すべてのおすすめ
プロペラは淡くめぐり
煙を追い出す、雑木林に目をやると
(野良犬にこじ開けられた)
トタン塀の隙間から人影のような雑草が
生えていて
風が吹くと意味もなく揺れる。くすんだ
ビニールのコルセ ....
余裕、
事物としてでなく
魂の電線、
ギター。

路上に仕掛けられた
木片ーその下で
丸い火薬粒が
出番をひかえている。

役者であると同時に
観客である 少年たちは
電信柱 ....
半世紀いきながらえた海猫の、オペラ調の鳴き声。
さっきまでベンチで泣き崩れていた詐欺師の男は、
両手じゃ抱え切れないほどの花束を手に、
明かりの灯る雑踏へと消えた。そして、
通り一本隔てた向こ ....
泡立てられたクリームはベッドで寝かしつけられた子供の夢そのもの
冷ややかな時の流れ身を任す私たちに、
つかの間にしては充分過ぎるほどの温もりを与えてくれるだろう。
そうして、客の大半は棺桶まで眠 ....
 空席と指定席の区別はなかった。真夜中だった。
列車の座席の上を
紋白蝶が、泊まり歩いていた。
誰かが置き忘れた携帯電話が、
蒼冷めたシートに語りかけていた。
沈黙が発光していた。それから消 ....
架空の鋲 雨に打たれる
錆びついた工場の手すりや階段
タンクローリに描かれた落書き
めくれ上がったその名残

あるいはまた
背中を丸め 雨に濡れるままに
オンボロの自転車に乗って
工場 ....
病院玄関前に
雨上がりの路上に
いちばん風が吹いていた

折れたアンテナが 屋上で
ひとりでに揺れていた
午前5時37分、街灯が消えた

ヒューズが飛ぶように
鳥が飛び立つ
宥めす ....
          夕方、私達を驚かせたのは黒雲のような
         ムク鳥の群れだった。電線の下を歩く際には
       落ちてくる雷に気をつけなくちゃならない。
     鳥達を驚か ....
衛星カメラに映し出されたのは
列島を取り囲む工事現場の赤色灯。
そのせいあってか、今夜はとても静かです。
 ことが近づくにつれ剥がされていく、
壁に貼られた写真、枯れ葉。
壁には写真の跡が残り、太い樹の幹には、
男女の名前が彫られている。
今となってはどちらが若いか分らない。
宿り木に身を寄せる ....
 街路樹の下を黙りこくって歩く
憂いのある者や、行く当ても無い者達。
もし彼らの言うとおりの 光無き夜が来るならば、
恐る恐るであれ僕らも、その目のなかに
宿すだろう。かつて面影と呼んでいた
 ....
 一人ぼっちで 山小屋で過ごす 夜ってやつは恐ろしい。
 眠りにつくまであと少し。そこでまた再開するように
口火を切ったのは流れ星。真っ先に迎撃されたのは
真っ赤な唇―、吐き出された白い吐息は男 ....
石瀬琳々さんのプテラノドンさんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
:detour- プテラノ ...自由詩712-11-18
近所迷惑- プテラノ ...自由詩309-5-25
ウミネコ- プテラノ ...自由詩608-6-14
そして、クリームの中で血が滲む- プテラノ ...自由詩308-5-1
彼女は言った、現実ってそんなんじゃない- プテラノ ...自由詩2*08-3-26
排気音- プテラノ ...自由詩4*07-6-9
/病院玄関- プテラノ ...自由詩7*07-3-10
ムクドリ- プテラノ ...自由詩10*07-3-4
イリュミ・ネーション- プテラノ ...自由詩5*07-1-21
ランプ- プテラノ ...自由詩4*07-1-9
ブライト・アイズ- プテラノ ...自由詩3*06-12-30
「山小屋」- プテラノ ...自由詩3*06-11-23

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する