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子守歌がきこえて
野は秋色にひらけゆく
かなたを渡るひとひらの雲
古き心のなつかしさ……
夏のかたみに置き捨てられた
小さな竪琴を奏でてゐるのは
優し気にうなだれる草々 ....
耳を澄ませば年を経た森の童話。
海よりの黒い夜風に濡れて
千の天使が鳥よりもひそかな物語を囁く
打ち捨てられた古代の四月。
(狩の女神が嘘つきな鈴を鳴らし
箒星を見 ....
{引用=*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に書 ....
くらい 翼をひろげて
古い調べから とほく紡がれ
凍てついた 水を恋ふ
しづかな もの
ひとの姿を 失つた日
ひとの心を おそれた日
雪を待つ 地へと降り立ち
ひそや ....
暮れて行く秋
まつすぐな道
銀杏の葉のそよぎ
感じてごらん
たつた今うしなはれた
いくつもの命の分だけ
透けて行く風を
たつた今うまれた
いくつもの命の分だけ
....
静かさ
静かさ、といふ音があると思ひます。
秋の夜長、しをれかけた百合を見ながら
静かさに耳を傾けます。
{引用=(二〇一八年十一月八日)}
....
なにか
白い ものが
のこされて ゐる
うまれたものが
去つた そのあと に
そしてこつちを
みつめてゐる
長い午後に
時が
裏返 ....
{引用= The Evening Prayer}
だんだんみじかくなる
{ルビ滴=しづく}よりも
もうきこえません
うけとつてく ....