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玄関に傘が一本
ギロチンのように
あった
昔こんなもので
人が酷い目にあったのだ
と信じられないくらいに
静かな朝だった
やがて傘は
扉を開けると
仕事机のような格好にな ....
静かな言葉に騙されて
武器を売り続けた
いくつもの春を泳ぎ
疲れれば
もの言わぬ記号に似ていた
河口に人の死体が流れてくる
知らない人ばかりだった
知っていたとしても
....
母が縄跳びをしている
僕はしゃがんで回数を数えている
あんなに腰が痛い
と言っていたのに
背筋をピンと伸ばして
交差跳び、綾跳び、二重跳び
次々ときれいに跳んでみせる
既に数は百回を超え ....
ただそらだけがある
ひとも
たてものも
どうしょくぶつも
わすれて
すみずみまで
ひろがっている
きおくのそとがわから
ことりがいちわきて
はばたこうとすると
そらはきように
み ....
あんなに痩せっぽちだった友だちが今はひとりぼっちになってた
スリッパを並べると自分にもお客さんがあるみたいで嬉しい
ウォーリーを探せ、と言われてウォーリーしか探さないような子でした ....
耳の中に何か忘れ物をした気がして
振り返ってみるけれど
耳の中に帰る道を忘れてしまった
どうにかしようと耳を澄ましても
聞きたくない音や言葉ばかり聞こえてしまう
まもなく桜がきれいに咲き始め ....
たくさんの花を枯らした
サボテンやアロエも枯らしたし
ケフィアやカスピ海ヨーグルトも駄目にした
それでも命は大切にしなければならないからと
小さな虫はその形や色が嫌いでも
なるべく殺さず ....
あなたが口を開ける
中には空が広がっている
雲が浮かんでいる
舌がある
少し乾燥している
その先に
喉ちんこがぶら下がっている
双発のプロペラ機が
飛んでいくのが見える
空の一番青い ....
あなたの温かみと重みが
わたしの存在に加えられる
その重みで
わたしは少し沈む
ほんの少し
沈む、あなたのわからない程度に
支える四本の脚
と呼ばれている、それは
わたしの言葉
....