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工場には
一つの巨きい機械が常に作動し
ベルトの上に運ばれる
「商品」は次々に仕上がり
( 巨きい機械を組織する
( 無数の小さい歯車達は
( 涙を流す、暇も無い・・・
....
誰もがきっと探してる
心の穴を埋める
たった一粒の薬を
誰もがきっと求めてる
この世の果ての薬局にいる
あの不思議な薬剤師を
群衆に紛れた君が
ビル風に飛ばされそう ....
主よ
私は光るペンを手に
暗闇の広がる野分を独り
これから往かねばなりません
そこには果てしない「無」が
広がり・・・もしかしたら
何も、何も、無いのかもしれません。
....
僕がみつめるひとはそっぽを向いて
僕をみつめるひとと目を合わせずに
交差点ですれ違いゆくお互いの間にはいつも
この手に触れ得ぬ、宙に浮いた
空気の破れ目がある
立ち止まり ....
三日後にわたしは
三十三年間着ていたわたしを脱いで
風の衣を着るだろう
その時世界の何処かに響く
あの産声が
聞こえて来る
その時空から降る
透けた掌と差しのべるこ ....
ましろい部屋の空間で
宙に浮いたペンが
血と涙の混じった文字をノートに綴る
開いた窓を仰いだ神保町の曇り空から
誰かの涙がひとつ、落ちて来た。