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ひらひらときいろいイチョウが日を反射いねむりできない{ルビ理由=わけ}がわかった
言葉なく歩き続けるふたりにはたかーい空に消える足音
くしゃくしゃと音をならしてできあがる風がつくっ ....
ねえ、あたしに指輪をひとつちょうだいよ愛なんてこもんないでいいから。
赤い階段の赤いコンクリートに溜まった水に映る青空
偽物でいいから見せてよ満天の星空場所はプラネタリウム
長く ....
軍艦の現れて消ゆ
満載の雲丹もとろけて
跡形もなし
{引用= ※雲丹(うに)}
初出「LBS」二〇〇八年六月
こんなにも冷酷ですか青春は
アクセルふかす右手に雨が
風葬の乾く素顔に痛む風
友よ世間は残酷ですか?
何を指して倫ならずと呼ぶのやら 今はあなたの乳吸うばかり
ラブホ出て逆方向に去るふたり 振り向く男 振り向かぬ女
男などいらぬと笑うプリマドンナ 今日も酒場でディーヴァをくどく
飲み ....
雪解けて東京くしゃみやかましく
春さえ逃げ出すこの始末なり
ひとひらのひとことひとはだのいきをふきこみてんにかえすゆきのひに。
ゆくもゆかぬもかわらぬけれどてのひらにつもるきみあめへとかえる。
こおりつくよびつづ ....
もういいよ 判るよ十分 物語る
連絡来ない 時の 分ほど
ここまでが皮膚ここからは粘膜と褥にて解剖学の夜
ゆらゆらと灯籠廻るわたくしと死者とを分かつべく廻りたり
世界中で僕が一人になるまでは椅子取ゲームの音楽はやまない
眠りたるをんなを残 ....
ペンギンの求愛よりも美しく 季節はずれの半そでの君
マフラーの巻き方すこし横着で 君の名を呼ぶ朝のただいま
ヘンな角度の頬づえで秋の夜の作戦会議 恋をしている
....
紫陽花に魅入っていたら置いてかれ 独りぽっちの雨の放課後
雨蛙ぴょんぴょん跳ねて彼方へと 愛するヒトを探しに行った
雨上がり黄昏どきの葉の雫 きらきらきらと光を放つ
電車過ぎやがて月食はじまりぬ夜風静かにうぶ毛を揺らす
噴水も止まり後には静寂と夢なきわれの影はゆらめく
他郷での海岸にでて小鳥らにここも故郷と言ひてはばかる
はなれたい
のたうつフナの
目に咲くスイレン
薬師堂から
落ちた恋人
仏壇を
焚き木にしては
新宿の
雑踏が踏む
ロータスの花
ぬばたまの
....
なにもかも終わって空をみてるだけ胸のおくから寄せてくる波
真実であることよりも上手い嘘 詩人にとって必要なのは
気がつけば 真紅の色に 葉が染まり
逝く秋を知り ただ眼をとじる
2年経ち
いまも目がいく天気予報
きみ住む町の
今日も降る雪
押入に夕闇はつと隠れてる
「もういいかい」と「まあだだよ」とで
庭先にブランコだけがゆれていて
昼のサイレン明日はとおく
陽のひかり障子にさせば心痛み
....
さよならと書けずにsayonaraと書く僕らのポエムは今日も悲しい
鼻のにきびをさっきから気にしてるあなたは僕の大切な人
誰にも食べさせないよと子牛を抱きしめ泣いた従兄弟と ....
桜散る 楊枝にさした羊羹をぷらぷらさせてベランダに春
弱さから生まれる強さを信じたら銀河鉄道追いかけて飛べ
美容院の鏡の濡れた世界にて髪と桜の競うように散る
高みから ....