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ふと思いついて、昔書いた詩を投稿してみま
す。一九九〇年から一九九四年ぐらいまでに
書いたものを、自分の中では「初期詩篇」と
呼んでいます(それ以前に書い ....
冷えた夜が
低地を這っている
これもまたもうひとつの
忘れられた夜であろうか
――あの人は
貴重な生を召し上がりました
何ひとつ 言い残すことはなく
混沌の角度で経験は薄まってゆく
....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
....
さなぎの、笹食べているのを見て
いると暗澹とする。ささ、さあ、
こちらにおいで、さなぎ。どうせ
おまえは動けないのだから、せめ
て、こんな年寄りのところまで、
這いずり回って、混沌のようにや ....