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夜杖に狭間梳き
地より柔らかにうねりゆく朝もや
泊められていた火船
砥石の角をたち
白く月の望む腕に
かなえられて昇る
さんびどおもってらば
まだ ゆぎっこ ふってくるおだおの
まぢの たんぼだば すてっときえで
ながぐつなば はずがしして
みせっこさ よ ....
どこから こぼれてきたのですか
雨の かがみ込んだ内で
抜けられない 靴ずれに
しみる痛み
知らないうちに 紛れ込んだ
砂の汚した 靴下
脱いで 素足になりたいけど ....
サンタになる
と 義父が言ったのは 六十歳になったあたり
子供の頃からの夢だと言い
衣装をそろえ 駄菓子を買い込み
白い布など用意したので
義母は 義父用に衣装をつめたり
白い袋にした ....
黄色から赤信号に 変わった
コンビニエンスストアの 前の交差点
朝 うっすらと雪で凍っていた路上も
お昼を過ぎる頃 スリップする心配もわずかに緩み
直進の列に いつものように 並び
....
おでかけじゃないさ
ココの 塩ぬるい空き海に
連れて来た手に
ちゅー返り
波にサスラワレタ
ひとつ
瓶が
帰れないで いるはずで
沈みな ....
ラップの上に海苔をしいて
ご飯をのせて
梅干をいれて
また ご飯をのせて
そっと 両手で包んで
おむすびをにぎる
まあるくまあるく
はい できあがり
そして はっと 気 ....
草のしないだ後が 私の靴後
手の中にある と思うものだけ
鍵だから いつまでも開かない
ふさぐ風だけ 私を知ってる
つぶれない 心の輪 とじない宇宙
弾く ひくく
触れさせ ....
遠い朝 日に乗るように
長靴が 畑の真ん中に立っています
沈んでいく桃色の光が 靴底で
何人かの村人に 似ていきます
ひそりと ゆえに おもむろに かぜ
駆け出しそうな 針葉樹の ....
川で 手を洗おうと思ったのは
いたずらに食べた桑の実で
汚してしまったから
新しいランドセルが
川を覗き込んだ後頭部を倒す
沈んだ 目が水を見る
手をのばした
びっくりした友達のいる ....
時に溶ける 秘雪崩の かすみ
地の 起立 に ただれる 脈
赤い水平の風 蕾 咲く 眼に
伏している鎖の涙 絡む 微笑
せきとめ続けた 光の りん光
射りこまれた 花びら 触れて
....
弟が二人いる姉など
子供の頃は 子守りをさせられ
遊べるくらい育ったら
キャッチボールなど 男同士だし
大人になっても
たまにラーメン食べにいくとか
うちで 飲むとか
まず 誘われな ....
潜り込む 星の人形を
ヒソメル鱗の 綿あおい積木
そろそろと 羽織らせた髪の陸湾
つけ足す かじり 染めた蕾
足から 運ばれる ひき潮の鞠音
消された煙 だけ 壁に ....
湿気のあがる
風の強さに
飛ばされそうな肩
足を止めて
古いままの 山道にも
じゃりが くだかれてて
こぼれていかないように
角と角の淵に
つま先 入り込ませ
明るい ....
詩とか詩人とか 日常では使わない
子供の頃 学校の授業で出会い
宿題にされ 宿題でもないのに
書くようになって 憧れた
同人誌に入ってみたり
小さな詩集ではあったが
喫茶店 本屋さんに ....
少しづつ はぐれるようにして
息のつけるところまで
霧雨が 庇う様だ
陽射しが吠えていた
ハンドル握りながら
ひとすじの 血脈が
太陽に かかると思っていた
そして 同じくらい ....
ちりんこ するこの こころは こわい
てたりと すわって ここのつ やっつ
なきまね ちびちび うそなき つもり
ぺたりと ころがり ごろんこ ごろん
ちいさな こゆびで かわした こ ....
めらり いきなおす
きに まわった ほのお
ち から はぐれ
つめられた いしの かまど
びりびり ひきさくほど ついて
まかせ でまかせ
あかりは あげる
あしたに ....
芸術ってなんだろう。
日常をしのぎつつ ふっと思う。
このごろ あれかなと思う。
むすんで ひらいて。
多分 小さな頃 教わって うたいながら
手を開いたり 結んだり。
なにか 呪文のよう ....
地図の上に 雪は ない
天の上は 雪を知らない
火を
かざして 求めるのに
土に
よごれて かきむしるのに
足りないものばかり
足せないものばかり
凍らせなさいと ひ ....
ひいた こより
てのなか ふるえてる
だれかの ため
よういされた ことばが
こころのおく ねづく
だれにも したがいたく ない くせに
ひとつのもじ に かんきん されてしま ....
あなたは 土にならず
離れず 月に なった
継がないはずの 木々の名も
つなげぬからだ わたる鳥も
襖に 閉ざされた 小雪冷え
焚きつけたストーブ その奥
影に ....
時の泉に 群れ飛ぶ月の 彼方
のべる腕 さしだす酷に くれて
守る いわれのない 裸の花
晒し 望む 天の 枕木
はしり 散らす 吐息の杖
くぐり 舞い戻る 夜明け
中学校の図書室で
詩の書き方という 本をひろげた
文芸部に入りたてで
それなりに 真面目だった
そこで 出会ったのが
高村光太郎様作 火星がでている である
ひと読み惚れという言葉 ....
少しづつ 咲く花も
少しづつ 枯れる花も
同じ時の中で 生を流れる
めざめて
めばえて
よりそい
続かなくなる息なのに
止める事に こだわり
いつまで夢をみるの
....
棘に着せる花びら
ちぎり終えて
何も知らずに 枯れていく
カーテン で 抑えきれない
濃さの違う 溜息
流す視線 だけで
つなぐ
人魚のように
青く 空は
どちらの ....
毎日 違う朝なのに
ありきたりと
つづられる
こいこがれて うごかない
待つだけの 人は さておいて
違うことを みつけるめは
たやすくないようで
単純で
今 生まれた
....
てのひらで つつみこみ
くきに 指を一本そえて
ぽきっと ひねる
赤味のついた林檎を
肩から下げた
{注こだし=肩から下げて使う袋}に 入れる
小学生の時 父に教えられて以来
....
太陽の溶けた樹液が
母星を 取り込み
枝の上に 果実を成す
宇宙飛行機には 乗れないけど
かじりついたら
行っていない星はない
この実すべてになるために
巡りきた
宇 ....
あまり過保護になっては
ひとり立ちできないなどと
父母が 孫の話をする
だんだん 友人との付き合いが
目の届かないところまでいき
不安そうだが
あまり しばりつけても
本人のためにな ....
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