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あの子は逝ってしまったのよ
夏の名残の陽射しが注ぐ朝の庭で
何度か苦しそうに喘いで
だけどそのうち眠るように
少しづつ少しづつ
呼吸が弱くなって
愛するみんなが見守る中で
頑 ....
川縁の草いきれの中を
ひた走った記憶は
あるいは夢かもしれず
はじめは
ひとすじの流れにすぎなかった
けれど運命は
生まれる前から決められていた
旅を重ねるごとに
強さを身 ....
爆弾を我が身に纏って散り果てぬそれを正義と笑わせやがる
見上げればおんなじ色のはずなのに我らの空もイラクの空も
銃口に面と向かったその時に「万歳!」なんてぜったい言えない
....
閃光と爆音が果てしなくつづく
長い長い夜だった
終戦前夜の静かな港町に
これが最後とばかりに
ありったけの爆弾が落とされて
夜空はまるで夕焼けのように
真っ赤に染まったという
....