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秋のはじめのある日

川辺りを散歩していた風は
色とりどりに咲いている花を見つけました

‥なんて綺麗なんだろう
‥一緒に遊ばないか

風がそう言うと
花は恥ずかしそうに
コクリと ....
窓を開けた瞬間
朝一番の風は
薄手のシャツを抜け
眠気交じりの肌を
下から上へとナゾルように吹いてきた

頬から
首筋
うなじへと
同じ風に包まれてゆくのをそのままに
まだ整えてい ....
「ふう、暑い」

小さい秋を

掴まえて

名残りの陽射しが

傾いていく
揺れる枝さき
ほころぶ花びら

きみ、想う

いつか
その日が
きますように


夜ごと
空をみつめては
十五夜をまつ

きみ、想う

いつか
月のあかりも
届きますように




※写真は萩です
ときどき
思い出した
ふりをして

その面影を
そっと
胸に抱いてみる

きつく抱いたら
もろく崩れて
カタチをなくして
しまいそうで

優しい顔
笑った顔
悲しい顔
 ....
秋のはじめの
雨は優しく
しずかに
しずかに
色をさす

花かんむりの薄紅
手折るのを忘れ
肩にも雨は
優しく降りる
きみの帰りを待ちわびて


雨に煙ったアスファルト
ずぅっと先に目をこらす


きみと遊んだ
ねこじゃらし

今日は
つん と 雨の匂い

ボクのひげにも
雨の匂い
あなたの影と
わたしの影が重なる

頬そめた夕日を
あなたの肩ごし見送る

あしたも
会えますように
雨がやんだ
雲が流されていく
青空が顔をのぞかせたら‥


さあ
窓を開けよう
秋風は
空の彼方で
昼寝中
雷鳴にさめる
午睡の汗
今日、会いたい

きみを待った



時計の中で明日を迎える
汗をかきながら
ここまで来ました

もう少し先まで
行ってみようと思います
消えゆく色を目に映し
それぞれの夏は過ぎて行く
貴方の背中ごし
最後の花火を
見ました

あと何年、何十年
花火を見たら

私は
花火になるのかしら

貴方の背中ごし
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