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油絵の夜を逃げ出した。
すっかり晴れた気分だが
本物の太陽少し眩しくて
早速蕩けてしまいそう。
憧れた世界。
これが案外広いんだ。
憧れの在処は意外に遠いから
君に手紙を書くよ。
....
水面は、奪われた。
溺れることはない。
浮かび上がる魚の眼が空を泳ぐ。
それは白く、美しい、魚だった。
私の水面は、奪われた。
月はつぎはぎだらけ。
縫いつけられて笑ってる。
眠 ....
夜の街 爛れた皮膚に
舐めまわす猫の舌
黒ずんだ河 溺れ回る星々の
虚しさを大声で叫ぶ
ノートの上
無数の赤い虫を
叩き潰して書きなぐる
夢見心地 愛の詩
夜の喧騒
沈黙は煩 ....
春の陽射しに包まれた
消えゆく雪のその薫り
蒼白の日々の儚げな薫り
ひんやりとしたあたたかさは
春の命にとけて
空の色になって
泥に塗れた冷たさは
思い出を残すこともなく
....
斜めに射し込む陽
赤と青が溶け合う
海 漂う船
暗闇の中
生まれ落ちた光
焼き消された多くのものが
得たものは―
西風が吹き消す
空の蝋燭
勝ち得たものは
儚く脆く
海の ....
月隠れの夜
街灯の影に咲き
暗い空の裂け目に
眩しそうな眉間の皺
寄せては返す
夜の嘘 その甘さ
秋の夜風の
気まぐれさに濡らされて
潤んだ瞳のその甘さ
じりじりと迫 ....
夜はうえ。昼はしたを見て歩くのがよい。
ひかれたトカゲが一匹、ひからびていた。なぜか仰向けで。もしかしたらひかれた後、のたうち回っていたのかもしれない。肌がぴりぴりと痛い陽射しの中。彼のお腹の ....