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まず
捨てられたままの
目くらのテレビの
スイッチを入れてみろ

おはよう と老婆が
自家製ジャムの瓶に向かって
声をかけると同時に、眠そうに目をこすった
孫たちが起き出すから

 ....
舞台となった森は狭かった。
そのままの格好で、と狩人は言った。
少年が頭にのせていたリンゴは本物だった。
憎悪に燃える魔女の瞳。
ぐつぐつと煮立った鍋。
気味の悪い匂い。
眠れる森の―、そ ....
今夜―、銀河は沸騰している
星雲は膨らみつづける
銀箔の輝きがゆれている
何光年も離れた向こう
完璧な真空の空間のうち

宇宙は決まって沈黙している
時には激しい爆発音もあるらしいが
 ....
大工は黙々と
もくもく雲を
鉋で削っている

おが屑のような 白い雲
見晴らしもよく
遠い山脈は 透きとおって見える

黄昏 誰も彼もが眼の上に
反芻いようのないことに
さよならし ....
唇の端を赤くした車が止まる交差点で
平行するというより、円還していた
二つの車輪が―、つまり自転車が
ひとりでにゆらゆらと通過していくような
微かな摩擦熱で火がつくような真夜中に
ティーエイ ....
ぼくの恋愛感情は
小学6年生だった

授業のチャイムが聞こえたならば
急いで席に着かなくちゃならない

なのに先生である彼女は休みがちで
せまい教室でぼくは自習ばかりしていた

そこ ....
跡形もない道の上にやってくる、まっつぐな照明シグナル。
一体、幾つの尾根を越えてきたのか?数えもせずに―、
しんしんと、それは鏡のような無銘の星々から飛躍する。
彼方からの鋼鉄の遠吠えに、
お ....
狭いスクリーン。ジャンボジェット機の窓に
たくさんのおつむが映し出されていた。けれど私は、
そこに登場しない場面を見ていた。
きみの瞳のなかから。
そう!その通り
未だ窓は狭く世界は広い―
いかにも抽象は馬鹿げているようにみえるが
抽象の後ろを「馬鹿げた」がついて歩くだけのこと
そして「馬鹿げた」の後ろを盲人の「似非」が歩く 
ずっと そのまま 近づくと 灯台は 火葬場の煙突
煙 ....
航海記。鼻息を荒げた 鉄仮面をかぶる男が 
捕まえた猿達に首輪をつけている。

サーカスの夜、団長は無邪気な子供たちだけを
テントに招き入れた。

その中から 笑い声よりも大きな
足を踏 ....
街は、宣伝する車の謳い文句と、気にも止めない通行人を生贄にして
せり上がる暑さよりも、乾いた空虚さを従えていたので
僕等は、長い橋の上からきらめく水面を眺めている。
そこにありもしない目印を探し ....
それを少女は 
みなに内緒にして
草むらのなかを
さがしていたんだ

川につらなる
あたらしい蜘蛛たちは
糸に針とえさをつけて
釣りをしていたり

雲のなかでは 
ニンジンをぶら ....
 廃墟で美しい女が窓を拭いている。
手にしていたのはハンカチか、雑巾か、どちらにしろ
窓のガラスは全部割れていた。
柱の陰から鼠が、いつかいつかと
女を驚かす機会を伺っていた。が、それは無駄だ ....
「樹になっていたのは、英知の実か、生まれたての赤子の眼か?」 
と思っている ねまき姿の女が、砂浜の段丘に坐り
紅いリンゴを齧っていた。夜だった。海面には
たくさんの耳が浮いている。なかには
 ....
月が鳴る。蛙や虫も鳴きだして
演奏は合奏へ

坂の上から トロッコが転がってくる
思いの他 スピードが はやかったが
私はパレード 道をゆずるのではない 
!!と、目の前で曲がって消えた
 ....
最初で最後の崖は
未知というより 
無知な土が育んだ。
時々、崖の下の海へ
化石をペッペと吐き捨てる。
海は化石を食うと
ゲップをしたり
腹をこわして泡を吐く。
化石のなかには一万年
 ....
濃厚なアフロヘアで口髭ともみあげを尖らせていた男は
行く先も告げずに、これから映画でも見るかのように
ビスケットを食べている。運転手は問いかけに応えない男の表情を、
男の口からこぼれ落ちるビスケ ....
樫の木の下で眺める
フェンスの向こう 霞ヶ浦で
クルーザーが揺れている

その遠く 建物の明かりが
夜の中に沈殿する様
ぼんやりと灯っている

広い駐車場には 数台の車
一台のセダン ....
自転車のかごに乗っていた子供の瞳はこうだ。―見てはいないが、映している。
映されていた、天使は、大人になるための訓練をしていた。それというのも
見過ごす事で、無疵のまんま成長したがる人間がたくさん ....
工場地帯の駐車場に捨てられていた吸殻から
男女のひそやかな絆が曝される。互いにひかれ合う、
男と女の意欲と表象、一度出ると伸び広がりつづける地平線に
偽りの太陽や月が、沈まずに居座っている。何個 ....
いまだキルトを綴るという
針の動き、
広がる愛を不安と呼んだ彼女よ!
違う!僕はそう思わないよ

歓楽通りを歩いていると、
後をつけてくるとかいう例の老人がやって来て、
不眠症の男に地図 ....
養豚場から柵を跳び越え豚が逃げ出した。
ラジオを首からぶら下げて。
 田んぼの稲は真っ青。そこを豚は一直線に突っ切って
町の市場へと向かう。ラジオは大音量で、
「豚肉が高騰中!」と報じている。 ....
世界一小さい公衆トイレ(それはおれんちの、そして君んちのトイレ)
で、ギャルソンが生まれた。趣味の悪い蝶ネクタイをしていて
手に乗せた皿の上には、ご主人様どうですか?といわんばかりに
蛙の死骸が ....
かおるさんのプテラノドンさんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ゴミ山とテレビの象徴- プテラノ ...自由詩4*06-3-4
守られたもの- プテラノ ...自由詩2*05-12-20
夜に呼ぶ名は- プテラノ ...自由詩4*05-10-20
「雲と大工」- プテラノ ...自由詩3*05-10-7
真夜中- プテラノ ...自由詩1*05-8-26
落書き- プテラノ ...自由詩9*05-8-3
夜にとぶもの- プテラノ ...自由詩3*05-8-2
「飛行機」- プテラノ ...自由詩4*05-7-28
METAL__FINGER- プテラノ ...自由詩1*05-7-23
五万とある航海、その一つの—- プテラノ ...自由詩3*05-7-23
訪れない、その手前で- プテラノ ...自由詩11*05-7-20
「トレードマーク」- プテラノ ...自由詩9*05-7-18
「マジシャン」- プテラノ ...自由詩6*05-7-15
独りの浜辺- プテラノ ...自由詩4*05-7-15
「トロッコ」- プテラノ ...自由詩4*05-7-14
「崖」- プテラノ ...自由詩3*05-7-14
TAXIに乗った男は…- プテラノ ...自由詩2*05-7-12
一つの距離- プテラノ ...自由詩3*05-7-11
狂った夕立- プテラノ ...自由詩4*05-7-8
偏頭痛- プテラノ ...自由詩5*05-7-7
キルトに綴る、その鍵と- プテラノ ...自由詩2*05-6-29
ブタラジオ- プテラノ ...自由詩5*05-6-26
ギャルソン- プテラノ ...自由詩3*05-6-24

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