- はるな自由詩812-9-16
真夏の雪、地蔵骨峠の夢- はるな散文(批評 ...312-9-4
からから- はるな自由詩712-8-15
(____________)- はるな自由詩612-8-10
谷底- はるな自由詩812-7-27
さかな- はるな自由詩612-7-22
ナッツ・ケーキ- はるな自由詩812-7-16
夜あけ- はるな自由詩2312-6-21
はぐれる- はるな自由詩1012-5-24
けれども初夏- はるな自由詩912-5-13
曇天- はるな自由詩712-3-16
雨のこととチョコレートのこと- はるな散文(批評 ...412-1-20
つよく抱かれる- はるな短歌212-1-16
猫と犬- はるな短歌411-12-10
宙返り- はるな川柳411-10-21
不安ちゃん- はるな短歌211-9-29
- はるな自由詩310-12-2

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