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春へと旅立つ
厚い氷のトンネルを抜けるたび
金属の車輪が鶯の鳴き真似をする
繋がって泳ぐ魚は駅に出会うたび立ちどまる

雨水が硬い表皮を滑り落ちる
やさしい雨の季節だ
ちいさな水の粒子に ....
末広は吸い込まれて消えた、平凡の象徴として
ありとあらゆるものが末広と化した
末広がりという社会現象

末広という名前の子どもが急増し、末広に改名するものが続出した
ある調査によれば国民の ....
夏が来るたびに扇風機は首を振り続ける
いつかの断り切れなかった言葉を振り切るように

ついには羽根を回す軸が歪み始めて
一人前のプロペラみたいに効果音を出している



あの夏に買った ....
切れ切れの落ち葉は切ない
道の脇に沈みこんで
自分がどこから来てどこに行くのか
道行く人にかさかさと問いかける
けれど誰もその葉が何の葉であるかを知らない

女は三輪車に乗る子どもを道で遊 ....
結局
要するに
つまりお前は
人を好きになれない
のではなくて
人を好きなお前を
好きになれない

根本的に
無意識的に
核心的な部分において
お前は自分のことが嫌いだ
人を好 ....
僕は知っている
通学路の途中にある花坂斜路の下には
恐竜の化石が埋まっているってこと
それをいつか僕が掘り起こすのだ

春には桜が咲いて
夏には向日葵が咲いて
秋には金木犀が咲いて
冬 ....
水色ストライプのひさしの向こうに
ぼんやりとした青空が広がっている
目の前に広がる防波堤
空の青が海の青を映したものなら
空気は随分とくすんでいる
陽射しに透けているこの小屋根の方が
 ....
私は燃え上がる
とてつもないエネルギーを
言葉にして吐き出すこと
言葉を読み耽ることに向けていた

私の燃焼期の思い出
燃えるような心を手に入れた
あの日から高まってしまった
鋭く研ぎ ....
健さんの木屋 亞万さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
各駅停車で、春に向かう- 木屋 亞 ...自由詩5*13-2-9
末広がり- 木屋 亞 ...自由詩3*12-12-30
扇風機は苦い、手の平は甘い- 木屋 亞 ...自由詩3*09-7-11
葉女- 木屋 亞 ...自由詩3*09-2-6
芋虫のまま死にたい- 木屋 亞 ...自由詩2*09-1-29
斜路- 木屋 亞 ...自由詩3*08-10-8
影のない犬- 木屋 亞 ...自由詩8*08-10-5
燃焼- 木屋 亞 ...自由詩1+*07-9-12

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