立ち入り禁止の
義母の部屋に入り込んで
おしっこをしたり
供えたお菓子を引っぱり出して
食べ散らかしたり
犬が悪さをするようになった
酒飲みで我が強い
とてもこども染みた人だった
....
にょろにょろは横になる
どうして立っていないの
小さなおててで持ち上げちゃったら
にょっ
雪のしっぽは切れちゃいました
あらら ねえねえ
横になっててもいいんじゃないの
恐竜のしっぽって ....
十一月になり寒い
合羽を着て雨の中 林檎をもぐ
はしごの四段目くらいまであがると
葉につかまり じっとしているトンボがいる
明日は雪の予報で今夜にも降るかもしれない
最後の日なんだ
羽を掴 ....
さて
己の望みはなんぞいや
近頃は
気楽を失っていたために
家の中には雨雲がおおっているようだった
気楽過ぎて
お人好しになってはけないと
知恵のない頭で
先手後手を考えていたせい ....
いらないんだろうか 私
と言う 不安げな顔
いるもいらないも 元がね
無くなるかもしれないんだし
と から元気全開で労働
誰にも言わないで
言っちゃいけないよ
そう言ったのに
どこ ....
どこのひとでもない
という私
普通の会話の中
会社での事
不況の中 仕事があったりなかったりで
決まった担当をはずされ
ある仕事をいただいている
慣れている仕事 慣れていない仕事 ....
雨をひらいて いくつもの声のその中へ
飛び込んでいければいいと思った
軒下からしたたる雫が はねて、
とりとめない心に降りかかる
泣いているの、とたずねる人の
声がしたような気がして
振り ....
屑かごに捨てられた屑というもの
笑顔だったりする
捨てられても
笑っている
シワがよって
泣いているように見える笑顔
泣いているように見える
わたしの心
資源ごみは
....
またリストラしている会社の話題
先日した自分の会社の先もわからないけど
稼げる時は稼いでおこう
考えるより実行するしかない
真面目にやっているから
切られないものではない
けれど なら ....
元気になる権利があるので
いちいち弱くなる話は
しないでおくれ
朝からまた人の悪口言っている
どこから集めてくるの
そんなに悪いだけの人なのだろうか
どうせ にこにこと私と話していても ....
080924
猫が毛を舐めるのだと
譫言のように呟く男
電車のドアからも
秋風が舞い込んでくる季節
Tシャツのメッセージを考える
Don't monke ....
あなたがしんとしたので
わたしもしんとしました。
大きい紅葉が山の中で鬱蒼と茂っていました。
大きなどんぐりもありました。
わたしが笑い転げたのであなたも
笑い転げました。
....
「自動販売機に並ぶ
ペットボトルの色水達は
どうも買う気がしないねぇ・・・」
そう友達に話した昨日は
蝉時雨の降りそそぐ
残暑に湿った一日でした
翌日一人で出かける僕 ....
いまは
白線の上にいて
アスファルトのはずのあの灰色は
落ちたら
池みたいに
わたしを吸い込んでしまうんだろう
あるいは
どこまでも底のない空の上の
飛行機雲
突然途切れて
飛び込 ....
失敗しなくちゃ分からないこともある
そんな日だった
至らない自分が悔しくてどうにも疲れる
鉄の心のつもりが
決壊しそうなのを
必死で補強してる
変わり映えのしない
どちらかといえ ....
川崎LAZONA5階
木のベンチに腰を下ろした僕は
各階に店の並ぶ円形広場を眺める
小さく見える人々の
行き交う傍らで
ステージに立つ
君の唄声を聴いていた
君の息子 ....
おでことおでこをくっつけて
君と春のうたた寝
寝息が波のように遠ざかり
いつしか君は夢の中
匂うような春はこんなふうに
小さな子供に戻って
やさしい眠りに包まれていたい
そっとそっとゆら ....
かつて
私は詩人と呼ばれたが
いまはまったく書いていない
詩をつくらなくても
平気だ
いつまでつくらなくても
この先も平気だろう
なぜなら
いま私を詩人 ....
もつ煮込み屋で
黒ホッピーと
さんまを食べる
このはらわたをねえ
日本酒で食べたらおいしいんだよね
それだったら、日本酒、たのめばいいじゃないですか
そうだねえ
そうなんだけどねえ
....
{引用=からだのすべてを耳にしてしまいたい、いっそ}
糸電話から伝わった振動が、
あのひとの声だったと気づいたときには、もう
音もなく、底はふるえない
わたしを塞いでいく夜にも ....
虹を見ていた
空に放物線を描く光の帯を
虹を見ていた
あの日君と眺めた七色の輝きを
虹を見ていた
ただ黙って見ていた
思い出は今も胸に消えない懐かしい橋をかける
あの日僕らは雨上がり ....
雪
と思ったのは、鳥の羽だった
くるりとやわらかに丸まった羽毛が
風で、路上に転がって
ここで何が起きたのか知らない
鳥の姿も、形も無い
アスファルトには点々と
わずかな血痕が残され ....
脱いだ靴を手放し
床に落とす音が
鼓膜に響いて
目の覚めた深夜
つけっぱなしで
眠ったはずの
蛍光灯はいつのまに消えかかり
薄暗い部屋はいつまでも
点滅していた
....
あのひとの汗は鮎の匂いがした
もしかしたらキュウリウオの匂いだったかもしれないけど
げんみつなことは問わない
鮎はスイカの匂いがして
スイカは汗の匂いがして
汗は鮎の匂いがするのだ
結露に ....
ねえ
人なんか頼っちゃいけない
たぶん
あの人もこの人も
朝になればすり抜けていく
猫みたいなものなんだから
雨みたいに降っている
落葉をいつまでも見ていたよ
いつになったら止むの ....
あなたのこころが欲しいけど
あなたのこころはヒラリひるがえって
簡単にはこころをくれないので
わたしは毎日悩んでは諦めている
たやすい幸福は
わたしのあるべき場所にあるわけで
夢に見るまだ ....
わたしはパチンコはしません
親の遺言で
「パチンコはやってはいけない」
と言われたから
まだ
死んでないけど
わたしはビリヤードがしたいのに
奴等はダーツの話で盛り上がっている
....
現在という塊の中から
わたしの輪郭だけを残して、わたしが
蒸発していく
夕暮れの空は赤く発光し、届かない高さで
じっとして居る
いったい、わたしは何に忘れられたのだろう
浮遊す ....
今、僕が書こうと思っていることは、個人的なことである故、
この手紙を読んでくれる方の中で、僕に親しみを感じる人がいれ
ば、その人に、僕が最近考えている本音をそっと打ち明け、何か
思うこ ....
真っ直ぐな棒は
水面に
真っ直ぐに写らない
水は集められた檻の中でも
ゆらいでいて
少しの風にも
ついて行く
熱さがよれば熱くなり
冷たさが触れれば冷たくなり
真っ直ぐだ ....
1 2