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いくつものカーブを慣れたように
空港まで走るバス
世界をさえぎるような山に囲まれ
小さな集落を過ぎれば
また同じ景色が流れる
赤い絵の具をこぼしたような山
人はそれを美しいと言う
低 ....
金魚のいなくなった水槽
水だけが循環している
もともと
おしゃべりな生き物ではなかったけど
少しだけ部屋が静かになった気がするのは
名を呼びかける
右上がりの私の声
青く発光する ....
花の名前を覚えた あの日
愛しい人が指差した
ライラック
陰りゆく歩道
いまにも 雨
コンビニの駐車場
一匹の子犬
しきりにしっぽを振りながら
通り過ぎる人を見上げる
その先 ....